成瀬 慶 140字小説

成瀬 慶

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(仮)遅すぎた春

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”何してる?”
彼女の淡白なメール
一ヶ月ぶりだ
彼女とは
学生の頃からの付き合いで
あの頃は
毎日会っていても足りなかった
お互いに社会人になり
そういう訳にはいかない
俺たちは
大人になった
感情だけで
愛を表現し合っているばかりでは居られないんだ

【続く】

分かってる
分かっている
だけど
ほったらかしすぎだろ?
電話もできないくらい
四六時中
仕事か?
だとしても
メールくらい返せるだろ?
俺は
彼女からのメールをぼんやり見ながら
返信を迷う
言葉が浮かばない
スマホ片手に
裸のままベッドに腰かけていると
猫なで声で
「誰から?仕事?」

【続く】

俺の背中にピタリとくっついてくるヒヤリとした胸
同じ会社の女子社員
五歳年下
大人っぽい容姿だけど
かなり甘えん坊で
俺の欲求をくすぐる
先週の飲み会でこうなって
ほぼ毎日
ここに来ている
付き合ているのかな?俺たち・・・
俺はスマホの電源を切り
彼女に被さる様にベッドに潜り込んだ

【完】

【narusegoto】

この話は
『(仮)遅すぎた春』
で小説にしようと思っている話です

遠くの愛より
近くの欲望・・・とでも言いましょうか
男って
寂しがりやなんですよね

この後
彼女バージョンもあります

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