【完結】悪役令嬢はご病弱!溺愛されても断罪後は引き篭もりますわよ?

鏑木 うりこ

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52 そんな秘密はいりません

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 国王陛下の誕生会は散々だったらしい。らしい、というのは知っている人は誰も参加していなかったからだ。

「フェンルース家が欠席……すると今回は妖精は見ることができないのですか」

 から始まったらしい。どうも国王陛下は他国からのご来賓の皆様に我が家が参加するので妖精の舞が見れますよ、と鼻高らかに伝えていたらしかった。だから誕生会へ欠席の返事を出したのに、何度も何度も使者がやって来たのはそのせいだったらしい……。

「今年はフェンルースの幻の姫君アリシア嬢が出席なさるらしいではないんですか」
「う、うむ……」

 なんて私に断りもなく他国の方にお伝えしていたらしく、各国からあらぬ濡れ衣を被せられるところだった。

「は?アリシア嬢がお見えにならない?」
「しゅ、出席予定でしたが、急遽お取りやめに……」

 こんな風に言われたらしい!酷いわ。

「そんなことはないぞ、元々アリシア嬢も含めフェンルース家はこの度の誕生会には欠席とかなり前から伝えてあったと言っていたぞ。つい先週会ったのだから間違いない」
「そ、そう……でしたか?」
「ああ、体調が思わしくないから簡単な夜会なら出られると言って我が家の方に顔を出したからね」

 そうリッツプール大公が口添えしてくれて、我が家と私の冤罪は晴らしてくれたけれど、ファルク様のお父様であるリッツプール大公がいなかったら私は王家との約束も守れないわがまま娘と思われる所だった。もちろん私と我が家で王家への擦り減った信頼が更になくなったんだけれどね。
 早目に欠席だと伝えてあったのに、我が家がわがままでドタキャンしたような形に持って行って自分達に非はないって顔をする王家は許せない。

「アリシア嬢とフェンルース家の方々はリッツプール大公の夜会へは出席されたのですか? 」
「ええ、素晴らしい体験をさせていただきました……おっと、これは他言無用で」

 なんてリッツプール大公が言うもので他国の方々の関心は大公の方に向いてしまったらしい。

「も、もしや大公の夜会にはまたアリシア嬢はいらっしゃる……?」
「約束はしていませんが、楽しかったそうでまた呼んでくださいと手紙は頂いております。アリシア嬢は息子ファルクの友人でもありますからね……ふふ」
「おお!た、大公……次の夜会には是非、我が家にも」
「簡単な夜会ですし、規模も小さいのでお呼びできる方々はそう多くありませんが……お呼びできると思いますよ」
「おお!それはありがたい」

 というような大人な会話が繰り広げられていたそうだ。

 しかも聖女のミオさんまで陛下の誕生会を欠席したらしい。

「聖女ミオは早急に会わねばならぬ方がいまして……」
「なっ……どういうことだ聖女のお披露目も兼ねておるのに!」
「でもどうしても無理だと……」

 大汗をかきながら神官長は国王陛下に謝っていたそうだけれど、その日、ミオさんは私とお兄様のお出かけの監視をしてましたよね……?
 そんな感じでフェンルース家も聖女もいない誕生会は盛り上がりに欠け、話題は全部リッツプール大公が攫って行ったんだそう。しかもリッツプール大公のあの夜会に出席した有力貴族達もほとんどが欠席し、随分寂しかったとか。我が家が出席するとか勝手に決めつけて言いふらして、その責任をこちらに押し付けてくるんですもの、自業自得だわ。

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