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第17話 今度の任務はオバケ退治
第17話・5 ここはオバケ屋敷かよ
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保健室ではシエリが身を乗り出す。
「……レイラが龍を引き付けている」
「よし……やっぱレイラが狙いか、あの龍」
カメラに映るレイラの姿。
その姿は確かに、今のままでは終わらないと告げていた。
龍が再びレイラの前に姿を現す。
レイラを見つめるように首を傾けて近づいていた。
「……!!」
レイラの呼吸が僅かに荒くなる。だが、その瞳は揺れていなかった。
──しかし。
ふと、龍が瘴気を纏わせると──レイラの精神にくぐもったような声が届いてくる。
(『……なぜ、抗う……?』)
「ッ!?」
感情のある声ではない。
だが、確かに問いだった。
レイラは剣を下ろさず、まっすぐ返す。
「……抗わなきゃ、奪われる。私の仲間も、未来も……!」
龍の観察するような動きが──止まった。
数秒。あるいは思考の沈黙。
やがて──。
(『……選定、完了』)
その言葉が、まるで心臓に響いたようにレイラの体を一瞬だけ冷たい感覚が包み込む。
──レイラは、標的として完全に刻まれた。
◇
西棟──2階の踊り場で、ついにアシュラは囲まれた。
生徒たちは5人へと増え、更に背後の階段にも気配がある。
「…………」
納刀したままの刀を構え、後退するアシュラ。
しかし──アシュラはふっと目を細めた。
(守るために引くんじゃなく……)
(守るために進む)
刀を、前に構え直す。
(よし……。なら俺が、囮になる……!)
そして階段の下へと一気に駆け下り、生徒たちを引き付けながら突き進む。
転倒する者も出た。混乱が生まれた。
その一瞬が、仲間のための隙になると信じて。
「お前ら……! 俺を捕まえたければ、全員で来い!!」
そして東棟──。
リルの周囲に漂う白布のような気配──龍の本体のものではない。しかしそれが、確かにリルを見ている。
「……あーもうッ……! やってやるよ……!!」
リルは背負ったラショウをロッカーに寄りかからせるように座らせると、自ら廊下の真ん中に立った。
息を整え、支給された爪型の武具を両手に装着する。
その刃は細く、黒く、まるで本物の龍の爪のよう。
白布の龍は感じた。
今度は“逃げ”ではない。
“戦いに来た”と、認められた。
──それは、ある意味で最も厄介な選定。
「……オレのことが邪魔なんだろ?」
そのリルの言葉に、龍が分裂したような白布がはっきりと出現した。
爪を逆手に構える。
リルの瞳が、ようやく恐怖を突き抜けた。
「……今度は、オレがテメェをビビらせてやるよ」
そして、悲鳴ではない──咆哮のような叫びをあげて、突っ込む。
◇
校舎の屋上では風が強くなっていた。
キイは端末越しに龍の反応を受け取りながら、ふと呟く。
「……このままキミたちが勝ったら……それはそれで、悪くないのかな」
その瞳に、ほんの少しだけ──光が揺れていた。
そして、レイラがいる空間が歪む。
次の瞬間、龍が一歩踏み込んだ。
白布のような体がぐにゃりと空気を押し広げながら、鋭い骨の爪をもって、レイラに迫る。
レイラは剣を構え、足を踏み込んだ。
「……!!」
──バシュ……ッ!!
一閃。
だが、龍の動きは異様に速い。
まるで実体と幻影を同時に動かすように──その刃が掠らない。
(……速いだけじゃない……)
足音が無い。
呼吸音も無い。
まるで、空間の隙間を移動するような感覚。
その静寂の速さが、戦慄だった。
──だが、レイラは恐れない。
剣を低く構えなおす。
「……見失うものか。こっちこそ“本当の狙い”は、お前の方だ……!」
龍の視線が一瞬ブレたように見えた。
そこに、レイラの動きが重なる。
斜め下からの踏み込み。
──ズバッ……!!
