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18.合同依頼。いやですから
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「あなたは本当に……なんというか……私の予定を狂わせるのが上手ですね」
アニタさんが……アニタさんが怒っておられる。
「なんですか?聞いた所によるとアセリアさんと夫婦になったですって?ギルドには何の報告もなしに?回せる依頼の事考えたことありますか?ユグドラさんにお願いしようと思っていた依頼が山の様にあるんですよ?明日の昼?ハッ、勝手にイチャついててくださいな。私なんかアズベルがいつまでたっても煮え切らないでヤキモキしているっていうのに!電撃婚とは羨ましい限りですねぇあははー」
とても怖い……です。とはいえ、こればかりは譲れない。
「その……アズベルに発破をかけますから、なにとぞ、なにとぞ~~」
「じゃあ今」
「え?」
「今アズベルを呼んできてください!私の部屋で寝てますから!」
「わ、わかりましたーー!」
◇◇◇◇◇◇
「おいアズベル起きろ!俺のためにアニタさんにプロポーズしろ!」
「な、なんだいきなり」
「アニタさん、痺れを切らしてるぞ」
「マジ?」
「マジ」
◇◇◇◇◇◇
「連れてきましたー!」
「アニタ!待たせてすまなかった!俺と結婚してくれ!はい求婚の花束!」
「アズベルありがとう!じゃあアレ言って」
「え、今か?」
「今」
あれって何だろう。アズベルが一回咳払いをした。
「俺にとって君は太陽だ!君はいつも光り輝いていて俺を照らしてくれる女神さまだ!君と一緒に居たら他の女性はみんな霞んで見える、君と一緒に居られるなんて俺は幸せ者だー!」
「アズベル、そんなに私の事を好きなのね!結婚しましょう!」
「「二人で一緒に夫婦の太陽になりましょう!」」
二人で抱きしめ合って、空を指差している。そこ天井ね。
なんだこれ。やっぱり漫才か。
☆ ☆ ☆ ☆
……ハッ!くだらない夫婦漫才を見せられて、気が遠くなってしまった。
「あの~、それで依頼の方は……」
「じゃあこれとこれと、あとはこのあたりかしら」
カウンターに置いてあった依頼書をバラバラと広げて見せてくれた。
「これはこの前もお願いした素材集め。こっちは街周辺の見回り。これは木の伐採。他は剣術指導と魔法指導。あ、木こりの護衛もありますね」
「……気のせいか、木の伐採とか木こりの護衛とか、私を狙い撃ちしたような依頼が混ざっているような気がしますが?」
「そりゃあ斧を持った冒険者として有名ですから、伐採ギルドから依頼も来るってもんです」
「じゃあ伐採と護衛って同時に受けれますか?」
「大丈夫だと思いますよ。護衛だけしてくれと言われたら、別の日に伐採をしたらいいですし」
「ああなるほど。ならその二つでお願いします」
伐採ギルドの前に到着した。
予想はしていたけどログハウスだ、しかも四階くらいまである。
ログハウスってこんなに高く作れるんだ~。
中に入り受付らしい場所へ行くと、予想に反して奇麗なお姉さんがいた。おっさんだらけだと思ってた。
打ち合わせをしたのち、護衛対象の木こりさんと一緒に街を出て、森へ向かう事になった。
自分で伐採しても構わないそうだ。
「それにしても兄ちゃん、伐採ギルドにはいらねーのか?ウチのギルマスが期待して待ってるぞ?」
「確かに山で木こりをしていましたが、冒険者になりたくて降りてきましたから」
「別に登録するだけでも構わんぞ?特にノルマも義務も何も無いからな」
「そうなんですか?じゃあ戻ったら登録だけしますね」
「おう」
目的地の森に到着した。
伐採ギルドで管理している森らしく、木や草が生い茂っていない奇麗な森だ。
木こりさんの伐木の手伝いをして、休憩中に自分の伐木依頼をこなそう。
