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第41話 真実を伝えたい・・・ 前編
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「いけないなぁ。子供の喧嘩に大人が加担するなんて」
遠くから近づいてくる1人の男・・・
その男は、白銀の髪に前髪を赤く染め、片手には杖を持っていて、杖には、パチパチと静電気が纏っていた
「誰か思えば、『銭ゲバのアドン』じゃないか。相変わらずあこぎだねぇ」
「なんだ。貴様は!いきなり割り込んできて、その上説教とはどういう了見だ?」
男がギンガの前に立ち、アドンと向き合い、呆れた顔でアドンを見て言い返す
「偶然、通り掛かったら、お前たちの喧嘩に遭遇したんだよ。それにしても、いくら威力を弱くしてライトニングを放ったとは言え、子供相手にやることじゃないよなぁ・・・アドンよ」
「やかましい!どこの誰だか知らねぇが、このC級の冒険者でありながら闘技者の『イナズマのアドン』様と知ってのことか!!?」
アドンは、持っていた杖を構えて、男に電撃魔法を放つ体制でいたが、それより先に男の威力を弱くした『ストーンバレット』がアドンの持っている杖に直撃して、杖が弾け飛ぶ
「ぐあ!・・・ちょ!ちょっと待てって!俺は、そこのガキにどうしてもって言うから雇われてやったんだよ!」
「はぁ~何がどうしてもだ・・・お前の場合、金の為なら何だってやる奴だろ?」
「ははは・・・なあ、このままおとなしく引き下がるから見逃してくれ!頼む!」
最早、打つ手がなくなったアドンは、男に命乞いをするために、その場で土下座をするのであった
「やれやれ、我が身を守るための命乞いね・・・もう、いいよ。さっさと消えな」
「ありがてぇ!アンタいいヤツだね!」
我が身を助けるためにプライドもなく土下座するアドンを見て憐れみを感じ男は、アドンを追い払い ヒューゴを含む連中達も慌てて逃げ出していった
「・・・・さてと、大丈夫かい?君たち」
男は、気を失っているギンガ達に駆け寄り、回復魔法をかけるとギンガ達が意識を取り戻す
「おっ、ギンガ達が目を覚ました!よかった!ギンガにビバリー!」
「俺たちの名前を混ぜて呼ぶな!」ビリー&バリー
「うるせぇ!耳元で叫ぶな!」
「それだけ叫ぶ元気が大丈夫だな」
目が覚めた途端に喧嘩を始めるギンガ達を見て、男が笑い出すとギンガ達が気づき男に視線を向ける
「・・・誰だよアンタは?」
見知らぬ男の存在に警戒をするギンガは、いつ喧嘩が起きてもいいように身構えるがガスパとブーバが止めに入る
「待って待って!落ち着いてよギンガ!この人は、僕たちを助けてくれたんだよ!」
「ふふっ、元気がいいなぁキミ達 威力が弱かったとは言え、魔法をくらって後遺症もなしにわめくことができるなんてたいしたもんだ」
「・・・・あっ!!アンタは!5年前に見かけた人だ!覚えがある、俺と同じ銀色の髪をしてたからな」
「何言ってんだ兄貴、銀色の髪をした人間なんていくらでもいるだろ?」
「だよね。それにしても、この人が5年前に見かけた人だって、よくわかったね」
「そんなのは、直感さ!俺の直感はよく当たるんだよ。それにこの人を見ていると、なんだか親近感が湧くんだよ」
ギンガは、ドヤ顔で自分の胸を叩きニヤリと笑った
「へぇ、直感と来たか。そうやって聞くとオレもキミを見ると親近感が湧くよ」
「へへっ!そう言ってくれると嬉しいよ。そうだ!遅くなったけど、助けてくれてありがとう!」
「あっ!忘れてた!どこの誰だかわかりませんが、助けてくれてありがとうございます!」
「いいってことよ。当然のことをしたまでさ。そうそう、名乗るの忘れてたけど、オレの名前は『ジョージ』、ただの旅人兼冒険者さ」
➖ハズキサイド➖
あれから2日後、ハズキとシュリはサロメの居場所を調べるため、同じ弟子や知人達から聞き出し、サロメの所在地を月止めて、サロメのいる『ジーナ』村へ
『ジーナ』村は、レガイア王国から遠く離れた山間にある小さな村である
「こんな人里離れた村に住むなんて、ただのもの好きかよっぽど何か事情があるんだろうね」
「母さんの弟子たちは、みんな変わり者が多くサロメもその中の1人だったよ」
2人がサロメの家を探していると背後から声を掛けられた
「ハ、ハズキ?ハズキなの?」
ハズキに声を掛けたのは、探していたサロメだった サロメは、5年前に比べると随分とやつれて痩せていた