命中──ではなかったが、布の皮膚が微かに裂け、うっすらと血のようなものが舞った。
「……当たる。やっぱり、お前も──存在だ」
レイラの目が、鋭く輝く。
◇
一方東棟──リル。
──足元に這い寄るように迫る、骨の爪。
霧のような影が視界を覆い、息が詰まりそうになる。
しかし、リルは臆せず突っ込んだ。
「──ッ!!」
爪型の武具を両手に構え、渾身の力で振り抜く。
──ガキィンッ……!!
鈍い音と共に、何かが削れた感触。
すぐに切り返して追撃を──と思ったそのとき。
“それ”が初めて、後退した。
(効いた……?)
リルは思わず固唾を呑む。
呼吸を整えて、目を凝らした。
「……おい……今の、当たったよな? 当たったでいいんだよな……!?」
どこからも答えは無い。
しかし──目の前にいる龍の分裂体の動きが、確かにリルを見直した。
──“この個体、干渉が困難”。
そのまま骨の爪諸共消滅していく。
「…………!」
リルはふらふらになりながらも、ラショウをもう一度背負い──。
「……オレ、オバケ相手でもやればできんじゃん……」
でも足元はガクガクだった。
そして──。
西棟のアシュラ。
踊り場から飛び降りるように階段を駆け抜け、操られた生徒たちを引きつける。
そこに、セセラの無線が全員宛てに届いた。
『──ラショウがダウンしてるが、他は無事だな!?』
アシュラは走りながら無線へと集中する。
『アシュラ、そのまま体育館へ向かってくれ……! あそこは構造上、閉鎖と封鎖が可能だ。奴をそこで閉じ込めるぞ』
「了解……!」
『リルとレイラも体育館へ! レイラはそのまま誘導を続けろ』
背後からは追撃の足音。
だが、アシュラはその全てを把握し、最短距離を選ぶ。
そして──追っ手を撒きながら体育館へ突入。
扉が開かれ、冷えた空気がアシュラを迎えた。
──“決着の場”が、整った。
保健室ではモニターを睨むシエリとセセラ。
「……このまま、押し切れるかもしれない。私もそろそろ行く」
「だな。オバケ屋敷はもう終わりにしようぜ」
セセラの指は、機関が準備した特殊装置──電磁封鎖装置のスイッチに添えられていた。
そして次に──体育館にリルが息を切らしながら到着する。
背中には、まだ意識の浅いラショウ。
リルの顔には、涙と鼻水の痕と、少しの達成感。
「よし、着いたぞ……! マジで褒めてほし──」
しかしその直後、別の扉が勢いよくガラガラ!!と開き、その音に驚いたリルの悲鳴と共にレイラが飛び込んでくる。
龍の姿は見えないが、確かにレイラが連れてきた気配は感じ取れた。
「リル! ラショウは……無事!?」
「ッは、はあっ……! ちょっと意識が朦朧としてるが、無事だ……たぶん……」
リルがラショウを寝かせると、アシュラもふたりの間へ。
「よし、揃った……!」
最後に、セセラの声が無線から響いた。
『よぉ。上出来だ、全員揃ったな。今からここを封鎖する』
「封鎖……!?」
『ケリをつけろ。ここからはお前らに任せる』
セセラの合図と共に、体育館の高天井から電磁封鎖装置が稼働する。
──バチッ!!
──バチチチ……!
空間が振動し、光が走った。
暗い体育館の壁を彩り走る結界のような電磁波は、侵入も逃亡も許さない。
リルがこの大掛かりな装置に目を見開く。
「な、何だこれ……!?」
『俺と先生でこっそり設置した。お前もオバケから逃げらんねえよ、リルちゃん♡』
「……やっぱオバケよりあんたらの方が怖ぇよ……」
そしてそのやり取りの中──。
『少し、眩しくなるぞ』
体育館に潜入していたシエリが無線を飛ばした直後、照明のスイッチがつけられる。
パッ──!!
暗がりに慣れた目には、眩しすぎる空間と化す。
「……!!」
そしてその明かりの中──龍が、はっきりと姿を現した。
天井の梁からぶら下がるように、白い布と骨の体を広げて。
しかし、龍が持つその死んだ人間の顔は、身の毛もよだつ程に恐ろしく歪んでいた。
天井から落ちるように降り立つと、四足歩行に変化。鋭く尖った爪が床を抉る。
まるで──ここが巣であるかのような佇まい。
レイラが前へ出た。
「……私が引きつける。こいつは、私を選んだ。だから……!」
「ああ……もうイヤすぎるから、さっさと終わらせようぜ……!」
「左右から挟む! レイラ、正面頼んだぞ!」
3人の視線が交わり、剣と爪と刀が構えられる。
龍が咆哮を上げた。
その振動は鼓膜ではなく、精神を揺さぶる。
意識の薄いラショウが僅かに顔を顰め、微かに譫言のように呟いた。
「……声……誰かが、泣いてる……」
レイラの剣先が、龍の胸部へ向かって伸びる。
「終わらせる!!」
──激突。
しかし龍は一瞬後退したあと、すぐに四足で床を砕きながら突進してきた。
硬い床が裂ける音が鳴る。
風圧だけで空気が唸る。
だが、レイラの目はブレなかった。
「……ッ!」
咄嗟に左へ飛び、剣で横薙ぎに斬る。
命中──だが、傷は浅い。
「アシュ!」
「任せろ!!」
龍の後方へ回り込んだアシュラの刀が、骨の爪を捉えた。
斬撃が火花を散らし、龍がついに怯む。
そこへ、リルが飛び込んだ。
「クソが! 散々ビビらせやがってッ!!」
叫びながら、両手の爪武具を構えて跳ぶ。
恐怖は声で塗り潰した。
涙目でも構わない。
足が震えても、心が逃げなければ戦える。
リルの爪が、龍の首元を抉るように突き刺さった──!
──グシャァッ……!!
白布の皮膚が裂け、赤黒い血が大量に飛び散る。
「今!!」
レイラの合図で、3人の攻撃が一点に集まった。
骨が割れ、皮膚が破れ、龍の仮面のような顔が、ぐしゃりと崩れ始める。
その瞬間。
──い゙ぁ゙あ゙あ゙ああああっっ……!!
耳鳴りのような、悲鳴のような、断末魔のような──泣き声が全員の頭に響く。
それは龍の声。
ただ、悲しい、悔しいという感情が流れた。
まるで、この世に未練を残す霊の嘆き。
ラショウが薄く目を開けて、またも呟く。
「……ごめんね……痛かったよね……」
その声が届いたかのように──龍の体が、力を失っていく。
光のような布片がふわりと舞い、骨は砂のように砕け、体育館の床にその姿を崩した。
──静寂。
空調の音だけが響く。
──討伐、完了。
保健室ではセセラが電磁波のスイッチを解除しながら、ふっと肩の力を抜いていた。
「……終わったな」
そしてシエリは体育館の隅で──。
「奇跡みたいな子たちだ。……何度でも、そう思う」
独り言と共に、小さく微笑んだ。
◇
夜風が吹く、裏庭。
駿河キイは、静かに学内から外へと出ていく。
誰にも気づかれず、何も残さず。
「…………」
だが、その表情はどこか、僅かに揺れていた。
(……負けたな……)
右手には、観察用の端末。
その画面にはレイラ、リル、アシュラの戦闘データが記録されていた。
(レイラ……やっぱり、キミは特別かも。あの人がキミに興味を向けるのも、わかる気がする)
キイは端末をそっと閉じ、夜空を見上げた。
──そして、闇へと消えていく。
◇
翌朝。
学校は臨時休校。
そのため生徒のいない校内はひっそりとしており、昨夜の激闘が嘘のように静かだった。
──そして、校長室。
「こ、校長せぇんせぇ~……ッ!」
妙にぎこちない愛想の良い声が廊下に響く。
その声の主、もちろん保健室の先生(偽)、薊野セセラである。
ノックもそこそこに扉を開け、やや猫背気味に入室しながら、にっこり。
「いや~……おはようございますぅ~。昨日は、とくに昨晩はお騒がせしてしまってぇ……本当に申し訳ありませんでしたぁ~……!」