久しぶりにやったけど楽しかったのは内緒だ。
なにより驚いたのは、直径70センチ程の太さの木を一振りで切ってしまった事だ。
倒す方向も何もあったモノじゃない、危なすぎる。力加減が難しい。
今回はモンスターが出る事も無く、無事に任務終了した。
たまにはこんな時も無いとね。
それから数日してもリアは釈放されなかった。
やはりE・D・Dの関係者じゃないかと疑われているのかもしれない。
すっかり詰め所の衛兵と仲良くなったある日の朝、またもや緊急の依頼が舞い込んできた。
ギルドで話しを聞くと、王都方面にある街エル・ド・ランとの街道沿いで、大量のモンスターの足跡が見つかったらしい。モンスターの姿自体は見ていないが、足跡から大型の四足歩行モンスター推定三十匹ほどだとか。
現在両方の街合同で、冒険者による討伐作戦が出ているので参加してほしい、と。
「アセリアさんの動向はしっかりと見ておきます。作戦に参加してください!」
アニタさんが頭を下げてお願いしてきた。アズベルも隣で頭を下げている。
「いや」
「そんな事をおっしゃらずに!」
「いやですから」
「そこを御再考願います!!!」
「いや、ですからね、そんな大変な事態なら、頭を下げられなくても参加しますってば」
「あ、あれ?いいの?こちらから言っておいて何ですが、本当にいいんですか?」
「はい、作戦に参加します」
「よかった~」
「な?俺の言ったとおりだろ?俺とコイツは親友だから分かるんだよ」
「それではアズベルさん、作戦の説明をお願いできますか?」
「あれ!?なんでいきなり丁寧語になったんだ?俺達親友だよな?な?」
アズベルの声が聞こえない様に両手で耳を塞いで二階の部屋へと向かった。
エリクセンから参加する冒険者の数は五十名、エル・ド・ランからは三十~四十名らしい。
どうやらエリクセンの方が街の規模が大きいようだ。
前衛職や後衛職は使う武器が違い、様々なスタイルの冒険者が揃っている。
エル・ド・ランからも同じように多様な冒険者が来るだろうから、自分の役割を見失わない様にしないと、連携の取れない混成部隊はあっという間に混乱してしまう。
必要と思われる装備を各自そろえ、昼前にギルドに集合・出発する事となった。
俺は宿へ戻り、しずかへキャラチェンジをしよう。
装備の整備と、ポーションを沢山作っておいた方が安全だろう。
えーっとしずかしずか……ポチっとな。
― ― ―
それにしても大型のモンスター三十匹ですか。中々の大規模作戦ですね。
武器は数種類持っていますから、防具の予備を観ておきましょう。
ポーションは時間の許す限り、ですね。
以前お邪魔した鍛冶屋さんで炉を借ります。
メイン装備は痛みが少ないので直ぐに完了しました。
予備の方は暫く使っていなかったのですが……錆は出ていませんし、それどころかホコリも付いていません。いわゆるバッグの中は時間が止まっているパターン、でしょうか。
こちらは何もしなくて大丈夫ですね。では鍛冶屋さんをでましょう。
さて、後はポーションの材料を買って……ん!?メニューの錬金術製作項目に知らないモノが追加されています。
治療セット
驚きました、こちらに追加されていたんですね。
しかしこれは嬉しい誤算です。ポーションだけでなく治療セットが使えれば、生存率は飛躍的に高まります。
もしかしたら、私の知らない物が製作できるようになっているかもしれませんね。
今度一通り確認しましょう。
早速必要な材料を確認して、宿で製作にかかりましょう。
治療セットを三百個作り、回復ポーションを四百個、解毒ポーション百個作りました。冒険者は最大で九十名程なので何とかなるでしょう。
回復系以外に作ったものとして、爆弾ポーション五十個、毒ポーション五十個。
爆弾は汎用性があるので持っていれば使うでしょうし、毒はあれば使うかな?
