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平凡な君が愛おしい
わんこ書記と平凡男前
しおりを挟む今日は、天気も良好だから昼食を中庭で…と思い中庭に来た。
木の下にあるベンチに座って食べようと思ってベンチのところに行けば、既に先客がいた。
どこかで見たことのある顔だが…誰だっけな。
「…んっ……?」
ジッと見ていたせいかベンチで寝ていた男が目を覚ました。
「あ、わりっ。昼寝の邪魔した」
目を覚ましたからには、眠りを妨げたのだから謝るのが筋だろう、と思ったから素直に謝罪をする。
だが…
「ん…?い、や。…良い匂い、する」
たどたどしい喋り方をする男に「赤ちゃんかよ…」と思いながら、男が見ている俺の弁当を見る。
「あーもう昼だからな。昼飯の時間だぞ?だから、俺はここで飯を食おうと思ってきたわけ。つか、お前…飯は?」
「…な、い」
ふるふると首を振る。
「そうか。まっ、隣座るぜ?…ほら、やる」
少し俺が座れるスペースを作ってくれた男の頭を撫でてから、弁当が入っている袋からおにぎりを一つ差し出す。
「………」
男は、おにぎりと俺の顔を交互に見てから、ゆっくりな動作でおにぎりを受け取った。
もぐもぐと両手でおにぎりを食べる姿は、本当に高校生か?と思えた。
「うまいか?…卵焼きとか好きか?」
「……」
聞けば、不思議そうな顔をした後、コクリと頷いた。
「そうか。ほら、口あけろ」
あいにく箸は自分用のしかないので、卵焼きを箸で男の口にもって行く。
男も素直に口をあけて、その行為を受け入れた。
「うまかったか?」
「…」
コクリと頷き、俺がさっき渡したお茶を飲んでいる。
「そうか。俺が作った物だから、お坊ちゃんの口に合うか心配だったが…それなら、安心だ。……ところで、お前の名前は?」
「作、った?…すご、い。俺、好きな、味」
男がキラキラとした眼差しで俺を見る。
名前の部分は華麗にスルーされた。
「お?そうか。なら、また作ってきてやる。…俺は、三神蒼空で2年だ。気軽に蒼空って呼んでくれ。んで、お前は?」
「う、ん!つく、って!俺は、2年…椎葉遥。ソラ、よろ、しく!」
椎葉遥…生徒会書記じゃん!
どっかで見たことあるわけだな、こりゃぁ。
まぁ、可愛いから良いか。
「そうか。んじゃ、ハルって呼ばせてもらう。んじゃ、もう昼休み終わるから…また後でな?」
「こ、これ!…メール、して?電話、も!」
ハルが紙になにやら書くと俺に手渡した。
それは、ケーバンとアドレスだった。
「おーわかった。後でメールするから、登録しろよな。んじゃーな」
ハルがバイバイと手を振ってくれたので、俺も逸れに振り替えしたら、とても嬉しそうな表情をしていた。
ーーーーー
わんこ書記…椎葉遥(ヨシバハル)。懐けば、本当に犬。良く生徒会を仕事をサボったりするが…これからは、ソラの為に仕事を頑張り始めたり…。
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