しかし校長は丸々とした体を椅子ごと回し、両手をぱぁっと広げて笑顔を返した。
「いやいやいやいや! 薊野先生!! 申し訳などとんでもない!! こちらこそ、大変感謝しておりますぞッ!!」
「いや~でもぉ……扉とか壁とか、色々ぶっ壊れちゃってますしぃ……」
「そんな物はあとで直せば済む! 命はそうはいかんのです!」
「…………」
セセラはその言葉に真顔になり、少しだけ素の表情で神妙に頭を下げる。
「……怪我人が出なかったのは、本当に良かったです。ですが……精神的にしんどい思いをした子もいると思いますし……一応、修繕費用や調査の謝礼的なものは機関から──」
「とんでもございませんッッッッ!!!」
突然、校長が机を叩く勢いで立ち上がった。
「ヒッ」
「あなた方は我が校の救世主ですぞ!?!?」
「お金を出すのはむしろ、我々の方でございます!!! 命を懸けて、生徒たちを守ってくださったのですぞ!? 扉や壁で帳消しになど……なるものですかぁぁぁ!!!」
「い、いやあの、そんなに……怒鳴られるとぉ……怖いっていうか……」
「これは情熱です!」
校長は涙目になりながら、セセラの手を両手で包みこむ。
「今後ともどうか、何かあった際には! また、どうかお願いしたく……!」
「我が校の生徒たちを、これからも……見守っていただけませんか……ッ!」
「あ……あはは……♡」
(あ~やばい……断れない流れになってるぅ~~~)
◇
校長室近くの廊下では、窓から外を眺めるシエリがぽつり。
「……まさか、オバケ龍があそこまでとは」
そこにセセラが後ろからボヤきながら合流。
「マジで、途中で帰りたかった……禁煙ストレスで5年くらい寿命縮んだ気がする……」
「たまにはいいんじゃないか?」
「無理。煙草の火は命の灯火」
しかしふたりとも、どこか安堵したような表情だった。
あの夜を超え、守るべきものを守れたこと。
それだけは、何よりも報われた。
そして数時間後──。
日が落ちる前の、校庭。
早速補修工事の準備が始まる体育館を遠巻きに見ながら、レイラはフェンスに寄りかかって、ゆっくりと風に髪をなびかせていた。
剣も戦意も無い。
まるでただの高校生のような、何気ない一瞬。
そこに、缶コーヒー2本を手に近づいてきた男がひとり。
「……よお、お疲れ」
「……薊野さん」
セセラはそのまま隣に立ち、片方の缶を差し出す。
「今朝の校長、相変わらず元気だったわ。涙目で救世主なんて言われちまったよ」
「ふふっ……見たかったかも、それ」
少し口角を上げたセセラは缶をコツンとレイラの缶と合わせ、少し間を置いて──。
「……で。あのキイって奴、どう思った?」
「……?」
レイラは少しだけ目を見開き、そして、ふっと視線を落とす。
「……変な子だったよ。ちょっとだけ、空気が違った」
缶を手で回しながら、空を見上げた。
「でも……うん……『お友達』になれた気がする……」
レイラの頬が、ほんの少しだけ赤くなる。
けれど、ちゃんとした笑顔だった。
それを見たセセラは、目を細める。
「……そうか」
それ以上は、何も言わなかった。
キイに“何か”を感じていたとしても、この答えを聞いた今、それは口にすべきことじゃないと思えた。
代わりに、からかうように肩をすくめて──。
「にしても、『お友達』かあ~……。校長が言った通りちゃ~んと友達できたんだな。……なんか照れた顔してなかった? 気のせい? んん?」
「……あぇ、ちょ、う、うるさいッ!」
からかわれたレイラはポカポカッと軽い拳を意地悪な先生の体に連打する。
「ちょ、痛い痛い! 照れんなよ~あははははは……!」
「もう……!! オバケより嫌かも!!」
軽口を叩き合いながら、ふたりの笑い声が校舎に響く。
