上 下
60 / 67

61

しおりを挟む
そしてお兄様の話の通り次の日シザール様がいらっしゃっいました。


「クリスティーナ嬢。お久しぶりです。夜会ぶりだね。」
相変わらずの漆黒の髪の毛は私を安心させますわ。
「シザール様。先日はいろいろとありがとうございました。」
「実は今日来たのはカイゼルから聞いていると思うが君に王太子との縁談の話が持ち上がった。しかし殿下は…。俺は昨日勝手に君のこ、婚約者になると宣言してしまった。」
きっと私を不憫に思って申し出て下さったのね。
「シザール様、意に沿わない事を言わせてしまい大変申し訳なく思っております。」
「いや、別に意に沿わないとかでは無いんだよ。ただ、勝手に宣言してしまい君に迷惑をかけてしまったのでは無いかと…」
シザール様は優しい方な様です。
「迷惑だなんて。色々気を遣わせてしまい申し訳ないです。」
「それで、婚約について…」
「シザール様、僕の妹の婚約を勝手に決めないでいただきたいと存じます。」
お兄様の笑顔がなんだか怖いです。
「いや、その、カイゼル、俺は本当に…」
「シザール様、あの、しばらく振りだけで構いません。でも振りでもシザール様の名前に傷をつけてしまいますよね。」
「振り…そんな傷なんてつか…」
「いや、振りはいい案かもしれない!僕は振りも出来ないから…シザール様、振りお願いしますね?」
「あっ、ああ。」
お兄様…上下関係逆転してませんか?










…………………………………………………………
ちょっとお休みいただきました。
亀さん投稿になるかもしれませんが、気長にお付き合いいただけるとありがたいです🙋‍♀️
しおりを挟む

処理中です...