ポーションの小瓶は回復は青、解毒はオレンジ色で真っ直ぐな小瓶。
爆弾は黒で丸い瓶。毒は紫の三角の瓶に入れました。
後は食事とテントでしょうか。何日かかるのか分かりませんし。
食事は残念ながら作れないので買うとして、テントを作りましょう。
大工仕事と裁縫仕事は久しぶりですね。
折り畳み式の二人が入れるくらいの防水加工をしたテントと、簡単な寝袋も作りましょう。
他には何か……まぁ何とかなるでしょう。
そろそろ昼が近いですね。キャラを変更してギルドへ向かうとしましょう。
ではユグドラに変わります。
― ― ―
流石に荷物が多くないと不自然だから、大きめのバッグをマントの下に斜めがけして向かった。
最近は斧を背中に隠す必要が無いから、左腰にかけている。
ギルドには沢山の冒険者が集まっていた。
知らない人ばっかりだな、顔を見た事がある人は数名いるけど。
俺の後からもゾロゾロと冒険者が集まり、しばらくして誰も入って来なくなると、アズベルが前に出て全員に話し始めた。
「全員注目!俺はアズベルだ。今回の合同作戦エリクセン支部のリーダーを務める事になった!まずはエル・ド・ランとの中間地点である湖を目指す!そこでエル・ド・ランの冒険者と合流・捜索となる!どんな危険が待ち受けているか分からないが、諸君ならモンスターを討伐し無事に帰還できるはずだ!なーに今回は力強い助っ人も居る事だし、さっさと終わらせて報酬貰って、ウッハウハになろうぜ!」
オー!という掛け声に混ざって笑い声も聞こえる。アズベル上手いな、気合いが入って更に緊張をほぐした。
「出発だー!」
ギルドから一斉に冒険者が我先にと飛び出していく。全員すごい気合いの入りようだ。俺も勢いに乗って出て行こうとするが、アズベルに止められた。
「ユグドラお前はこっちに来い。紹介しておく、今回は十人で一パーティーを組むが、その部隊長達だ」
四人の冒険者と挨拶を交わす。
確か五十人いたから五パーティーって事か。向こうと合わせると九パーティーになり、モンスターは約三十匹だから一パーティー、十人で二~三匹を相手にする事になるな。
モンスターの正体は分かってない様だけど大丈夫かな。
各リーダー達は戦士二人魔法系二人、そしてアズベルだ。
見るからに強そうな人だから熟練者なのだろう。
「そして今回はユグドラ、お前には遊撃手として全体を見てほしいんだ」
「ん?それはリーダーであるアズベルの役目じゃないのか?」
「俺とエル・ド・ランのリーダーのどっちが全体を見るかは決まってないが、お前は自身の判断で勝手に動いていい。多分その方がお前は戦いやすいし周りも助かる」
「信用してもらえるのは嬉しいけど……うーん、戦うこと自体は問題ない。でもこういった作戦は初めてだからどうなるか分からないぞ?」
「そこらへんは俺が責任を持つから安心して戦え。なに、戦果を挙げれば誰も文句は言わんさ」
まあ冒険者同士だから、固い事は言わなくていいって事かな?それなら勝手にやらせてもらった方が気は楽だ。
「わかった、それでいこう」
「よし、それじゃあ俺達もいくぞ!」
アニタさんが……アニタさんが怒っておられる。
「なんですか?聞いた所によるとアセリアさんと夫婦になったですって?ギルドには何の報告もなしに?回せる依頼の事考えたことありますか?ユグドラさんにお願いしようと思っていた依頼が山の様にあるんですよ?明日の昼?ハッ、勝手にイチャついててくださいな。私なんかアズベルがいつまでたっても煮え切らないでヤキモキしているっていうのに!電撃婚とは羨ましい限りですねぇあははー」
とても怖い……です。とはいえ、こればかりは譲れない。
「その……アズベルに発破をかけますから、なにとぞ、なにとぞ~~」
「じゃあ今」
「え?」
「今アズベルを呼んできてください!私の部屋で寝てますから!」
「わ、わかりましたーー!」
◇◇◇◇◇◇
「おいアズベル起きろ!俺のためにアニタさんにプロポーズしろ!」
「な、なんだいきなり」
「アニタさん、痺れを切らしてるぞ」
「マジ?」
「マジ」
◇◇◇◇◇◇
「連れてきましたー!」
「アニタ!待たせてすまなかった!俺と結婚してくれ!はい求婚の花束!」
「アズベルありがとう!じゃあアレ言って」
「え、今か?」
「今」
あれって何だろう。アズベルが一回咳払いをした。
「俺にとって君は太陽だ!君はいつも光り輝いていて俺を照らしてくれる女神さまだ!君と一緒に居たら他の女性はみんな霞んで見える、君と一緒に居られるなんて俺は幸せ者だー!」
「アズベル、そんなに私の事を好きなのね!結婚しましょう!」
「「二人で一緒に夫婦の太陽になりましょう!」」
二人で抱きしめ合って、空を指差している。そこ天井ね。
なんだこれ。やっぱり漫才か。
☆ ☆ ☆ ☆
……ハッ!くだらない夫婦漫才を見せられて、気が遠くなってしまった。
「あの~、それで依頼の方は……」
「じゃあこれとこれと、あとはこのあたりかしら」
カウンターに置いてあった依頼書をバラバラと広げて見せてくれた。
「これはこの前もお願いした素材集め。こっちは街周辺の見回り。これは木の伐採。他は剣術指導と魔法指導。あ、木こりの護衛もありますね」