夕陽が、ふたりの影を長く伸ばしていた。
終わったと、そう言える日。
だが、それが永遠ではないことも知っている。
それでも──今は。
この笑顔だけは、守れたと互いに胸を張って言える日だった。
第17話 完
「……レイラが龍を引き付けている」
「よし……やっぱレイラが狙いか、あの龍」
カメラに映るレイラの姿。
その姿は確かに、今のままでは終わらないと告げていた。
龍が再びレイラの前に姿を現す。
レイラを見つめるように首を傾けて近づいていた。
「……!!」
レイラの呼吸が僅かに荒くなる。だが、その瞳は揺れていなかった。
──しかし。
ふと、龍が瘴気を纏わせると──レイラの精神にくぐもったような声が届いてくる。
(『……なぜ、抗う……?』)
「ッ!?」
感情のある声ではない。
だが、確かに問いだった。
レイラは剣を下ろさず、まっすぐ返す。
「……抗わなきゃ、奪われる。私の仲間も、未来も……!」
龍の観察するような動きが──止まった。
数秒。あるいは思考の沈黙。
やがて──。
(『……選定、完了』)
その言葉が、まるで心臓に響いたようにレイラの体を一瞬だけ冷たい感覚が包み込む。
──レイラは、標的として完全に刻まれた。
◇
西棟──2階の踊り場で、ついにアシュラは囲まれた。
生徒たちは5人へと増え、更に背後の階段にも気配がある。
「…………」
納刀したままの刀を構え、後退するアシュラ。
しかし──アシュラはふっと目を細めた。
(守るために引くんじゃなく……)
(守るために進む)
刀を、前に構え直す。
(よし……。なら俺が、囮になる……!)
そして階段の下へと一気に駆け下り、生徒たちを引き付けながら突き進む。
転倒する者も出た。混乱が生まれた。
その一瞬が、仲間のための隙になると信じて。
「お前ら……! 俺を捕まえたければ、全員で来い!!」
そして東棟──。
リルの周囲に漂う白布のような気配──龍の本体のものではない。しかしそれが、確かにリルを見ている。
「……あーもうッ……! やってやるよ……!!」
リルは背負ったラショウをロッカーに寄りかからせるように座らせると、自ら廊下の真ん中に立った。
息を整え、支給された爪型の武具を両手に装着する。
その刃は細く、黒く、まるで本物の龍の爪のよう。
白布の龍は感じた。
今度は“逃げ”ではない。
“戦いに来た”と、認められた。
──それは、ある意味で最も厄介な選定。
「……オレのことが邪魔なんだろ?」
そのリルの言葉に、龍が分裂したような白布がはっきりと出現した。
爪を逆手に構える。
リルの瞳が、ようやく恐怖を突き抜けた。
「……今度は、オレがテメェをビビらせてやるよ」
そして、悲鳴ではない──咆哮のような叫びをあげて、突っ込む。
◇
校舎の屋上では風が強くなっていた。
キイは端末越しに龍の反応を受け取りながら、ふと呟く。
「……このままキミたちが勝ったら……それはそれで、悪くないのかな」
その瞳に、ほんの少しだけ──光が揺れていた。
そして、レイラがいる空間が歪む。
次の瞬間、龍が一歩踏み込んだ。
白布のような体がぐにゃりと空気を押し広げながら、鋭い骨の爪をもって、レイラに迫る。
レイラは剣を構え、足を踏み込んだ。
「……!!」
──バシュ……ッ!!
一閃。
だが、龍の動きは異様に速い。
まるで実体と幻影を同時に動かすように──その刃が掠らない。
(……速いだけじゃない……)
足音が無い。
呼吸音も無い。
まるで、空間の隙間を移動するような感覚。
その静寂の速さが、戦慄だった。
──だが、レイラは恐れない。
剣を低く構えなおす。
「……見失うものか。こっちこそ“本当の狙い”は、お前の方だ……!」
龍の視線が一瞬ブレたように見えた。
そこに、レイラの動きが重なる。
斜め下からの踏み込み。
──ズバッ……!!
命中──ではなかったが、布の皮膚が微かに裂け、うっすらと血のようなものが舞った。
「……当たる。やっぱり、お前も──存在だ」
レイラの目が、鋭く輝く。
◇
一方東棟──リル。
──足元に這い寄るように迫る、骨の爪。
霧のような影が視界を覆い、息が詰まりそうになる。
しかし、リルは臆せず突っ込んだ。
「──ッ!!」
爪型の武具を両手に構え、渾身の力で振り抜く。
──ガキィンッ……!!
鈍い音と共に、何かが削れた感触。
すぐに切り返して追撃を──と思ったそのとき。
“それ”が初めて、後退した。
(効いた……?)
リルは思わず固唾を呑む。
呼吸を整えて、目を凝らした。
「……おい……今の、当たったよな? 当たったでいいんだよな……!?」
どこからも答えは無い。
しかし──目の前にいる龍の分裂体の動きが、確かにリルを見直した。
──“この個体、干渉が困難”。
そのまま骨の爪諸共消滅していく。
「…………!」
リルはふらふらになりながらも、ラショウをもう一度背負い──。
「……オレ、オバケ相手でもやればできんじゃん……」
でも足元はガクガクだった。
そして──。
西棟のアシュラ。
踊り場から飛び降りるように階段を駆け抜け、操られた生徒たちを引きつける。
そこに、セセラの無線が全員宛てに届いた。
『──ラショウがダウンしてるが、他は無事だな!?』
アシュラは走りながら無線へと集中する。
『アシュラ、そのまま体育館へ向かってくれ……! あそこは構造上、閉鎖と封鎖が可能だ。奴をそこで閉じ込めるぞ』
「了解……!」
『リルとレイラも体育館へ! レイラはそのまま誘導を続けろ』
背後からは追撃の足音。
だが、アシュラはその全てを把握し、最短距離を選ぶ。
そして──追っ手を撒きながら体育館へ突入。
扉が開かれ、冷えた空気がアシュラを迎えた。
──“決着の場”が、整った。
保健室ではモニターを睨むシエリとセセラ。
「……このまま、押し切れるかもしれない。私もそろそろ行く」
「だな。オバケ屋敷はもう終わりにしようぜ」
セセラの指は、機関が準備した特殊装置──電磁封鎖装置のスイッチに添えられていた。
そして次に──体育館にリルが息を切らしながら到着する。
背中には、まだ意識の浅いラショウ。
リルの顔には、涙と鼻水の痕と、少しの達成感。
「よし、着いたぞ……! マジで褒めてほし──」
しかしその直後、別の扉が勢いよくガラガラ!!と開き、その音に驚いたリルの悲鳴と共にレイラが飛び込んでくる。
龍の姿は見えないが、確かにレイラが連れてきた気配は感じ取れた。
「リル! ラショウは……無事!?」
「ッは、はあっ……! ちょっと意識が朦朧としてるが、無事だ……たぶん……」
リルがラショウを寝かせると、アシュラもふたりの間へ。
「よし、揃った……!」
最後に、セセラの声が無線から響いた。
『よぉ。上出来だ、全員揃ったな。今からここを封鎖する』
「封鎖……!?」
『ケリをつけろ。ここからはお前らに任せる』
セセラの合図と共に、体育館の高天井から電磁封鎖装置が稼働する。
──バチッ!!
──バチチチ……!
空間が振動し、光が走った。
暗い体育館の壁を彩り走る結界のような電磁波は、侵入も逃亡も許さない。
リルがこの大掛かりな装置に目を見開く。
「な、何だこれ……!?」
『俺と先生でこっそり設置した。お前もオバケから逃げらんねえよ、リルちゃん♡』
「……やっぱオバケよりあんたらの方が怖ぇよ……」
そしてそのやり取りの中──。
『少し、眩しくなるぞ』
体育館に潜入していたシエリが無線を飛ばした直後、照明のスイッチがつけられる。
パッ──!!