「探したよサロメ・・・アンタには聞きたい事がある・・・」
「・・・いつか来ると思ってたよ・・・話は家の中で」
サロメは、ハズキが来るのがわかっていたかの様子で2人を家に招き入れた
「単刀直入に聞くよ。サロメ、アンタが母さんを殺したんだろ?」
「おい!ハズキ!いきなりすぎるだろ!ものには、順序ってものが・・・」
「別に構わないよ・・・流石は、ドリス先生の娘だ・・・直球な性格もそっくりだな」
ハズキの率直な質問にサロメは、苦笑いしながら椅子に座る
・・・・・・・
「確かに私が先生を殺した・・・控え室に置いてあった水の入ったボトルの中に毒薬を入れてね」
「随分と落ち着いて・・・と言うより身も心もボロボロになって鬱状態って所か?母さんを殺した後、何かあっただろう?」
ハズキは、外見でもわかる憔悴しているサロメを見て、一瞬で見抜いていた
「ははっ・・・全てお見通しって訳かい・・・」
「おい、ハズキ。話についてけないんだけど、一体どういうことなんだ?」
「サロメ、アンタの父親はどうしたんだ?確か病にふせっているって聞いたけど」
サロメは、急に顔を曇らせて肩を落とした後、ゆっくりと事の顛末を語り始める
「・・・死んだよ・・・・この世には『天罰』ってのが存在するんだね。やっぱり・・・」
「何が言いたいんだ?」
「私は、『ある男達』の協力で、ドリス先生の殺害をしたのさ・・・」
「!!!『ある男達』?・・・もしかして、ラムサスのことか?」
『ある男達』と聞いたハズキは、即座にラムサスの名前が浮かびサロメに問いただす
「察しがいいね。そうだよ、ラムサスから毒薬を貰い、その毒薬を使ってドリスさんを毒殺したのさ・・・」
「お前、どうしてドリスさんを殺したんだ?師匠に対して恩義はないのか!」
「恩義・・・ね。確かに恩義はあった・・・でもね、ドリスさんは私の母親の仇でもあるんだ・・・」
「ドリスさんが親の仇?どういうことだ?」
肩を落とし項垂れて覇気のないサロメだったが、ドリスが親の仇だと言う事をハズキ達に言うとら饒舌に語り出した
「あれは25年も前の話さ、私のお母ちゃんもドリスさんと同じく剣闘士てね。お母ちゃんは、ドリスさんと肩を並べる程の実力者で、いつか戦えることを望んでいて、周りからも2人が闘って欲しいと言う声があった」
「それって確かギーラって人だよね?覚えてるよ、あの時、ワタシも観てたよ。あの試合は、激戦の末、母さんが勝ってギーラは重症をおって、その後死亡した」
「なあ、その試合って真剣勝負だったんだろ?しかも、剣闘試合は生死もかける闘いなんじゃないのか?それなのに恨んで敵討ちなんて、お門違いにもほどがあるだろ!」
サロメの仇討ちが身勝手な理由だとわかり、シュリがサロメの胸ぐらを掴み詰め寄る しかし、サロメは、何も抵抗せずに苦笑いしながら話の続きをする
「あははは、確かに世間一般には、こんなの門違いなのかもしれない・・・・でもね、家族からしてみれば、そんなの関係ないんだよ。どんな理由であれ最愛の母親を殺されたんだからね。相手を憎めないはずがない!理屈じゃないんだよ!」
さっきまで憔悴していたサロメが母親ギーラの死の理由を話すと急に感情が高ぶり掴まれた、シュリの腕を振り払い椅子から立ち上がるもすぐに座るとため息をつく
「それから、私は復讐のため己を鍛えて冒険者となり、今から5年前にドリスさんに近づくために弟子入りをして、ラムサスもこの頃に出会ったんだ」
「そう言えば、ラムサスには仲間がいるようだけど、そいつは魔族なのか?」
「ああ、ラムサスがランディと呼んでいた。ラムサスの紹介でランディから毒薬を受け取り、その毒薬を使って、ドリスさんを殺害したってわけさ」
「魔族が絡んでるとはね・・・おそらく使用した毒薬も魔界から持ってきたものだろうぜ。魔界には『ルイン(破滅)』と呼ばれると花から始まり、危険な植物が多数存在するらしい。そんな危険なものを持ち運びできるのは、魔族くらいだ」
「私は、お母ちゃんの仇を打てたけど、心の中で後悔していた思いがあった。ドリスさんには、心身ともに鍛えてもらった恩義もある・・・」
すると、サロメは立ち上がって窓際までフラフラとしながら歩いて空を見上げながら涙を浮かべながら再び語り始める
「復讐のためにドリスさんの元へ弟子入りしたとは言え、修行をしているうちにドリスさんとの師弟愛を感じるようになってね・・・次第に復讐なんて馬鹿らしくなってやめようとしたんだ・・・・・」
ガン!
