異世界ほっこり道中膝栗毛〜チートな四人でゆるっと旅がらす

とうこ

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召喚された? 何すればいいか不明

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 ある日、脈絡なしに異世界召喚された。気づけば何処かの森の中。

 放課後にたまたま教室に残っていた五人がオタク、脳筋、完璧、普通(俺)。
 おまけで学校のアイドル少女だ。

「えっ、もしかして聖女なのかなあ私。みんなが私の騎士……? ───現地の美形がいいな」


「せ、拙者、三次元は結構でござる」
「ごめん、疲れるからリア充はパスで」
「筋肉量が足りない 体脂肪率14から20%でないとな!」
「実は女の子は対象外なんだ」
「また流れるように嘘を」


 自分のステータスを確認していたアイドルがわなわなと震え出した。
「紅一点の美少女を前にアンタ達舐めてんの!? 私を巡って血で血を洗うカンジになるでしょフツー!! で、なんで私が大鎌なの⁈スキル鷹視狼歩って目つき悪い凶悪なヤツってのでしょ!! 悪意しか無くね!?」


「ヨーシローホ?分からないが賢いな!似合うぞ大鎌!」
「柿! 学校のアイドル台無しでござる。三次元はこれだから…三次元など所詮は幻。二次元こそ現実ッ」
「カキ?」
「怖い、と似た漢字だからちょっとしたジョークでござるよ///」
「そゆとこオタクだよなー造語しちゃうの。照れるならやんなきゃいいのに」
「なら流せや!! 恥ずかしいだろ!!! その論法だと独自言語製造機のギャルもオタクかよ!」
「照れるな貫け」


「しかし柊、攻撃力ヤバくね? オレより上じゃん」
「大鎌もいいけどモーニングスターいけそう」
「メッセージ付きだぞ?ん、何々…」


『あなたの魅力値が中々なので攻撃力に転化してみました。そこでは役に立つからne♡
───心優しい女神より─── 』


「クソがぁあああ!!」
「か、柿ぃ、」
「あっ貫くんだ、嫌いじゃない」
 大鎌を振り回す元アイドルから逃げ出した。女の子置いてく良心の呵責? あの暴れる姿見てから言ってくれ。森が破壊されてんだぞ。女神の加護もあるし大丈夫だろ。


 元アイドルからなるべく遠ざかり街を求めて歩き出すと、結友翔の携帯からFI◯Aアンセムが鳴り響く。サッカー国際試合の時の音楽だ。
「えっ携帯通じんの!?」
「もしもーし」
「秒で出るなよ、通信インフラもないのに怪しいだろ」
「だってこれサッカー部用の着メロだし」
『おい結友翔、なんか転移してね?』
「す、スピーカーにするでござる!」


『俺らは城みたいなとこ来て? なんかマオをやっつけろとか言われて? ダルいから嫌だっつったら王様って奴に趣味わりー腕輪つけられそうになって?』


 結友翔の部活仲間、周斗。サッカー部のバカその2である。
 他にあちらにいるのは野球部のバカとバスケ部のバカ。貶してばかりでなんだがこいつらは真の馬鹿だ。結友翔と同じく脳筋なのである。
「それは隷属アイテム!! 絶対拒否で!」
『霊族? やめろよって軽く蹴ったら王様死んで? タイチがなんか魔法? 使って生き返って? また来たから蹴って死んで生き返って? 十回くらい繰り返したらもう勘弁してって追い出されて? 今はどっかの森?』


 確認したら即死蹴りと蘇生のスキルだった。治癒とかはなし。ピーキーだな。
「バスケ部のアツシは何が出来るんだ?」
『僕はスキル「コンビニ」だって…うわ!』
「どうした」
『コンビニが出た! ───あ! からあ◯くんもLチ◯もファ◯チキもある! 雑誌は最新だし弁当も色々! あっ店内調理の弁当もスイーツもある、やったあ!』
「お、お、お前らどこにいる!! すぐ合流を」
 

 いきなり圏外になり通話終了。
「元気そうで良かったぜ!」
「あああああー!! 向こうが良かったでござるぅう」
「最強では?」
「主役代わるからスキル交換してくれ……」
「目標は決まりだ。彼らとの合流。なるべく目立って旅をしよう」
 真剣な表情の漣に頷く俺ら。
 コンビニ、もとい仲間に出会う為に俺たちは異世界をゆく。待ってろジャンクフードに少年ジャ◯プ最新号!!


 ずっと後になって判明したが、俺たちも奴らも互いの評判を追いすれ違い続けていたのを今の俺は知る由も無かった……。



「なあ、オレ思ったんだが」
 街を目指し森の道なき道を行く。結友翔の話は九十五パーは聞く価値がない。
「思うな言うな。どうせくだらない」
「下らないのよく分かったな! それでな、足りないんだよ」
(っ、コイツ挫けねえな)「何がだよ」
「オレらには委員長と不良が足りん!」
「「「は???」」」
「委員長はまぁ漣でも隼人でもいけるけどな?」
「拙者、委員長なんて無理ゲー」
「だってメガネじゃん!いやホントは眼鏡っ娘ショートのスポーツ系委員長とか希望だけどさ」
「その組み合わせ、なんか脳がバグるよ」
「属性渋滞はちょっと……」
 ダメだこいつ早くなんとかしないと。こっちのIQが減っていく。
 疲れていると脳内に直接語りかける声が!


