SP警護と強気な華【完】

氷萌

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運命的な出逢い

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「ストーカーをしていたのはあなたですか。
 誰なんです?
 私になんの用なんですかッ」

逃げる事も忘れ自ら質問。

その声は意外と大きく狭い路地裏に響いてしまい
男は何かの気配を察したらしく
カトレアの腕を引っ張って抱き寄せると
そのまま壁に隠れ
身を潜めて辺りを見回している。

「ちょッ」

「しっ。静かに。」

知らない男の腕に抱きしめられ
この状況は危ないと思いながらも
『静かにしろ』なんて言われ
思わず言う事を聞いてしまう。

そうして声を出さずにいると
どこからか足音が聞こえてきて
それは徐々に近付いてきたが
走り去ったのか少しすると音は遠ざかっていった。

「行ったか…」

完全に音が消え
また静けさを取り戻したのを確認した男は
ポツリと呟く。

「いいかげん放してッ」

「はいはい。
 すみませんでしたね」

腕の中で暴れ出すカトレアに
男はうんざりしながらその手を離すと
彼女はすぐさま距離を空け
警戒しながら携帯電話を握りしめている。
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