サロメが壁を思いっきりたたき手から血がにじむ
「・・・でも、この時にラムサスが現れて、私に言ってきたんだ・・・・今思えば、あんな口車に乗ったのが愚かだったと言うことに・・・」
「なあ、どうして復讐をやめたんだ?ドリスは試合とは言え、お前の最愛の母親を殺したんだぞ。お前は母親の敵を打つために、ドリスの弟子として潜り込んだんだろ?だったら、母親の為にもドリスを殺すべきだ。任せておけ!俺の言う通りにすれば、確実にドリスを殺せるぞ!さあ!母親の無念を晴らすんだ!」
「!!!!!!」
・・・・
「そして、私はラムサスの言われるがままにランディから受け取った毒薬を使って、ドリスさんを毒殺したんだ。しかも、使用した毒薬は特殊なもので、魔界のナントカって言う花のエキスで作られたもので服用したら血管や臓器が破裂して出血性ショックを引き起こすらしい」
「なるほど・・・どうりで医者からも、母さんの体内から毒が検出されなかったって聞いたからね。これで母さんの死の真相がわかったよ」
「全くラムサスの野郎!人の心までかき乱すのか!」
「確かにラムサスに心を掻き乱された・・・でもね、結局は、私自身の心が弱かったかの悪かったのさ・・・ ・・馬鹿なことをしたよ・・・本当に馬鹿なことをしたよ・・・悪い事はするもんじゃないね・・・大切なものを失うまでこのことに気づかないなんて・・・」
「サロメ?何が言いたいんだい?」
意味深な言葉にハズキが問いかけると窓際の方を向いていたサロメが振り向くとサロメは涙を流していた
「最初に言っただろ・・・この世には天罰が存在するって・・・ドリスさんを殺した数日後にお父ちゃんが病死したのさ・・・元々、病気がちなお父ちゃんだったけど、死ぬ前までは元気だった・・・でも、私がドリスさんを殺したことによって、狙ったようにお父ちゃんの容体が急変して、そのまま死んだんだよ。まさに因果応報ってやつさ」
すべての事実を話したサロメはハズキの目の前まで行き、地べたにあぐらをかいて座り、目を閉じる・・・・そして・・・
「さあ、もう何もかも話したんだ・・・今日、ここに来たのは、ドリスさんの敵討ちに来たんだろ?抵抗しないよ、早く殺しな・・・・」
・・・・・・・
数分後・・・ハズキとシュリは、レガイアに帰って来ていた
「いいのかハズキ、サロメをあのまま放っておいても・・・ドリスさんの敵を打つんじゃなかったのか?」
「・・・最初は、そのつもりだったよ・・・あそこでサロメを殺したところで、母さんが帰ってくるわけでもないし・・・それに・・・それにさ、あの子の・・・ギンガの顔が浮かんできてね・・・そう思ったら殺す気が失せちゃった♪」
「ハズキ・・・ふっ・・馬鹿な奴だねお前は・・・でも、お前のそう言うところ好きだぞ」
今まで、険しい表情だったハズキだったが、サロメの心の闇を知り、そして息子であるギンガの存在を思い出したことで敵討ちの無意味さを知り、サロメを手にかけるのやめたのだった
「もう、サロメの件はこれでおしまいだ。それよりもラムサスの事が気にかかる・・・アタシも奴の『巧みな話術』で利用されたからわかるよ。ラムサスは、心が弱っている者や迷いのある者に近寄り、心を狂わせることが得意だ。これ以上、被害者を増やさないためにも・・・」
しかし、これから起こる最悪な事態にハズキとシュリは、まだ知るよしもなかった・・・・
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遠くから近づいてくる1人の男・・・
その男は、白銀の髪に前髪を赤く染め、片手には杖を持っていて、杖には、パチパチと静電気が纏っていた
「誰か思えば、『銭ゲバのアドン』じゃないか。相変わらずあこぎだねぇ」
「なんだ。貴様は!いきなり割り込んできて、その上説教とはどういう了見だ?」
男がギンガの前に立ち、アドンと向き合い、呆れた顔でアドンを見て言い返す
「偶然、通り掛かったら、お前たちの喧嘩に遭遇したんだよ。それにしても、いくら威力を弱くしてライトニングを放ったとは言え、子供相手にやることじゃないよなぁ・・・アドンよ」