「……気のせいか、木の伐採とか木こりの護衛とか、私を狙い撃ちしたような依頼が混ざっているような気がしますが?」
「そりゃあ斧を持った冒険者として有名ですから、伐採ギルドから依頼も来るってもんです」
「じゃあ伐採と護衛って同時に受けれますか?」
「大丈夫だと思いますよ。護衛だけしてくれと言われたら、別の日に伐採をしたらいいですし」
「ああなるほど。ならその二つでお願いします」
伐採ギルドの前に到着した。
予想はしていたけどログハウスだ、しかも四階くらいまである。
ログハウスってこんなに高く作れるんだ~。
中に入り受付らしい場所へ行くと、予想に反して奇麗なお姉さんがいた。おっさんだらけだと思ってた。
打ち合わせをしたのち、護衛対象の木こりさんと一緒に街を出て、森へ向かう事になった。
自分で伐採しても構わないそうだ。
「それにしても兄ちゃん、伐採ギルドにはいらねーのか?ウチのギルマスが期待して待ってるぞ?」
「確かに山で木こりをしていましたが、冒険者になりたくて降りてきましたから」
「別に登録するだけでも構わんぞ?特にノルマも義務も何も無いからな」
「そうなんですか?じゃあ戻ったら登録だけしますね」
「おう」
目的地の森に到着した。
伐採ギルドで管理している森らしく、木や草が生い茂っていない奇麗な森だ。
木こりさんの伐木の手伝いをして、休憩中に自分の伐木依頼をこなそう。
久しぶりにやったけど楽しかったのは内緒だ。
なにより驚いたのは、直径70センチ程の太さの木を一振りで切ってしまった事だ。
倒す方向も何もあったモノじゃない、危なすぎる。力加減が難しい。
今回はモンスターが出る事も無く、無事に任務終了した。
たまにはこんな時も無いとね。
それから数日してもリアは釈放されなかった。
やはりE・D・Dの関係者じゃないかと疑われているのかもしれない。
すっかり詰め所の衛兵と仲良くなったある日の朝、またもや緊急の依頼が舞い込んできた。
ギルドで話しを聞くと、王都方面にある街エル・ド・ランとの街道沿いで、大量のモンスターの足跡が見つかったらしい。モンスターの姿自体は見ていないが、足跡から大型の四足歩行モンスター推定三十匹ほどだとか。
現在両方の街合同で、冒険者による討伐作戦が出ているので参加してほしい、と。
「アセリアさんの動向はしっかりと見ておきます。作戦に参加してください!」
アニタさんが頭を下げてお願いしてきた。アズベルも隣で頭を下げている。
「いや」
「そんな事をおっしゃらずに!」
「いやですから」
「そこを御再考願います!!!」
「いや、ですからね、そんな大変な事態なら、頭を下げられなくても参加しますってば」
「あ、あれ?いいの?こちらから言っておいて何ですが、本当にいいんですか?」
「はい、作戦に参加します」
「よかった~」
「な?俺の言ったとおりだろ?俺とコイツは親友だから分かるんだよ」
「それではアズベルさん、作戦の説明をお願いできますか?」
「あれ!?なんでいきなり丁寧語になったんだ?俺達親友だよな?な?」
アズベルの声が聞こえない様に両手で耳を塞いで二階の部屋へと向かった。
エリクセンから参加する冒険者の数は五十名、エル・ド・ランからは三十~四十名らしい。
どうやらエリクセンの方が街の規模が大きいようだ。
前衛職や後衛職は使う武器が違い、様々なスタイルの冒険者が揃っている。
エル・ド・ランからも同じように多様な冒険者が来るだろうから、自分の役割を見失わない様にしないと、連携の取れない混成部隊はあっという間に混乱してしまう。
必要と思われる装備を各自そろえ、昼前にギルドに集合・出発する事となった。
俺は宿へ戻り、しずかへキャラチェンジをしよう。
装備の整備と、ポーションを沢山作っておいた方が安全だろう。
えーっとしずかしずか……ポチっとな。
― ― ―
それにしても大型のモンスター三十匹ですか。中々の大規模作戦ですね。
武器は数種類持っていますから、防具の予備を観ておきましょう。
ポーションは時間の許す限り、ですね。
以前お邪魔した鍛冶屋さんで炉を借ります。
メイン装備は痛みが少ないので直ぐに完了しました。
予備の方は暫く使っていなかったのですが……錆は出ていませんし、それどころかホコリも付いていません。いわゆるバッグの中は時間が止まっているパターン、でしょうか。
こちらは何もしなくて大丈夫ですね。では鍛冶屋さんをでましょう。
さて、後はポーションの材料を買って……ん!?メニューの錬金術製作項目に知らないモノが追加されています。
治療セット
驚きました、こちらに追加されていたんですね。
しかしこれは嬉しい誤算です。ポーションだけでなく治療セットが使えれば、生存率は飛躍的に高まります。
もしかしたら、私の知らない物が製作できるようになっているかもしれませんね。
今度一通り確認しましょう。
早速必要な材料を確認して、宿で製作にかかりましょう。
治療セットを三百個作り、回復ポーションを四百個、解毒ポーション百個作りました。冒険者は最大で九十名程なので何とかなるでしょう。
回復系以外に作ったものとして、爆弾ポーション五十個、毒ポーション五十個。
爆弾は汎用性があるので持っていれば使うでしょうし、毒はあれば使うかな?
