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73 王と王弟の秘密
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「妖精は本当に本当に……ほんっとうにっ!いたずら好きが多いですけれど、あんな風に深刻なダメージを与えてくることはありません」
「そうだね。アレはアリシア嬢に無体なことを働き、自分達の好きに扱おうとした者の末路だ。むしろ私達は幸運じゃないか。どうやったら妖精の本当の加護を頂けるか分かっているんだからね……アリシア嬢とフェンルース家を大切に扱えばこうして色々助けてもらえるんだから」
国王陛下と王妃殿下はベッドの上で痛みで転げ回りながらも、リッツプール大公に王位を譲るとは絶対に言わなかった。政務も出来ないし、民衆の前に顔も出せない。お城の政務官や侍従長が静養を進めても絶対に嫌だと言い張った。
どうもそれも妖精の機嫌を損ねたみたいで、叫び声が聞こえない時がない位突き回されたけれどそれでも王位を退くとは言わなかった。
「あいつに……あいつにだけは王位は譲らんっ……ぐわああああっ」
聞けばどうやら陛下は弟であるリッツプール大公に随分と対抗意識を燃やしていたらしい。そんな兄からの視線を、リッツプール大公は国が割れては一大事とさっさと身を引き、他国へ留学へ行ってしまった。予定通り王位を継いでも陛下の燻った思いはそのままで、今になって恐ろしいまでの執着を見せているんだと昔を知る人たちはため息と一緒に吐き出していた。
陛下の思いは少しくらい共感できるところはあるけれど、そのせいで政治が滞ったり他国とのやり取りに支障をきたしたり……国王の承認がないと進められない事業もあったりして、大半の人は迷惑を被っている。
「で、では殿下に、ヴィクター王太子に王位を譲ってはいかがでしょう?妖精の……フェンルース侯爵家から距離を取った方が……」
「ではフェンルースの裏切者どもを王都から追放せよッ、ウワアアアア!痛い、痛いーーー! 」
侍従長がもうフェンルースに関わるなという前に更に痛みが増したらしく酷い叫び声を上げていたとか。もちろん陛下のその命令書は我が家に届くことはなく、命令書を持った使者は絶対にフェンルース家にたどり着くことはなかったし、更に妖精の怒りを煽ったらしく、使者が近くの森どころか隣の国まで連れていかれ、命からがら戻ってくることになったりした。今度は人手を何度通してもフェンルース家に届くことはなかった。
「迷子にするのが得意とはいえ、王宮の中を歩いていたら迷子にされて気が付いたら切り立った谷の前まで誘導されていたのではたまったものじゃないですよ」
「それは恐ろしいですね……」
そして我が家から王宮へもたどり着けなくなっていた。王宮へ馬車を走らせようとすると、何故か必ずリッツプール大公の家についてしまう。我が家の場合は自分達の力を見せたくてやっているように感じるけれど、王宮へ行く用事なんてないから別にいいかな?と思っている。
「王宮へ呼ばれてもつけそうにありません」
そう返事を出すしかない状況だった。もちろん王宮以外ならちゃんと目的地につけるから全く問題がない。そんな感じが数か月続いて国王陛下はとうとう音を上げて、王太子殿下に王位を譲ったらしい。最後までリッツプール大公には王位を渡そうとしなかった。
「そうだね。アレはアリシア嬢に無体なことを働き、自分達の好きに扱おうとした者の末路だ。むしろ私達は幸運じゃないか。どうやったら妖精の本当の加護を頂けるか分かっているんだからね……アリシア嬢とフェンルース家を大切に扱えばこうして色々助けてもらえるんだから」
国王陛下と王妃殿下はベッドの上で痛みで転げ回りながらも、リッツプール大公に王位を譲るとは絶対に言わなかった。政務も出来ないし、民衆の前に顔も出せない。お城の政務官や侍従長が静養を進めても絶対に嫌だと言い張った。
どうもそれも妖精の機嫌を損ねたみたいで、叫び声が聞こえない時がない位突き回されたけれどそれでも王位を退くとは言わなかった。
「あいつに……あいつにだけは王位は譲らんっ……ぐわああああっ」
聞けばどうやら陛下は弟であるリッツプール大公に随分と対抗意識を燃やしていたらしい。そんな兄からの視線を、リッツプール大公は国が割れては一大事とさっさと身を引き、他国へ留学へ行ってしまった。予定通り王位を継いでも陛下の燻った思いはそのままで、今になって恐ろしいまでの執着を見せているんだと昔を知る人たちはため息と一緒に吐き出していた。
陛下の思いは少しくらい共感できるところはあるけれど、そのせいで政治が滞ったり他国とのやり取りに支障をきたしたり……国王の承認がないと進められない事業もあったりして、大半の人は迷惑を被っている。
「で、では殿下に、ヴィクター王太子に王位を譲ってはいかがでしょう?妖精の……フェンルース侯爵家から距離を取った方が……」
「ではフェンルースの裏切者どもを王都から追放せよッ、ウワアアアア!痛い、痛いーーー! 」
侍従長がもうフェンルースに関わるなという前に更に痛みが増したらしく酷い叫び声を上げていたとか。もちろん陛下のその命令書は我が家に届くことはなく、命令書を持った使者は絶対にフェンルース家にたどり着くことはなかったし、更に妖精の怒りを煽ったらしく、使者が近くの森どころか隣の国まで連れていかれ、命からがら戻ってくることになったりした。今度は人手を何度通してもフェンルース家に届くことはなかった。
「迷子にするのが得意とはいえ、王宮の中を歩いていたら迷子にされて気が付いたら切り立った谷の前まで誘導されていたのではたまったものじゃないですよ」
「それは恐ろしいですね……」
そして我が家から王宮へもたどり着けなくなっていた。王宮へ馬車を走らせようとすると、何故か必ずリッツプール大公の家についてしまう。我が家の場合は自分達の力を見せたくてやっているように感じるけれど、王宮へ行く用事なんてないから別にいいかな?と思っている。
「王宮へ呼ばれてもつけそうにありません」
そう返事を出すしかない状況だった。もちろん王宮以外ならちゃんと目的地につけるから全く問題がない。そんな感じが数か月続いて国王陛下はとうとう音を上げて、王太子殿下に王位を譲ったらしい。最後までリッツプール大公には王位を渡そうとしなかった。
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