2 / 78
2 養子であるお兄様の秘密
しおりを挟む
「まず起きたら暖かい白湯を飲む」
「朝日を浴びる」
「体を冷やす食べ物は食べない」
「バランス良い食事を」
「お肉、頑張って食べる」
「運動する」
何せ基本的に体力はないし、血統的に弱い我が家の面々。運動すれば倒れるから、細かいことからコツコツ作戦で何とか生き抜いて早9年。私は15歳に何とかなった。ただし、体力はミジンコレベル。少し疲れるとすぐ熱を出して倒れる。
「ね、ねえアリシアちゃん、学園へ通うのはやめましょう?」
「そうだぞ、アリシア。エヴァンは通えているが、お前は間違いなく無理だ」
「だ、大丈夫ですわ。お父様、お母様。私だって貴族の娘、学園に通わぬ貴族などいてはならないのですから」
入学式まで両親はゴネている。
「家のことはエヴァンに任せて、アリシアちゃんは私達と気候のいい領地で暮らせば良いのよ?」
「そうだぞ。アリシアのアドバイスのお陰で寝込むことは減ったけれど、我々はやはり風邪を引きやすいし、寝込みやすい」
「そうだよ、アリー。貴族のゴタゴタなんて私に任せてアリーと父上母上は療養してて良いんだよ?」
「そういう訳にも行きません」
というか私の知っている乙女ゲームが学園から始まるのだ。あまりに病弱すぎて断罪回避の為に色々動く事も出来なかったけれど、私の知らない所でざまぁが進んでいたら困るもの。しっかりチェックして、回避しなくちゃ死んじゃうじゃない! それにこのゲーム好きだったの……色んな所をこの目で見たいし、それに少しだけ体力もついたし学園位通えるわよ。
「お、お兄様の邪魔にならないようにしますので、学園へ通わせてください」
「邪魔な事なんて一つもないよ、アリー。たくさん頼っておくれ」
「ありがとうございます」
ゲームでエヴァンとアリシアは仲が悪かった。一人娘で血のつながったアリシア。養子のエヴァン。アリシアは血のつながりのないことでエヴァンを認めておらず、下に見ていた感じがしていた。でも今の私はエヴァンお兄様を見下したりなんかしていないし……我が家はお兄様なしでは継続していけない。お父様倒れすぎです。
「ごめんね、エヴァンには迷惑をかけっぱなしで」
「良いんですよ、父上。その為の養子だと理解していますし、たかが子爵家の五男の私が侯爵家の跡取りに据えていただけるなんてこの上ない幸運です」
お父様が倒れると毎回手を握り合ってこれが繰り返される。恒例行事なのだけれど、最近少しうざったいですよ。
「本当ならアリシアが婿を取って継ぐべき所なのでしょうが」
「アリシアに侯爵夫人をこなす体力があると思うか?! 妻のナリシアですら、ああなのに」
「貴方、エヴァンごめんなさい」
「ああ、すまないナリシアー!」
ここでお母様も倒れるのが我が家の恒例なのよ。
「本当にエヴァンお兄様にはご迷惑をおかけして……」
「ふふ、もう慣れたよ」
優しい微笑みのお兄様。本当にかっこいい、流石攻略対象者です。お兄様には幸せになって貰いたいものです!
「朝日を浴びる」
「体を冷やす食べ物は食べない」
「バランス良い食事を」
「お肉、頑張って食べる」
「運動する」
何せ基本的に体力はないし、血統的に弱い我が家の面々。運動すれば倒れるから、細かいことからコツコツ作戦で何とか生き抜いて早9年。私は15歳に何とかなった。ただし、体力はミジンコレベル。少し疲れるとすぐ熱を出して倒れる。
「ね、ねえアリシアちゃん、学園へ通うのはやめましょう?」
「そうだぞ、アリシア。エヴァンは通えているが、お前は間違いなく無理だ」
「だ、大丈夫ですわ。お父様、お母様。私だって貴族の娘、学園に通わぬ貴族などいてはならないのですから」
入学式まで両親はゴネている。
「家のことはエヴァンに任せて、アリシアちゃんは私達と気候のいい領地で暮らせば良いのよ?」
「そうだぞ。アリシアのアドバイスのお陰で寝込むことは減ったけれど、我々はやはり風邪を引きやすいし、寝込みやすい」
「そうだよ、アリー。貴族のゴタゴタなんて私に任せてアリーと父上母上は療養してて良いんだよ?」
「そういう訳にも行きません」
というか私の知っている乙女ゲームが学園から始まるのだ。あまりに病弱すぎて断罪回避の為に色々動く事も出来なかったけれど、私の知らない所でざまぁが進んでいたら困るもの。しっかりチェックして、回避しなくちゃ死んじゃうじゃない! それにこのゲーム好きだったの……色んな所をこの目で見たいし、それに少しだけ体力もついたし学園位通えるわよ。
「お、お兄様の邪魔にならないようにしますので、学園へ通わせてください」
「邪魔な事なんて一つもないよ、アリー。たくさん頼っておくれ」
「ありがとうございます」
ゲームでエヴァンとアリシアは仲が悪かった。一人娘で血のつながったアリシア。養子のエヴァン。アリシアは血のつながりのないことでエヴァンを認めておらず、下に見ていた感じがしていた。でも今の私はエヴァンお兄様を見下したりなんかしていないし……我が家はお兄様なしでは継続していけない。お父様倒れすぎです。
「ごめんね、エヴァンには迷惑をかけっぱなしで」
「良いんですよ、父上。その為の養子だと理解していますし、たかが子爵家の五男の私が侯爵家の跡取りに据えていただけるなんてこの上ない幸運です」
お父様が倒れると毎回手を握り合ってこれが繰り返される。恒例行事なのだけれど、最近少しうざったいですよ。
「本当ならアリシアが婿を取って継ぐべき所なのでしょうが」
「アリシアに侯爵夫人をこなす体力があると思うか?! 妻のナリシアですら、ああなのに」
「貴方、エヴァンごめんなさい」
「ああ、すまないナリシアー!」
ここでお母様も倒れるのが我が家の恒例なのよ。
「本当にエヴァンお兄様にはご迷惑をおかけして……」
「ふふ、もう慣れたよ」
優しい微笑みのお兄様。本当にかっこいい、流石攻略対象者です。お兄様には幸せになって貰いたいものです!
