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45 秘密にしない婚約者を2
しおりを挟む「そうなったらいいなってずっと思っていたんだ。だから……」
「あ、あの……」
イ、イケメンに嬉しそうに微笑まれたら、それはもう断れない案件なのではと思うのです。でもお兄様よ?今までずーっと兄だと思っていた人と結婚?いやまあ、良くそうなったらいいなって言われてはいたけれど、いざ現実味を帯びてくるとちょっと困惑してしまう。
「よし、書類を作って出してしまおう」
「そうだわ、王家から何か文句をつけられる前に提出してしまいましょ」
「いいですね、では早速書きましょう!義父上、義母上!」
「賛成ですわ!お祝いですわ!」
「あ、あの……」
私がベッドから立ち上がる前に全員がどたばたと移動し、追いかける前に全員が帰ってきた。手に書類を持って。
「さあ、これにサインをしてくれるね?アリシア」
「えっと……婚約承諾書……ですね……ほ、本当に? 」
「もちろんだとも! 」
基本的に貴族の娘は親から勧められる縁談や婚約は断れない。親の方も家柄や人柄、バランスを見ながら最良の相手を用意するのだから断ったら次の人という訳にもいかないのもある。
「わ、分かりました、サインさせていただきます」
羽根ペンを握ったところでもう一度心配そうにお兄様が尋ねてくる。
「私のことを嫌いなら……」
「嫌いな訳ないじゃないですか」
こんなに優しくて素敵な人を嫌うなんて今の私には出来ない。私がお兄様の足を引っ張るのに……それなのにこんなに嬉しそうにされたらどうしたら良いのか分からないわ。
「書きました」
「よしっ、神殿に提出だ!行くぞ、エヴァン!」
「はいっ義父上!」
書類を掴んでお父様とお兄様が走り出す。そんなに急がなくても神殿は逃げないでしょうに。
「ふふっ可愛い人達ね。そうだわ、料理長に頼んでお祝いのケーキを作ってもらいましょう」
「お、お母様、お祝いって……」
そんな大袈裟なことではないはずよ?だってサインしただけで何も変わらないんだから。
「私、厨房に行ってきますね!ああ、嬉しいわ。きっと皆喜びます」
「そ、そんなこと」
カタリナが珍しく、廊下を小走りに走っていく。そんなに皆が嬉しいことなの?
「学園に行くのはとても心配だったし、とんでもない事件も起こったけれど、これも神の采配なのかもしれないわね。妖精達にも感謝しなくては」
「そ、そうですね」
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今更、という言葉もよぎるけれど、この後とんでもい鬱展開になったらどうしよう……。お気楽乙女ゲームだからそうならないと信じてるけど……先が見えないのはとても恐ろしいわ……。
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