元王太子からは逃げられない!前世からの婚約者らしいですが幸せにはなれるらしい

鏑木 うりこ

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8 金に目が眩んだ私が悪いのか

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「いやいや、この結婚はその場凌ぎのアレでなんでしょ?!」

 だから本当の結婚じゃなくて、フリというかだよね?! だから、王都からうんと離れて何やってるかわかんない辺境伯の私を選んだんだよね? そうだよね?! そんで後腐れもなく、とんだ茶番に付き合いそうだったから、私にしたんだよね?!

「シャノンさん、こちらへ」
「えーと、嫌ですが」

 私は確かにメイドさんに逆らえず、お風呂なんかに漬け込まれてピカピカに磨き上げられなどした。出てきたら元着ていたぶかぶかの礼服がなくなっていてメイドさんがキリッとした顔で

「これしかございません!」
「ええーっ」

 と、手触りのいいシルクのネグリジェみたいのしか貰えなかった。これを着なかったらフルチンでいるしかないと言い切られたから仕方がなかったんだ。
 そんな今状況は男同士じゃなきゃちゃんとした初夜の様相を呈しているのだが……私達はついてるものがついてる同士だ、前提が間違っている。
 間違っているが、近くに来てくれと呼ばれて近づくのは何だか怖い。この王太子、なんだかとても危険な気がする。

「借金のことなんですが」
「あっ! はい!!」

 それは大事な話だ! 金の話となれば多少の危険は覚悟の上だ、何せ私の肩にはサリエン領民の生活がかかっている!


「いや、ま、待って」
「待てません、挿れます」
「や、めて!」

 どうしてこうなってしまったか、考えている余裕はない。ただ、王太子殿下に組み敷かれ、足を抱え上げられ……逃げられない体制でもう突っ込まれる寸前なんだから。借金はどうにかしたいが、私自身はどうこうされたい願望はない! ないのに、もう逃げられないほどがっちり押さえ込まれていた。

「駄目です、こんな」
「ふ……っ」
「い、痛っ!」

 出したことしかない場所に押し付けられ、無理やりこじ開けられる。そんな風にできていないはずの場所は悲鳴をあげる。

「痛いっ痛いです! やめて下さいっ」
「あなたが! 大人しくほぐさせてくれないから!」
「だ、だって! こんなことするなんて思ってもみませんでしたから」
「するでしょう、普通! 初夜なんだから!」
「だってっ、いっ?!」

 ぐっと力がこもってのしかかる圧が強くなる。だ、駄目だ……そこに入ろうとする異物を拒絶する力は鍛えたことなんてない! 固く口を閉ざすのも限界だった。

「い、いっーー!!」
「すみません、もう待てませんっ」

 メリッと無理やりこじ開けられる音が脳髄まで響き渡る。そして鋭い痛みとかかる人の重さの圧力。払いのけようにもこの王太子殿下は見た目より力が強くてビクともしない。

「あ、あ、あーーっ!」

 入り口にねじ込まれたらもう阻むものはない。神様はどうしてここにも歯のように侵入者を噛みちぎる物をつけておいてくれなかったんだろうと一瞬怒りを感じるが、違和感と圧迫感と痛みとに押しつぶされて、叫び声をあげるしかなかった。


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