583
あなたにおすすめの小説
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜
白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。
舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。
王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。
「ヒナコのノートを汚したな!」
「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」
小説家になろう様でも投稿しています。
〖完結〗死にかけて前世の記憶が戻りました。側妃? 贅沢出来るなんて最高! と思っていたら、陛下が甘やかしてくるのですが?
藍川みいな
恋愛
私は死んだはずだった。
目を覚ましたら、そこは見知らぬ世界。しかも、国王陛下の側妃になっていた。
前世の記憶が戻る前は、冷遇されていたらしい。そして池に身を投げた。死にかけたことで、私は前世の記憶を思い出した。
前世では借金取りに捕まり、お金を返す為にキャバ嬢をしていた。給料は全部持っていかれ、食べ物にも困り、ガリガリに痩せ細った私は路地裏に捨てられて死んだ。そんな私が、側妃? 冷遇なんて構わない! こんな贅沢が出来るなんて幸せ過ぎるじゃない!
そう思っていたのに、いつの間にか陛下が甘やかして来るのですが?
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~
狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない!
隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。
わたし、もう王妃やめる!
政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。
離婚できないなら人間をやめるわ!
王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。
これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ!
フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。
よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。
「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」
やめてえ!そんなところ撫でないで~!
夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
前世の記憶が蘇ったので、身を引いてのんびり過ごすことにします
柚木ゆず
恋愛
※明日(3月6日)より、もうひとつのエピローグと番外編の投稿を始めさせていただきます。
我が儘で強引で性格が非常に悪い、筆頭侯爵家の嫡男アルノー。そんな彼を伯爵令嬢エレーヌは『ブレずに力強く引っ張ってくださる自信に満ちた方』と狂信的に愛し、アルノーが自ら選んだ5人の婚約者候補の1人として、アルノーに選んでもらえるよう3年間必死に自分を磨き続けていました。
けれどある日無理がたたり、倒れて後頭部を打ったことで前世の記憶が覚醒。それによって冷静に物事を見られるようになり、ようやくアルノーは滅茶苦茶な人間だと気付いたのでした。
「オレの婚約者候補になれと言ってきて、それを光栄に思えだとか……。倒れたのに心配をしてくださらないどころか、異常が残っていたら候補者から脱落させると言い出すとか……。そんな方に夢中になっていただなんて、私はなんて愚かなのかしら」
そのためエレーヌは即座に、候補者を辞退。その出来事が切っ掛けとなって、エレーヌの人生は明るいものへと変化してゆくことになるのでした。
大好きだった旦那様に離縁され家を追い出されましたが、騎士団長様に拾われ溺愛されました
Karamimi
恋愛
2年前に両親を亡くしたスカーレットは、1年前幼馴染で3つ年上のデビッドと結婚した。両親が亡くなった時もずっと寄り添ってくれていたデビッドの為に、毎日家事や仕事をこなすスカーレット。
そんな中迎えた結婚1年記念の日。この日はデビッドの為に、沢山のご馳走を作って待っていた。そしていつもの様に帰ってくるデビッド。でもデビッドの隣には、美しい女性の姿が。
「俺は彼女の事を心から愛している。悪いがスカーレット、どうか俺と離縁して欲しい。そして今すぐ、この家から出て行ってくれるか?」
そうスカーレットに言い放ったのだ。何とか考え直して欲しいと訴えたが、全く聞く耳を持たないデビッド。それどころか、スカーレットに数々の暴言を吐き、ついにはスカーレットの荷物と共に、彼女を追い出してしまった。
荷物を持ち、泣きながら街を歩くスカーレットに声をかけて来たのは、この街の騎士団長だ。一旦騎士団長の家に保護してもらったスカーレットは、さっき起こった出来事を騎士団長に話した。
「なんてひどい男だ!とにかく落ち着くまで、ここにいるといい」
行く当てもないスカーレットは結局騎士団長の家にお世話になる事に
※他サイトにも投稿しています
よろしくお願いします
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる