SP警護と強気な華【完】

氷萌

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記憶の扉と印す鍵

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カトレアの目が覚めたのは
陽が上り始めた朝方の事―――

「よう、気分はどうだ?」

「柊さん…?」

目が覚めて最初に飛び込んだのは
ベッド横の椅子に腰掛けノートパソコンを使用する柊の姿。

「私…」

「いきなりぶっ倒れたんだ。
 結構な熱もあったし
 無理しすぎだ」

そう言われると
確かに額に感じる冷たいタオルが心地良い。

「すみません…迷惑を掛けてしまって…」

「まだ起き上がんな。
 熱下がってねーんだし」

気怠い体を強引に起こそうとするが柊に阻止。
両肩を軽く掴まれベッドに寝かしつけられてしまった。

「昨日の事は?
 何か覚えているか?」

それとなく金庫の事について聞かれたカトレア。

「なんとなく…ですが
 お金を…見たのは覚えています」

「そっか…
 場所も開け方も
 思い出したんだな」

彼の問いに小さく頷いた。

「完全に全部ではないです。
 所々だし曖昧だから
 最初は夢だったのかなって思ったけど…
 全部、本当だったんですね」

眠っている間も
鍵であるネックレスを右手に握りしめていた。
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