「やかましい!どこの誰だか知らねぇが、このC級の冒険者でありながら闘技者の『イナズマのアドン』様と知ってのことか!!?」
アドンは、持っていた杖を構えて、男に電撃魔法を放つ体制でいたが、それより先に男の威力を弱くした『ストーンバレット』がアドンの持っている杖に直撃して、杖が弾け飛ぶ
「ぐあ!・・・ちょ!ちょっと待てって!俺は、そこのガキにどうしてもって言うから雇われてやったんだよ!」
「はぁ~何がどうしてもだ・・・お前の場合、金の為なら何だってやる奴だろ?」
「ははは・・・なあ、このままおとなしく引き下がるから見逃してくれ!頼む!」
最早、打つ手がなくなったアドンは、男に命乞いをするために、その場で土下座をするのであった
「やれやれ、我が身を守るための命乞いね・・・もう、いいよ。さっさと消えな」
「ありがてぇ!アンタいいヤツだね!」
我が身を助けるためにプライドもなく土下座するアドンを見て憐れみを感じ男は、アドンを追い払い ヒューゴを含む連中達も慌てて逃げ出していった
「・・・・さてと、大丈夫かい?君たち」
男は、気を失っているギンガ達に駆け寄り、回復魔法をかけるとギンガ達が意識を取り戻す
「おっ、ギンガ達が目を覚ました!よかった!ギンガにビバリー!」
「俺たちの名前を混ぜて呼ぶな!」ビリー&バリー
「うるせぇ!耳元で叫ぶな!」
「それだけ叫ぶ元気が大丈夫だな」
目が覚めた途端に喧嘩を始めるギンガ達を見て、男が笑い出すとギンガ達が気づき男に視線を向ける
「・・・誰だよアンタは?」
見知らぬ男の存在に警戒をするギンガは、いつ喧嘩が起きてもいいように身構えるがガスパとブーバが止めに入る
「待って待って!落ち着いてよギンガ!この人は、僕たちを助けてくれたんだよ!」
「ふふっ、元気がいいなぁキミ達 威力が弱かったとは言え、魔法をくらって後遺症もなしにわめくことができるなんてたいしたもんだ」
「・・・・あっ!!アンタは!5年前に見かけた人だ!覚えがある、俺と同じ銀色の髪をしてたからな」
「何言ってんだ兄貴、銀色の髪をした人間なんていくらでもいるだろ?」
「だよね。それにしても、この人が5年前に見かけた人だって、よくわかったね」
「そんなのは、直感さ!俺の直感はよく当たるんだよ。それにこの人を見ていると、なんだか親近感が湧くんだよ」
ギンガは、ドヤ顔で自分の胸を叩きニヤリと笑った
「へぇ、直感と来たか。そうやって聞くとオレもキミを見ると親近感が湧くよ」
「へへっ!そう言ってくれると嬉しいよ。そうだ!遅くなったけど、助けてくれてありがとう!」
「あっ!忘れてた!どこの誰だかわかりませんが、助けてくれてありがとうございます!」
「いいってことよ。当然のことをしたまでさ。そうそう、名乗るの忘れてたけど、オレの名前は『ジョージ』、ただの旅人兼冒険者さ」
➖ハズキサイド➖
あれから2日後、ハズキとシュリはサロメの居場所を調べるため、同じ弟子や知人達から聞き出し、サロメの所在地を月止めて、サロメのいる『ジーナ』村へ
『ジーナ』村は、レガイア王国から遠く離れた山間にある小さな村である
「こんな人里離れた村に住むなんて、ただのもの好きかよっぽど何か事情があるんだろうね」
「母さんの弟子たちは、みんな変わり者が多くサロメもその中の1人だったよ」
2人がサロメの家を探していると背後から声を掛けられた
「ハ、ハズキ?ハズキなの?」
ハズキに声を掛けたのは、探していたサロメだった サロメは、5年前に比べると随分とやつれて痩せていた
「探したよサロメ・・・アンタには聞きたい事がある・・・」
「・・・いつか来ると思ってたよ・・・話は家の中で」
サロメは、ハズキが来るのがわかっていたかの様子で2人を家に招き入れた
「単刀直入に聞くよ。サロメ、アンタが母さんを殺したんだろ?」
「おい!ハズキ!いきなりすぎるだろ!ものには、順序ってものが・・・」
「別に構わないよ・・・流石は、ドリス先生の娘だ・・・直球な性格もそっくりだな」
