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それからの俺たち
107 神様の前で
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ホリデーはすぐに終わり、学園が再開される。俺は目立たない順位の成績をおさめた。カレンは相変わらずトップで、同学年の秀才くんや天才君たちとバチバチやり合っているようだ。
今は一年生上位陣は学園の勉強では足りなくなり、領地経営や経済の仕組みについて理論と実技の両方から攻めているらしい。
カレンが夏にギアナ様にくっ付いて実地で学んだ事を
「羨ましいっ!!ふざけるなよ!ディライト!お前一人先んじるとは許せん!!」
と、囲まれたらしく、休みの度に男子生徒4人と女子2人でリリー商会にやって来ては実地で学んでいるらしい。
「エイムド王子より切れ者揃いだよ。ウィシュバーグは良い人材を持ってたな!」
そう商人達が絶賛している。俺も会ったけど、目の鋭さとか着眼点が違って怖かった。あの中に混じってトップを取るカレンが別次元の人に見えたのは内緒だ。
「リト兄様だってやれば出来るでしょ?」
と、言うけど無理だよ。やっぱり俺は職人だ!
「またまたー」「ははは!」
最近、ザザとシュルの腹黒度が上がってきた気がする。ゆくゆくは2人に爵位を渡すつもりだとギアナ様が言っているので、良いのかも知れない。
腹の内を見せない手強い公爵と侯爵が出来るよ、きっと。
ジュールとリンはいつも仲良しで、どこへ行くにも手を繋いでいる。
「大きくなったら、リンがジュールをお嫁さんにしてあげるね!」
「わーい!やったー!ぼく、リンちゃんのお嫁さんになるー!」
なんて言ってるけれど、お母様が海の王様にお手紙を書いているのを俺は見た。
そのうち正式な婚約者になりそうだ。あの2人だけじゃ生活出来ないだろうから、しっかりした人をつけないと駄目だと思う!
因みにダルタン王子はおばちゃまに大人気で
「私は……悲劇の人魚王子……ふぅ……」
なんて、自分に酔いしれたナルシストが爆発して、ある意味平和に歌っているらしい。
そして、もうすぐ卒業を控えた俺は、呼ばれた。
コンコン、執務室の扉をノックする。もう夜なのにこの時間はまだ起きて、仕事をしているんだ。
「ギアナ様、俺です」
「リト?どうした?」
顔を出すと、にこやかに出迎えてくれた。
「お仕事、忙しいですか?」
「そうでもないよ」
「じゃあ俺に付き合って貰えませんか?」
ギアナ様を夜の散歩に連れ出す。そう長くはかからないし、ギアナ様自体が強いから護衛は要らない。
2人で並んで歩いて行く。
「どこへ?」
「こっちです」
夜でも王都は人がいる。ここは本当に治安が良い。悪い人も確かにいるが、他の国に比べたら、雲泥の差だ。
ついでにちょっとだけ悪い気な人達はディライトの土木現場に出張中なので、更に今は治安が良い。
「神殿?」
「来てください」
するり、扉は開く。
「リト、神殿は夜の礼拝はやっていない。扉は閉めているはずだ。何故開く?」
「今日は開くんです」
俺はスタスタと神殿に入って行く。中は静まりかえっていて、人間は誰もいない。
「神官や司祭がいないな」
「夜ですから。皆んなお休み中でしょう?」
「警備は?」
「今日は大丈夫何なんですって」
だってそう言ってたもの。
「リト、リト?何を知っている?」
不思議がるギアナ様を先導して、神像の前まで来た。ステンドグラスから差し込む月の光がキラキラと幻想的な影を生む。
そして俺は小さな声で報告する。
「来ましたよ、神様。何かご用ですか?
」
キラキラ、キラキラ。光は降り注ぎ、それはどんどん濃くなり、人の形を作る。白く輝く青年と、ピンクで幼子の2人。
『リト、素晴らしい出来だね』
「ありがとうございます。地上でたくさん作りましたから」
『リト、約束のピンクの窓はどこ?』
俺は指を指す。
「あそこです。ピンクのハートがあるでしょう?」
『可愛いーー!もっと作って!』
「分かりました」
お話をしている間、ギアナ様はかちんこちんに固まっていた。おーい?
『ふふ、リト、リトとその伴侶に祝福を』
『リト、結婚おめでとう!私達からも祝福と果てぬ愛と変わらぬ美を』
『天命尽きるその時まで、我らの加護を与えよう』
『天命尽きたら、続き作ってね!人の一生は短いから、精一杯生きるのよ!』
『ちょっと!もう少し威厳を持ってだねぇ?分かってる俺たち神様なんだよ?もーこれだからお子ちゃまはー!ギアナ、リトをよろしくね。死んだら君もこっち来て良いから。人手不足なんだ!上のリトは書類はさっぱりダメだし!』
「は?!はひぃ?!」
『んじゃ、そゆことで。神様の前で誓うと離婚なんて出来ないけど、君ら結婚して、ずっと仲良く暮らすんだよね?』
俺は
「はい、そうです。結婚してずっと仲良く暮らします」
はっきり答えた。ツンツン、ギアナ様を突くと我に返ったようで
「はい!間違いありません。俺はリトを伴侶として、永遠に一緒ですっ!」
『よろしい!認めます!おめでとう!』
『リト、おめでとー』『やったねー今日から人妻よー!』
「ありがとうございます!」
『今日呼び出したのはそれだけ!この神殿ほんと力が溜まるの早いからたまに遊びに来れるんだ!また来るからなー!』
『リトまたねー!あ、今度からこっちで結婚式やりなよ!祝福しちゃう!』
「はーい!分かりました!」
じゃあねー!と神様達は手を振って帰って行く。神殿には神気が満ち溢れ、光が踊っていた。
神様が消えて行った空には、流星群が降り注ぎ、外にいた者はみな、空を見上げてどこかで起こった奇跡に想いを馳せた。
「なにごとですかーーーー!」
まだキラキラする神像の間に司祭様と神官が走り込んでくる。
「あ!ギアナ様とリト様ではないですか!今、今しがた!夢のお告げで!神が、神が降臨なされたと!!」
不法侵入であろう俺たちの事は無視して話し始める。
「しかも!二柱も!あああ!この気は神の物なのでしょうか!!凄い!凄すぎる!」
2人は舞でも舞いそうなほど、歩き回ったり走ったり。俺たちの事はもう目に入っていないみたいだった。
俺とギアナ様は手を繋いで帰る。何か話したいような、何を話したら良いか分からない。
ただ、ぎゅっと手を握っている。
誰も見ていなくて、2人しか居なかった。
神様もあんな感じでふわっとしてた。
でも、俺たちは神様の前で結婚すると報告して、認められた。
今は一年生上位陣は学園の勉強では足りなくなり、領地経営や経済の仕組みについて理論と実技の両方から攻めているらしい。
カレンが夏にギアナ様にくっ付いて実地で学んだ事を
「羨ましいっ!!ふざけるなよ!ディライト!お前一人先んじるとは許せん!!」
と、囲まれたらしく、休みの度に男子生徒4人と女子2人でリリー商会にやって来ては実地で学んでいるらしい。
「エイムド王子より切れ者揃いだよ。ウィシュバーグは良い人材を持ってたな!」
そう商人達が絶賛している。俺も会ったけど、目の鋭さとか着眼点が違って怖かった。あの中に混じってトップを取るカレンが別次元の人に見えたのは内緒だ。
「リト兄様だってやれば出来るでしょ?」
と、言うけど無理だよ。やっぱり俺は職人だ!
「またまたー」「ははは!」
最近、ザザとシュルの腹黒度が上がってきた気がする。ゆくゆくは2人に爵位を渡すつもりだとギアナ様が言っているので、良いのかも知れない。
腹の内を見せない手強い公爵と侯爵が出来るよ、きっと。
ジュールとリンはいつも仲良しで、どこへ行くにも手を繋いでいる。
「大きくなったら、リンがジュールをお嫁さんにしてあげるね!」
「わーい!やったー!ぼく、リンちゃんのお嫁さんになるー!」
なんて言ってるけれど、お母様が海の王様にお手紙を書いているのを俺は見た。
そのうち正式な婚約者になりそうだ。あの2人だけじゃ生活出来ないだろうから、しっかりした人をつけないと駄目だと思う!
因みにダルタン王子はおばちゃまに大人気で
「私は……悲劇の人魚王子……ふぅ……」
なんて、自分に酔いしれたナルシストが爆発して、ある意味平和に歌っているらしい。
そして、もうすぐ卒業を控えた俺は、呼ばれた。
コンコン、執務室の扉をノックする。もう夜なのにこの時間はまだ起きて、仕事をしているんだ。
「ギアナ様、俺です」
「リト?どうした?」
顔を出すと、にこやかに出迎えてくれた。
「お仕事、忙しいですか?」
「そうでもないよ」
「じゃあ俺に付き合って貰えませんか?」
ギアナ様を夜の散歩に連れ出す。そう長くはかからないし、ギアナ様自体が強いから護衛は要らない。
2人で並んで歩いて行く。
「どこへ?」
「こっちです」
夜でも王都は人がいる。ここは本当に治安が良い。悪い人も確かにいるが、他の国に比べたら、雲泥の差だ。
ついでにちょっとだけ悪い気な人達はディライトの土木現場に出張中なので、更に今は治安が良い。
「神殿?」
「来てください」
するり、扉は開く。
「リト、神殿は夜の礼拝はやっていない。扉は閉めているはずだ。何故開く?」
「今日は開くんです」
俺はスタスタと神殿に入って行く。中は静まりかえっていて、人間は誰もいない。
「神官や司祭がいないな」
「夜ですから。皆んなお休み中でしょう?」
「警備は?」
「今日は大丈夫何なんですって」
だってそう言ってたもの。
「リト、リト?何を知っている?」
不思議がるギアナ様を先導して、神像の前まで来た。ステンドグラスから差し込む月の光がキラキラと幻想的な影を生む。
そして俺は小さな声で報告する。
「来ましたよ、神様。何かご用ですか?
」
キラキラ、キラキラ。光は降り注ぎ、それはどんどん濃くなり、人の形を作る。白く輝く青年と、ピンクで幼子の2人。
『リト、素晴らしい出来だね』
「ありがとうございます。地上でたくさん作りましたから」
『リト、約束のピンクの窓はどこ?』
俺は指を指す。
「あそこです。ピンクのハートがあるでしょう?」
『可愛いーー!もっと作って!』
「分かりました」
お話をしている間、ギアナ様はかちんこちんに固まっていた。おーい?
『ふふ、リト、リトとその伴侶に祝福を』
『リト、結婚おめでとう!私達からも祝福と果てぬ愛と変わらぬ美を』
『天命尽きるその時まで、我らの加護を与えよう』
『天命尽きたら、続き作ってね!人の一生は短いから、精一杯生きるのよ!』
『ちょっと!もう少し威厳を持ってだねぇ?分かってる俺たち神様なんだよ?もーこれだからお子ちゃまはー!ギアナ、リトをよろしくね。死んだら君もこっち来て良いから。人手不足なんだ!上のリトは書類はさっぱりダメだし!』
「は?!はひぃ?!」
『んじゃ、そゆことで。神様の前で誓うと離婚なんて出来ないけど、君ら結婚して、ずっと仲良く暮らすんだよね?』
俺は
「はい、そうです。結婚してずっと仲良く暮らします」
はっきり答えた。ツンツン、ギアナ様を突くと我に返ったようで
「はい!間違いありません。俺はリトを伴侶として、永遠に一緒ですっ!」
『よろしい!認めます!おめでとう!』
『リト、おめでとー』『やったねー今日から人妻よー!』
「ありがとうございます!」
『今日呼び出したのはそれだけ!この神殿ほんと力が溜まるの早いからたまに遊びに来れるんだ!また来るからなー!』
『リトまたねー!あ、今度からこっちで結婚式やりなよ!祝福しちゃう!』
「はーい!分かりました!」
じゃあねー!と神様達は手を振って帰って行く。神殿には神気が満ち溢れ、光が踊っていた。
神様が消えて行った空には、流星群が降り注ぎ、外にいた者はみな、空を見上げてどこかで起こった奇跡に想いを馳せた。
「なにごとですかーーーー!」
まだキラキラする神像の間に司祭様と神官が走り込んでくる。
「あ!ギアナ様とリト様ではないですか!今、今しがた!夢のお告げで!神が、神が降臨なされたと!!」
不法侵入であろう俺たちの事は無視して話し始める。
「しかも!二柱も!あああ!この気は神の物なのでしょうか!!凄い!凄すぎる!」
2人は舞でも舞いそうなほど、歩き回ったり走ったり。俺たちの事はもう目に入っていないみたいだった。
俺とギアナ様は手を繋いで帰る。何か話したいような、何を話したら良いか分からない。
ただ、ぎゅっと手を握っている。
誰も見ていなくて、2人しか居なかった。
神様もあんな感じでふわっとしてた。
でも、俺たちは神様の前で結婚すると報告して、認められた。
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