【完結】イケボなハムスターと同居中~愚痴聞き神様と枯れ女子の日常

鏑木 うりこ

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24 メロンが美味かったから

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「このハム野郎!てめえの仕業か!」

「あはっ!あっ苦しい苦しい……」

 猫村さんに鷲掴みにされた大福は、笑っていた。私は慌てて止める。

「猫村さん、猫村さん!大福からあんこが出てしまう!」

「ええい!止めんな!このハム野郎が余計な事言ったんだろう!このハム!ハムぅ!!!」

「く、くる、しぃ」

「やめろ!クロっ!大福が死ぬっ!」

「はひぃ!」

 爪の伸びた手からぽろりと逃げ出した大福をキャッチして、私は

「小動物は立って持たない!座って持つこと!高い所から落としたら骨折するだろうが!!」

「ごめん……誠子」

 猫村さんは二股に分かれた尻尾を足の間に挟んで耳をぺたーっと寝せてしまった。
 ああ、ばーちゃんに怒られた時のクロそのものだった。
 この瞬間から猫村さんはクロと呼び方が定着してしまった。


「めんどくせーや」

「?!クロッ?!」

 バサバサッとなんだか高そうな猫村さんの服が床に落ちたかと思うと、服の山から黒猫が一匹顔を出した。真っ黒で目の色も茶色な普通の黒猫のクロ。

「あーー。人間のふりはやっぱり窮屈だぜ」

 猫特有の前足をうーーんと伸ばした伸びをすると、クロは自分の家でもないのに、スタスタと私の部屋に上がり込んで、ベッドの一番柔らかくて寝心地のいい所で丸くなってしまった。

「クロ!クロんちは隣でしょ!」

「良いじゃねーか……俺、疲れてんだぁ……むにゃぁ」

 ぷすー……寝てしまった。そういえばクロは猫らしくマイペースだった。

「大福はいつから猫村さんがクロだって気づいたんだ?」

「クロとはLINEしていてな?」

 あ、もしかして……。

「短文爆撃、クロの仕業?」

「メロン美味かったなー」

 否定しない所をみるとそうなんだな?大福!しかも食べ物で懐柔されたんだな!?大福!
 ……でも、メロン美味かったな、大福よ……。

「わざとではないらしいし、良いかと思ってな。メロン美味かったし」

 やっぱりメロンか。もう一玉冷蔵庫に冷やしてあるから、今度はちょっとづつ食べような、大福。

「そうだな、メロンは美味かった」

 ぷすぷす言いながら丸くなって寝ているクロは昔のクロとなんら変わらず嬉しい気持ちになった。

「あ、尻尾が二股だ」

「若い猫又だ。誠子の家から出る時に猫又に変化したんだろう」

 毛並みはきれいで清潔にしているようだ。

「クロ兄ちゃんが、本当に兄みたいになったんだなぁ」

 私は目を細めて寝ている黒猫を見ていた。

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