ハズキの率直な質問にサロメは、苦笑いしながら椅子に座る
・・・・・・・
「確かに私が先生を殺した・・・控え室に置いてあった水の入ったボトルの中に毒薬を入れてね」
「随分と落ち着いて・・・と言うより身も心もボロボロになって鬱状態って所か?母さんを殺した後、何かあっただろう?」
ハズキは、外見でもわかる憔悴しているサロメを見て、一瞬で見抜いていた
「ははっ・・・全てお見通しって訳かい・・・」
「おい、ハズキ。話についてけないんだけど、一体どういうことなんだ?」
「サロメ、アンタの父親はどうしたんだ?確か病にふせっているって聞いたけど」
サロメは、急に顔を曇らせて肩を落とした後、ゆっくりと事の顛末を語り始める
「・・・死んだよ・・・・この世には『天罰』ってのが存在するんだね。やっぱり・・・」
「何が言いたいんだ?」
「私は、『ある男達』の協力で、ドリス先生の殺害をしたのさ・・・」
「!!!『ある男達』?・・・もしかして、ラムサスのことか?」
『ある男達』と聞いたハズキは、即座にラムサスの名前が浮かびサロメに問いただす
「察しがいいね。そうだよ、ラムサスから毒薬を貰い、その毒薬を使ってドリスさんを毒殺したのさ・・・」
「お前、どうしてドリスさんを殺したんだ?師匠に対して恩義はないのか!」
「恩義・・・ね。確かに恩義はあった・・・でもね、ドリスさんは私の母親の仇でもあるんだ・・・」
「ドリスさんが親の仇?どういうことだ?」
肩を落とし項垂れて覇気のないサロメだったが、ドリスが親の仇だと言う事をハズキ達に言うとら饒舌に語り出した
「あれは25年も前の話さ、私のお母ちゃんもドリスさんと同じく剣闘士てね。お母ちゃんは、ドリスさんと肩を並べる程の実力者で、いつか戦えることを望んでいて、周りからも2人が闘って欲しいと言う声があった」
「それって確かギーラって人だよね?覚えてるよ、あの時、ワタシも観てたよ。あの試合は、激戦の末、母さんが勝ってギーラは重症をおって、その後死亡した」
「なあ、その試合って真剣勝負だったんだろ?しかも、剣闘試合は生死もかける闘いなんじゃないのか?それなのに恨んで敵討ちなんて、お門違いにもほどがあるだろ!」
サロメの仇討ちが身勝手な理由だとわかり、シュリがサロメの胸ぐらを掴み詰め寄る しかし、サロメは、何も抵抗せずに苦笑いしながら話の続きをする
「あははは、確かに世間一般には、こんなの門違いなのかもしれない・・・・でもね、家族からしてみれば、そんなの関係ないんだよ。どんな理由であれ最愛の母親を殺されたんだからね。相手を憎めないはずがない!理屈じゃないんだよ!」
さっきまで憔悴していたサロメが母親ギーラの死の理由を話すと急に感情が高ぶり掴まれた、シュリの腕を振り払い椅子から立ち上がるもすぐに座るとため息をつく
「それから、私は復讐のため己を鍛えて冒険者となり、今から5年前にドリスさんに近づくために弟子入りをして、ラムサスもこの頃に出会ったんだ」
「そう言えば、ラムサスには仲間がいるようだけど、そいつは魔族なのか?」
「ああ、ラムサスがランディと呼んでいた。ラムサスの紹介でランディから毒薬を受け取り、その毒薬を使って、ドリスさんを殺害したってわけさ」
「魔族が絡んでるとはね・・・おそらく使用した毒薬も魔界から持ってきたものだろうぜ。魔界には『ルイン(破滅)』と呼ばれると花から始まり、危険な植物が多数存在するらしい。そんな危険なものを持ち運びできるのは、魔族くらいだ」
「私は、お母ちゃんの仇を打てたけど、心の中で後悔していた思いがあった。ドリスさんには、心身ともに鍛えてもらった恩義もある・・・」
すると、サロメは立ち上がって窓際までフラフラとしながら歩いて空を見上げながら涙を浮かべながら再び語り始める
「復讐のためにドリスさんの元へ弟子入りしたとは言え、修行をしているうちにドリスさんとの師弟愛を感じるようになってね・・・次第に復讐なんて馬鹿らしくなってやめようとしたんだ・・・・・」
ガン!
