24 / 75
24 メロンが美味かったから
しおりを挟む
「このハム野郎!てめえの仕業か!」
「あはっ!あっ苦しい苦しい……」
猫村さんに鷲掴みにされた大福は、笑っていた。私は慌てて止める。
「猫村さん、猫村さん!大福からあんこが出てしまう!」
「ええい!止めんな!このハム野郎が余計な事言ったんだろう!このハム!ハムぅ!!!」
「く、くる、しぃ」
「やめろ!クロっ!大福が死ぬっ!」
「はひぃ!」
爪の伸びた手からぽろりと逃げ出した大福をキャッチして、私は
「小動物は立って持たない!座って持つこと!高い所から落としたら骨折するだろうが!!」
「ごめん……誠子」
猫村さんは二股に分かれた尻尾を足の間に挟んで耳をぺたーっと寝せてしまった。
ああ、ばーちゃんに怒られた時のクロそのものだった。
この瞬間から猫村さんはクロと呼び方が定着してしまった。
「めんどくせーや」
「?!クロッ?!」
バサバサッとなんだか高そうな猫村さんの服が床に落ちたかと思うと、服の山から黒猫が一匹顔を出した。真っ黒で目の色も茶色な普通の黒猫のクロ。
「あーー。人間のふりはやっぱり窮屈だぜ」
猫特有の前足をうーーんと伸ばした伸びをすると、クロは自分の家でもないのに、スタスタと私の部屋に上がり込んで、ベッドの一番柔らかくて寝心地のいい所で丸くなってしまった。
「クロ!クロんちは隣でしょ!」
「良いじゃねーか……俺、疲れてんだぁ……むにゃぁ」
ぷすー……寝てしまった。そういえばクロは猫らしくマイペースだった。
「大福はいつから猫村さんがクロだって気づいたんだ?」
「クロとはLINEしていてな?」
あ、もしかして……。
「短文爆撃、クロの仕業?」
「メロン美味かったなー」
否定しない所をみるとそうなんだな?大福!しかも食べ物で懐柔されたんだな!?大福!
……でも、メロン美味かったな、大福よ……。
「わざとではないらしいし、良いかと思ってな。メロン美味かったし」
やっぱりメロンか。もう一玉冷蔵庫に冷やしてあるから、今度はちょっとづつ食べような、大福。
「そうだな、メロンは美味かった」
ぷすぷす言いながら丸くなって寝ているクロは昔のクロとなんら変わらず嬉しい気持ちになった。
「あ、尻尾が二股だ」
「若い猫又だ。誠子の家から出る時に猫又に変化したんだろう」
毛並みはきれいで清潔にしているようだ。
「クロ兄ちゃんが、本当に兄みたいになったんだなぁ」
私は目を細めて寝ている黒猫を見ていた。
「あはっ!あっ苦しい苦しい……」
猫村さんに鷲掴みにされた大福は、笑っていた。私は慌てて止める。
「猫村さん、猫村さん!大福からあんこが出てしまう!」
「ええい!止めんな!このハム野郎が余計な事言ったんだろう!このハム!ハムぅ!!!」
「く、くる、しぃ」
「やめろ!クロっ!大福が死ぬっ!」
「はひぃ!」
爪の伸びた手からぽろりと逃げ出した大福をキャッチして、私は
「小動物は立って持たない!座って持つこと!高い所から落としたら骨折するだろうが!!」
「ごめん……誠子」
猫村さんは二股に分かれた尻尾を足の間に挟んで耳をぺたーっと寝せてしまった。
ああ、ばーちゃんに怒られた時のクロそのものだった。
この瞬間から猫村さんはクロと呼び方が定着してしまった。
「めんどくせーや」
「?!クロッ?!」
バサバサッとなんだか高そうな猫村さんの服が床に落ちたかと思うと、服の山から黒猫が一匹顔を出した。真っ黒で目の色も茶色な普通の黒猫のクロ。
「あーー。人間のふりはやっぱり窮屈だぜ」
猫特有の前足をうーーんと伸ばした伸びをすると、クロは自分の家でもないのに、スタスタと私の部屋に上がり込んで、ベッドの一番柔らかくて寝心地のいい所で丸くなってしまった。
「クロ!クロんちは隣でしょ!」
「良いじゃねーか……俺、疲れてんだぁ……むにゃぁ」
ぷすー……寝てしまった。そういえばクロは猫らしくマイペースだった。
「大福はいつから猫村さんがクロだって気づいたんだ?」
「クロとはLINEしていてな?」
あ、もしかして……。
「短文爆撃、クロの仕業?」
「メロン美味かったなー」
否定しない所をみるとそうなんだな?大福!しかも食べ物で懐柔されたんだな!?大福!
……でも、メロン美味かったな、大福よ……。
「わざとではないらしいし、良いかと思ってな。メロン美味かったし」
やっぱりメロンか。もう一玉冷蔵庫に冷やしてあるから、今度はちょっとづつ食べような、大福。
「そうだな、メロンは美味かった」
ぷすぷす言いながら丸くなって寝ているクロは昔のクロとなんら変わらず嬉しい気持ちになった。
「あ、尻尾が二股だ」
「若い猫又だ。誠子の家から出る時に猫又に変化したんだろう」
毛並みはきれいで清潔にしているようだ。
「クロ兄ちゃんが、本当に兄みたいになったんだなぁ」
私は目を細めて寝ている黒猫を見ていた。
11
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
後宮の手かざし皇后〜盲目のお飾り皇后が持つ波動の力〜
二位関りをん
キャラ文芸
龍の国の若き皇帝・浩明に5大名家の娘である美華が皇后として嫁いできた。しかし美華は病により目が見えなくなっていた。
そんな美華を冷たくあしらう浩明。婚儀の夜、美華の目の前で彼女付きの女官が心臓発作に倒れてしまう。
その時。美華は慌てること無く駆け寄り、女官に手をかざすと女官は元気になる。
どうも美華には不思議な力があるようで…?
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる