お一人様冒険記(6人パーティー)~ゲームシステムに縛られてるけど嫁を見つけてハッピーになって見せる!~

内海

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第2章

27.花より団子 食べれぬ花より硬い鉱石

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「ユーさんがそんな酷い人だとは思わなかった!」

「俺だってリアがそんな子だとは思わなかった!」

 リアの自分勝手な言い分にケンカを始めてしまった。まったく、こんなに我儘わがままな子だとは思わなかったよ!

「私はこっちがいいの!」

「俺はこっちがいいんだ!」

「なぁお前ら」

「どうしてそんなこと言うの!?」

「そっちこそ!」

「だからお前ら! 今日はアセリアの食べたいもの注文して、明日はユグドラの食べたいものを注文したらいいだろうが!」

 となりで朝食を食べていたブラスティーの天才的な発想で、俺達のケンカは急速に鎮火へと向かう。

「お前は天才か!」

「それナイスアイディアです!」

「……お前らは」

 早速店員さんを呼んで、リアが食べたかったメニューを二つ注文した。同じものを食べたいからね。

 なにせ王都オンディーナには飲食店が多すぎる。さらに一店舗のメニューも多いから、食べたいものが沢山あって追いつかない。
 実はリアと食べ物でケンカをするのはよくある。

「ところで、お前はなんでここで食べてるんだ?」

 不機嫌そうな顔で隣の席に座っているブラスティーにたずねた。

「用事かあるからに決まってるだろう。早く食べてしずかにかわ」

「お待たせしましたー」

 ブラスティーの言葉を遮って、注文したメニューが届いたから食べ始めた。不貞腐ふてくされてる。

「いただきます」

 二人で一緒に食べ始めた。

「ユーさん、あ~ん」

「あ~ん」

「おいしい?」

「おいひい。リア、あ~ん」

「あ~ん」

「おいしい?」

「うん!」

「……クソッ」

 そうしてブラスティーは、付き添いの身なりの良い女性と食事を再開した。

  この女性、以前ブラスティーと戦い終わった時に迎えに来ていた女性だが、金と権力が目当ての信用出来ない奴らと言っていたけど、あの時いたメンバーはどう見てもブラスティーの心配をしていた。コイツが素直じゃないだけだろうなきっと。

「リアこれも美味しいよ、あ~ん」

「あ~ん」

「お前らどれだけ時間かけてメシ食ってんだよ! さっさと食い終われよ!」

 テーブルを叩き、大声を出して立ち上がるブラスティー。
 楽しい雰囲気だった店内は、一気に静かになってしまった。

「お前は騎士団副団長だろ? もっと礼節れいせつと言う物をわきまえた方が良いぞ」

 俺の指摘に黙って椅子に座る。その間付き添いの女性は、店内の客と店員にひたすら頭を下げて謝っていた。

「どうしてお前が謝る。そもそもどうしてここにいる」

 一通り謝り終えた女性は椅子に座って食事を再開した。

「それが私の役目です」

 ブラスティーが言うには、田舎貴族の末っ子で後が無い家なんだとか。だからどうでもいい末っ子を、危険なブラスティーに押し付けてきたらしい。

「ごちそうさまでした」

 俺の方が少し早く食べ終わり、リアが食べ終わるのを待つ。

「そういえば用事はなんだっけ?」

「あ? ああこれだ」

 そういって、小袋からこぶしほどの大きさの鉱石こうせきを取り出した。

「これをしずかに渡してくれ。加工ができるかどうか知りたい」

「これは何だ?」

 鉱石を手に取り、フォークの後ろでこすってみた。

「それはアダマタイトだ」

「アダマタイトってダイヤモンドじゃなかったか?」

「作品によって宝石だったり金属だったりだな。この世界ではとても硬い金属のようだ」

「そうか。まあ暇があったら渡しておくよ」

「暇って、どうせイチャつくしかやる事ないんだろうが」

「イチャつく以上に大切な事などない!!」

「お前は冒険者としての自覚は無いのか!」

「イチャつき時々冒険だ!」

「その考えは今すぐ訂正しろ!」

 ブラスティーから要らない説教をされている間に、リアも食べ終わった様だ。

「ごちそうさまでした」

「ええいゴチャゴチャうるさい! とりあえず渡したからな! 加工出来たら追加で渡すから、大剣と鎧を作れ!」

「これ、いっぱい持ってるのか?」

「モノ自体は沢山ある。だが加工方法が分からないんだ」

「ふ~ん。面白そうじゃないか」

「だろ? だから早めに頼むぞ」

「暇があればな」

「……勝手にしやがれ!」

 そういってブラスティーは店から出て行き、付き添いの女性は軽く会釈して出て行った。



― ― ― ― ― ― ― ― ― ―



「よかったの? ユーさん」

「あいつのいう事を素直に聞くのは、プライドが許さないんだ」

 店を出て街を歩いていると、リアが話の続きをし出した。

「怖かったの?」

「……」

「ごめんね、私が捕まったばっかりに」

「リアが謝る事じゃないよ。俺が油断してたんだ」

 ブラスティーと戦う時にリアが捕まってしまった。警戒しないといけないと分かっていたのに捕まってしまった。俺が相手をナめていたせいだ。だから、あいつのいう事を素直に聞くのには抵抗がある。

「いっその事、俺が小さくなってリアのポケットに入れたらいいのに」

 きょとんとして、リアがクスクス笑い出す。

「ユーさんて……面白い事考えるね」

「いつも一緒に居られるぞ?」

「じゃあ私が小さくなって、ユーさんのポケットに入ってもいいね」

 小さいリアが俺のポケットに……? ダメだ! 想像しただけで可愛すぎて頬ずりしまくるのが予想できる!

「こ、この話しはやめよう。俺がダメになる」





 散歩がてら冒険者ギルドへ寄る。用事の無い日は一度は顔を出してくれと頼まれている。

「おはようございます」

「おはようございまーす」

「あら、おはようお二人さん」

 オネエがカウンターから挨拶をする。相変わらずたくましい腕だ。

「今日は何か急ぎの依頼はありますか?」

「今日は特に急ぎは入っていないわね。ただ一つだけ、お願いしたい依頼が入っているの」

「どんな依頼でしょう?」

「これよ」

 そういって引き出しから依頼書を取り出して俺に見せた。

「ダンジョンの探索依頼?」
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