罵りと罰

たかゆー

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静かな暗殺鬼 2day

『つさき あん』

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俺『は?』

言葉が詰まった。

まず部屋に入って目に入ったのは、だろうか…30人ぐらいの… 

そして、何人かの写真にバツ印が打ってあった。

その写真をよく見てみる、昨日の爺さんや、爺さん殺害の疑いがかけられてた酒井さん、最初に爆発したあの男の人、その他は…知らない人だけど…

死んだ人に…印を打ってるのか?…なんのために?…

訳が分からなかった。

そして俺の写真もあった。黒いペンで丸が何重にもぐるぐる書いてある。

なんなんだよこれ…

よく見たら昨日死んだ爺さんにも二重丸がついていた。

ますます訳が分からない!

俺は恐怖心を覚えた、思わず後ずさりした、

ゴン、カチッ

足が机に当たったのと、バランスを崩して、パソコンのマウスを触ってしまった。

何やら動画が再生してしまったようだ。

その動画には…あのゲームマスターが映っていた…

昨日の動画だ…昨日の…ルール説明の…

あの時を思い出し恐怖心が上乗せされる

まんま同じだ…

動画が流れる

ゲームマスター『詩織、もういいですよ』
あの言葉だ、あのメイドさんを自殺させた言葉だ…

その後も解散までの動画を俺は見た。
違和感を感じた、あの時はスクリーン、今回はパソコンの画面、状況は変わらないはずなのに、言葉による圧も、恐怖も、何より、このメガネを通しても何も見えない。

あの時はリアルタイムだったからってことか?
そもそもなんで津崎さんの部屋のパソコンにゲームマスターの動画が?

情報が一気に入ってきて訳が分からなくなってきた…

杏『あれ、亮くんがどうしてここにいるの?』

背後から声がした。

廊下を歩けば必ず足音はする、ドアの開く音も軋むような音が必ずする、何よりこんな近くまで来て気づかないわけがない!!

一瞬で緊張感がMAXになり、同時にあの広場で浴びた圧迫感や、恐怖感も同時に、しかもあの時より強く感じた…。

振り返ってるか…そんなことを考えた、瞬間、体に衝撃が走った。

ブチッ!!

グチャッ…

最初はじわっと、でも確かな痛みがだんだん強く襲いかかってきた。

俺『うぐっっっあああああああああああああああああああ!』

悶絶した、肩から下、左腕が無くなったのだ。

血は激しく飛び散る、出血部を右手で抑えるが抑えるのに意味を持たないほど…

杏『女の子の部屋に、勝手に入ってきちゃダメでしょう?』

俺『ぐっ…いやっ…おれはっ!…』

聞きたいこと山ほどあった、今だって理解が追いついてない。

口を開いて言葉を話そうとした、だが、

杏『死人に口なし』

ぶっ飛ばされるような衝撃が走った。

なんだ?殴られたのか?

視界がグワングワンする、一瞬意識が飛んだ、次の瞬間……俺は床に寝転がっていた。

意識が朦朧とする中、視界に写ったもの、

津崎さんと、男?

向かい合って話をしている…?

違う…!!!

それは…俺の体だった。

頬の辺りに暖かいものを感じる、あのバイクに轢かれた時と同じ感じだ。

でも今は違う、津崎さんが近づいてくる。

怖い!!こっちに来ないでくれ!!

しゃがみこんで俺の頭を持ち、こう言った。

、上手くやりなよ?』

俺は深い眠りに堕ちた。
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