ポーションの小瓶は回復は青、解毒はオレンジ色で真っ直ぐな小瓶。
爆弾は黒で丸い瓶。毒は紫の三角の瓶に入れました。
後は食事とテントでしょうか。何日かかるのか分かりませんし。
食事は残念ながら作れないので買うとして、テントを作りましょう。
大工仕事と裁縫仕事は久しぶりですね。
折り畳み式の二人が入れるくらいの防水加工をしたテントと、簡単な寝袋も作りましょう。
他には何か……まぁ何とかなるでしょう。
そろそろ昼が近いですね。キャラを変更してギルドへ向かうとしましょう。
ではユグドラに変わります。
― ― ―
流石に荷物が多くないと不自然だから、大きめのバッグをマントの下に斜めがけして向かった。
最近は斧を背中に隠す必要が無いから、左腰にかけている。
ギルドには沢山の冒険者が集まっていた。
知らない人ばっかりだな、顔を見た事がある人は数名いるけど。
俺の後からもゾロゾロと冒険者が集まり、しばらくして誰も入って来なくなると、アズベルが前に出て全員に話し始めた。
「全員注目!俺はアズベルだ。今回の合同作戦エリクセン支部のリーダーを務める事になった!まずはエル・ド・ランとの中間地点である湖を目指す!そこでエル・ド・ランの冒険者と合流・捜索となる!どんな危険が待ち受けているか分からないが、諸君ならモンスターを討伐し無事に帰還できるはずだ!なーに今回は力強い助っ人も居る事だし、さっさと終わらせて報酬貰って、ウッハウハになろうぜ!」
オー!という掛け声に混ざって笑い声も聞こえる。アズベル上手いな、気合いが入って更に緊張をほぐした。
「出発だー!」
ギルドから一斉に冒険者が我先にと飛び出していく。全員すごい気合いの入りようだ。俺も勢いに乗って出て行こうとするが、アズベルに止められた。
「ユグドラお前はこっちに来い。紹介しておく、今回は十人で一パーティーを組むが、その部隊長達だ」
四人の冒険者と挨拶を交わす。
確か五十人いたから五パーティーって事か。向こうと合わせると九パーティーになり、モンスターは約三十匹だから一パーティー、十人で二~三匹を相手にする事になるな。
モンスターの正体は分かってない様だけど大丈夫かな。
各リーダー達は戦士二人魔法系二人、そしてアズベルだ。
見るからに強そうな人だから熟練者なのだろう。
「そして今回はユグドラ、お前には遊撃手として全体を見てほしいんだ」
「ん?それはリーダーであるアズベルの役目じゃないのか?」
「俺とエル・ド・ランのリーダーのどっちが全体を見るかは決まってないが、お前は自身の判断で勝手に動いていい。多分その方がお前は戦いやすいし周りも助かる」
「信用してもらえるのは嬉しいけど……うーん、戦うこと自体は問題ない。でもこういった作戦は初めてだからどうなるか分からないぞ?」
「そこらへんは俺が責任を持つから安心して戦え。なに、戦果を挙げれば誰も文句は言わんさ」
まあ冒険者同士だから、固い事は言わなくていいって事かな?それなら勝手にやらせてもらった方が気は楽だ。
「わかった、それでいこう」
「よし、それじゃあ俺達もいくぞ!」
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