暗がりに慣れた目には、眩しすぎる空間と化す。
「……!!」
そしてその明かりの中──龍が、はっきりと姿を現した。
天井の梁からぶら下がるように、白い布と骨の体を広げて。
しかし、龍が持つその死んだ人間の顔は、身の毛もよだつ程に恐ろしく歪んでいた。
天井から落ちるように降り立つと、四足歩行に変化。鋭く尖った爪が床を抉る。
まるで──ここが巣であるかのような佇まい。
レイラが前へ出た。
「……私が引きつける。こいつは、私を選んだ。だから……!」
「ああ……もうイヤすぎるから、さっさと終わらせようぜ……!」
「左右から挟む! レイラ、正面頼んだぞ!」
3人の視線が交わり、剣と爪と刀が構えられる。
龍が咆哮を上げた。
その振動は鼓膜ではなく、精神を揺さぶる。
意識の薄いラショウが僅かに顔を顰め、微かに譫言のように呟いた。
「……声……誰かが、泣いてる……」
レイラの剣先が、龍の胸部へ向かって伸びる。
「終わらせる!!」
──激突。
しかし龍は一瞬後退したあと、すぐに四足で床を砕きながら突進してきた。
硬い床が裂ける音が鳴る。
風圧だけで空気が唸る。
だが、レイラの目はブレなかった。
「……ッ!」
咄嗟に左へ飛び、剣で横薙ぎに斬る。
命中──だが、傷は浅い。
「アシュ!」
「任せろ!!」
龍の後方へ回り込んだアシュラの刀が、骨の爪を捉えた。
斬撃が火花を散らし、龍がついに怯む。
そこへ、リルが飛び込んだ。
「クソが! 散々ビビらせやがってッ!!」
叫びながら、両手の爪武具を構えて跳ぶ。
恐怖は声で塗り潰した。
涙目でも構わない。
足が震えても、心が逃げなければ戦える。
リルの爪が、龍の首元を抉るように突き刺さった──!
──グシャァッ……!!
白布の皮膚が裂け、赤黒い血が大量に飛び散る。
「今!!」
レイラの合図で、3人の攻撃が一点に集まった。
骨が割れ、皮膚が破れ、龍の仮面のような顔が、ぐしゃりと崩れ始める。
その瞬間。
──い゙ぁ゙あ゙あ゙ああああっっ……!!
耳鳴りのような、悲鳴のような、断末魔のような──泣き声が全員の頭に響く。
それは龍の声。
ただ、悲しい、悔しいという感情が流れた。
まるで、この世に未練を残す霊の嘆き。
ラショウが薄く目を開けて、またも呟く。
「……ごめんね……痛かったよね……」
その声が届いたかのように──龍の体が、力を失っていく。
光のような布片がふわりと舞い、骨は砂のように砕け、体育館の床にその姿を崩した。
──静寂。
空調の音だけが響く。
──討伐、完了。
保健室ではセセラが電磁波のスイッチを解除しながら、ふっと肩の力を抜いていた。
「……終わったな」
そしてシエリは体育館の隅で──。
「奇跡みたいな子たちだ。……何度でも、そう思う」
独り言と共に、小さく微笑んだ。
◇
夜風が吹く、裏庭。
駿河キイは、静かに学内から外へと出ていく。
誰にも気づかれず、何も残さず。
「…………」
だが、その表情はどこか、僅かに揺れていた。
(……負けたな……)
右手には、観察用の端末。
その画面にはレイラ、リル、アシュラの戦闘データが記録されていた。
(レイラ……やっぱり、キミは特別かも。あの人がキミに興味を向けるのも、わかる気がする)
キイは端末をそっと閉じ、夜空を見上げた。
──そして、闇へと消えていく。
◇
翌朝。
学校は臨時休校。
そのため生徒のいない校内はひっそりとしており、昨夜の激闘が嘘のように静かだった。
──そして、校長室。
「こ、校長せぇんせぇ~……ッ!」
妙にぎこちない愛想の良い声が廊下に響く。
その声の主、もちろん保健室の先生(偽)、薊野セセラである。
ノックもそこそこに扉を開け、やや猫背気味に入室しながら、にっこり。
「いや~……おはようございますぅ~。昨日は、とくに昨晩はお騒がせしてしまってぇ……本当に申し訳ありませんでしたぁ~……!」
しかし校長は丸々とした体を椅子ごと回し、両手をぱぁっと広げて笑顔を返した。