「やほやほ~⭐︎みんな大好き女神様ですよう。いきなり召喚メンゴ! お詫びにチートあげたけど、特別に! それぞれの家から必要なモノを十個持ってこれるようにしたよ~私えらい! スゴイ! わたしが神か! あっ神だったわテヘペロ」


 こいつテンション合わねえわー。
 持ち込みOKは嬉しいがそもそも召喚すんなし。

「俺はまず枕。小遣いはたいて買ったオーダーマイ枕だ」
「スパイクにボールは外せないな!」
「ちょちょちょ、お待ちを! もっと熟考願うでござる!」


「───僕には途方もない未練がある」
 おっ?穏やかクールな漣が苦悩しておる。もしや秘めた恋か?
「僕の口座にある七桁の預金だ」
「うお!? 金持ってんなおまえ!」
「そりゃ未練タラタラですぞ……」
「何でそれだけ儲けたんだよ」


「株だよ。未成年でも可能だ。まあ少しF(ピー)や先も(ピー)やアレをアレしたりはしたが、おおむね問題はない」
「ピーの部分、未成年取引はダメなやつ」
「抜け道がある。具体的には(ピーピーピー)」


 おもむろに跪くと、宗教画のような祈りのポーズを始める漣。

「麗しの女神様、どうか慈悲を、救済を。僕のお金達が寂しがっている……」
 憂い顔で祈る漣はやはりイケメンだ。願いの内容を聞いてなけりゃな。


『イケメ、いえ、勇者の願い聞き届けましょう。現地通貨にしてストレージに収めておきます。もし帰還する時は戻しましょう』
 珍しくガッツポーズを見せる漣。


「女神様、オレもオレも!」
「便乗一択。拙者もー! 部屋にある貯金箱の中身もよろしくですうー」
「女神様~、まさかイケメンだけ贔屓じゃないですよね?」


 女神に勝った。
 ちなみに貯金額は漣、隼人、俺、結友翔の順で結友翔の預金は5690円でした。
 隼人のヤツ、爺さんが土地持ちでお年玉全部預金してるんだと。漣に及ばずながら数百万持ってやがった。上級国民どもがッ!
 という訳で持ち物選び再開だ。


「ユニフォームと練習着もだな」
「結友翔に選ばせたらヤバい」
「結局は助けなきゃならない僕らが迷惑被るもんね」
「なんかついでに処分もできるみたいだぞ。っと、この本なんだ?」
「ん? 今の見せてみろ。お前の部屋にあるサッカー以外の本だと?」
「くだらんぞー『異世界行ったらこの一冊!転移転生お役立ちマニュアル~作ってみようプリンから自動車まで』。妹がお兄ちゃんバカだから異世界転生したら困るでしょとか言ってふざけて誕生日に」
「この状況でそれ捨てるとかアホなの馬鹿なの死ぬの俺に殺されたいの!?」
「ござる辞めたのか? あれマヌケだからその方がいいな!」
「処分ボタン押すんじゃねええーーっつ人の話聞けや脳ミソ軽井沢!!」
 罵倒は隼人に任せてアホの腹を思い切り殴ったら俺の拳が痛かった。シックスパック嫌いだ。とりま貴重本確保。


 互いの選択にあれこれ口出しながら、結果。
 四つまでは個人の自由。四つはここで役立つもの考えて選ぶのが条件。二枠を残し再度みんなで話し合うと決めた。
 結友翔の役立ち枠は権限を取り上げる。


 あとまた女神にお願いし(漣が)Tシャツと下着、靴下は別計算制限なしにしてもらう。ジャージやパジャマも必需品として選択外で持ち込める。
 追加でタオル類とティッシュ、トイペや洗剤シャンプーボディソープも漣が(略。家からトイペの買い置きなくしてごめん。無くなるまでにあの本見て紙類作ろう。

俺 現金二十万円ちょい
枕、愛用の包丁、以下は保留

漣 現金3500万円超
スニーカー二足、ダウンジャケット、以下保留

隼人 現金300万円と10200円
お気に入り限定フィギュア、好き作家の限定本サイン入り、好きキャラダウンコート

結友翔 現金5690円
トレーニングシューズ、代表選手サイン入りスパイク、使用中スパイク、サッカーボール

 そろばん、異世界マニュアルは俺たちが許可した。 


 さて、残った枠で何を取るか。


「犬にしよう。番犬」
「モノではないでござる」
「隼人んちの犬なー、隼人は役立たずの無力な弟だから守ってやらんとなヤレヤレって考えてるらしい」
「は?」
「ヤレヤレキャラ来た」
「うちの左門の知ったかやめるでござる」

 結友翔の元元々・・・・・・カノが隼人のご近さ所さんで犬飼い。彼女いわく動物の気持ちを感じ取れるらしい。

「運動会がイヤで犬小屋に籠城したり、寝ションベンの罪を被せられたのは本当に迷惑だったと。あと子孫を残すの考えろって。発情は紙やパソコンでなくちゃんと人間に」「ストーーップ! 個人情報の流失ダメ絶対」


 とりま必要に応じて選ぶとしよう。
「なあ、オレ思ったんだが」
「思うな言うな空気吸うな」
「ウチに使わないキャンピングカーあるんだ。運転できなくても寝床になるよな」
「結友翔さん、素晴らしいです」
「神と呼ぶでござる」
「移動時は収納できる……、結友翔、さすがサッカー部のエースだね」


 結友翔父が流行りで衝動買いしたがすぐ飽きてしまったらしい。
『異世界来たので借ります。今度異世界土産送るから 結友翔』とメッセージを残すこともできた。
 なんか結友翔が一番役立ってねえか。

 
 ガソリン代わりに魔力が必要らしく、運転もできた。免許? 異世界だしね取りにも行けないね。
 ゲームで運転慣れしていた隼人がドライバーだ。事故は起こさないよう慎重に。
 ちょっとの怪我は隼人が治せるしな。



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