サロメが壁を思いっきりたたき手から血がにじむ
「・・・でも、この時にラムサスが現れて、私に言ってきたんだ・・・・今思えば、あんな口車に乗ったのが愚かだったと言うことに・・・」
「なあ、どうして復讐をやめたんだ?ドリスは試合とは言え、お前の最愛の母親を殺したんだぞ。お前は母親の敵を打つために、ドリスの弟子として潜り込んだんだろ?だったら、母親の為にもドリスを殺すべきだ。任せておけ!俺の言う通りにすれば、確実にドリスを殺せるぞ!さあ!母親の無念を晴らすんだ!」
「!!!!!!」
・・・・
「そして、私はラムサスの言われるがままにランディから受け取った毒薬を使って、ドリスさんを毒殺したんだ。しかも、使用した毒薬は特殊なもので、魔界のナントカって言う花のエキスで作られたもので服用したら血管や臓器が破裂して出血性ショックを引き起こすらしい」
「なるほど・・・どうりで医者からも、母さんの体内から毒が検出されなかったって聞いたからね。これで母さんの死の真相がわかったよ」
「全くラムサスの野郎!人の心までかき乱すのか!」
「確かにラムサスに心を掻き乱された・・・でもね、結局は、私自身の心が弱かったかの悪かったのさ・・・ ・・馬鹿なことをしたよ・・・本当に馬鹿なことをしたよ・・・悪い事はするもんじゃないね・・・大切なものを失うまでこのことに気づかないなんて・・・」
「サロメ?何が言いたいんだい?」
意味深な言葉にハズキが問いかけると窓際の方を向いていたサロメが振り向くとサロメは涙を流していた
「最初に言っただろ・・・この世には天罰が存在するって・・・ドリスさんを殺した数日後にお父ちゃんが病死したのさ・・・元々、病気がちなお父ちゃんだったけど、死ぬ前までは元気だった・・・でも、私がドリスさんを殺したことによって、狙ったようにお父ちゃんの容体が急変して、そのまま死んだんだよ。まさに因果応報ってやつさ」
すべての事実を話したサロメはハズキの目の前まで行き、地べたにあぐらをかいて座り、目を閉じる・・・・そして・・・
「さあ、もう何もかも話したんだ・・・今日、ここに来たのは、ドリスさんの敵討ちに来たんだろ?抵抗しないよ、早く殺しな・・・・」
・・・・・・・
数分後・・・ハズキとシュリは、レガイアに帰って来ていた
「いいのかハズキ、サロメをあのまま放っておいても・・・ドリスさんの敵を打つんじゃなかったのか?」
「・・・最初は、そのつもりだったよ・・・あそこでサロメを殺したところで、母さんが帰ってくるわけでもないし・・・それに・・・それにさ、あの子の・・・ギンガの顔が浮かんできてね・・・そう思ったら殺す気が失せちゃった♪」
「ハズキ・・・ふっ・・馬鹿な奴だねお前は・・・でも、お前のそう言うところ好きだぞ」
今まで、険しい表情だったハズキだったが、サロメの心の闇を知り、そして息子であるギンガの存在を思い出したことで敵討ちの無意味さを知り、サロメを手にかけるのやめたのだった
「もう、サロメの件はこれでおしまいだ。それよりもラムサスの事が気にかかる・・・アタシも奴の『巧みな話術』で利用されたからわかるよ。ラムサスは、心が弱っている者や迷いのある者に近寄り、心を狂わせることが得意だ。これ以上、被害者を増やさないためにも・・・」
しかし、これから起こる最悪な事態にハズキとシュリは、まだ知るよしもなかった・・・・
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