「いやいやいやいや! 薊野先生!! 申し訳などとんでもない!! こちらこそ、大変感謝しておりますぞッ!!」
「いや~でもぉ……扉とか壁とか、色々ぶっ壊れちゃってますしぃ……」
「そんな物はあとで直せば済む! 命はそうはいかんのです!」
「…………」
セセラはその言葉に真顔になり、少しだけ素の表情で神妙に頭を下げる。
「……怪我人が出なかったのは、本当に良かったです。ですが……精神的にしんどい思いをした子もいると思いますし……一応、修繕費用や調査の謝礼的なものは機関から──」
「とんでもございませんッッッッ!!!」
突然、校長が机を叩く勢いで立ち上がった。
「ヒッ」
「あなた方は我が校の救世主ですぞ!?!?」
「お金を出すのはむしろ、我々の方でございます!!! 命を懸けて、生徒たちを守ってくださったのですぞ!? 扉や壁で帳消しになど……なるものですかぁぁぁ!!!」
「い、いやあの、そんなに……怒鳴られるとぉ……怖いっていうか……」
「これは情熱です!」
校長は涙目になりながら、セセラの手を両手で包みこむ。
「今後ともどうか、何かあった際には! また、どうかお願いしたく……!」
「我が校の生徒たちを、これからも……見守っていただけませんか……ッ!」
「あ……あはは……♡」
(あ~やばい……断れない流れになってるぅ~~~)
◇
校長室近くの廊下では、窓から外を眺めるシエリがぽつり。
「……まさか、オバケ龍があそこまでとは」
そこにセセラが後ろからボヤきながら合流。
「マジで、途中で帰りたかった……禁煙ストレスで5年くらい寿命縮んだ気がする……」
「たまにはいいんじゃないか?」
「無理。煙草の火は命の灯火」
しかしふたりとも、どこか安堵したような表情だった。
あの夜を超え、守るべきものを守れたこと。
それだけは、何よりも報われた。
そして数時間後──。
日が落ちる前の、校庭。
早速補修工事の準備が始まる体育館を遠巻きに見ながら、レイラはフェンスに寄りかかって、ゆっくりと風に髪をなびかせていた。
剣も戦意も無い。
まるでただの高校生のような、何気ない一瞬。
そこに、缶コーヒー2本を手に近づいてきた男がひとり。
「……よお、お疲れ」
「……薊野さん」
セセラはそのまま隣に立ち、片方の缶を差し出す。
「今朝の校長、相変わらず元気だったわ。涙目で救世主なんて言われちまったよ」
「ふふっ……見たかったかも、それ」
少し口角を上げたセセラは缶をコツンとレイラの缶と合わせ、少し間を置いて──。
「……で。あのキイって奴、どう思った?」
「……?」
レイラは少しだけ目を見開き、そして、ふっと視線を落とす。
「……変な子だったよ。ちょっとだけ、空気が違った」
缶を手で回しながら、空を見上げた。
「でも……うん……『お友達』になれた気がする……」
レイラの頬が、ほんの少しだけ赤くなる。
けれど、ちゃんとした笑顔だった。
それを見たセセラは、目を細める。
「……そうか」
それ以上は、何も言わなかった。
キイに“何か”を感じていたとしても、この答えを聞いた今、それは口にすべきことじゃないと思えた。
代わりに、からかうように肩をすくめて──。
「にしても、『お友達』かあ~……。校長が言った通りちゃ~んと友達できたんだな。……なんか照れた顔してなかった? 気のせい? んん?」
「……あぇ、ちょ、う、うるさいッ!」
からかわれたレイラはポカポカッと軽い拳を意地悪な先生の体に連打する。
「ちょ、痛い痛い! 照れんなよ~あははははは……!」
「もう……!! オバケより嫌かも!!」
軽口を叩き合いながら、ふたりの笑い声が校舎に響く。
夕陽が、ふたりの影を長く伸ばしていた。
終わったと、そう言える日。
だが、それが永遠ではないことも知っている。
それでも──今は。
この笑顔だけは、守れたと互いに胸を張って言える日だった。
第17話 完
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