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3 少年の姿をした謎の存在
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「はわああああああ! はわわわわああああん! お、お美しいですうぅ! ルシさまあああん!」
「……き、君は?」
私の目の前には年若い少年のような存在がいる。髪の色は真っ黒で、瞳の色は真紅に輝く。非常に恐ろしいことに耳には薄い飾りヒレがあり、頭の上からはまるで竜の角のようなものが立派に6本。そして尻の辺りからは太くて黒い竜の尻尾のようなものが生えている。
「ルシ様最高! ルシ様のウェディングドレス姿なんてああああ~~生きてて良かったぁ~ん! スマホ、スマホ! あああああーースマホ無いぃ~~死にたい」
否定したい、自分の考えを否定したいが否定できる要素がない目の前の少年の姿をした……間違いなく竜の化身のような存在。我が大陸の守護竜は漆黒。力はかなり強いため、我が大陸はかなり大きい。
「ルシ様のこんなお姿を見れて、私は、私は幸せですうううううう!」
感極まったのか、少年のような存在はわあっと泣きだしてしまった。私はどうすればいいのか分からず、暫くその様子を見ているしかできなかった。
暫くすると少年のような存在は何が起こったか話してくれた。その内容に私は頭が痛くなるような、信じられないような……とにかく混乱した。
「ルシ様。この世界は私が転生前に読んでいた小説「エリーゼのために」です。そこでエリーゼは並み居る令嬢をざまぁしまくって男性ハーレムを形成し、さらに王太子を垂らし込み女王に登り詰めるそんな胸糞が悪い小説なんです」
鉄面皮と言われている私の頬も引きつったと思う。
「……確かに、聖女の名をエリーゼというが」
「フン、エリーゼは確かになんか知らないけれど聖女の力が使えます。でもあいつ尻軽だし、純潔なにそれ? だし、高位貴族をみればすり寄るし最低女ですよ」
「……そう、だった? のか」
聖女エリーゼに直接の面識はない。今まで忙しくてその噂も聞いたことがない。
「そうですよー! ルシ様が宰相になるとあいつすり寄ってきますからね。気を付けてください、あいつのハーレムに入らないで!」
「……」
この存在のいうことを信じるなら、私も聖女エリーゼのことを愛してしまうらしかった。まあ、それはないだろうが……。
「エリーゼは魅了の魔法が使えるので! 誰も気が付かないうちにあいつの虜ですしおすし! ゆーるーせーなーいー!」
魅了……聞いたことはある。禁忌魔法に分類されている催眠系だ。王族には強力な魔法返しがあると思うが、やはりかかってしまうものなのだろうか……。
「だが、それはないだろう……私はどうやら……竜巫女らしい」
もうあの場所へ立つことはない。私の言葉に悲しみを感じ取ったのか、少年はぶわっと涙を吹き出した。
「うえええええええ! それは、それは本当に申し訳ないことをおおおおおおお!」
どうやらこれは少年のせいらしい。
「……き、君は?」
私の目の前には年若い少年のような存在がいる。髪の色は真っ黒で、瞳の色は真紅に輝く。非常に恐ろしいことに耳には薄い飾りヒレがあり、頭の上からはまるで竜の角のようなものが立派に6本。そして尻の辺りからは太くて黒い竜の尻尾のようなものが生えている。
「ルシ様最高! ルシ様のウェディングドレス姿なんてああああ~~生きてて良かったぁ~ん! スマホ、スマホ! あああああーースマホ無いぃ~~死にたい」
否定したい、自分の考えを否定したいが否定できる要素がない目の前の少年の姿をした……間違いなく竜の化身のような存在。我が大陸の守護竜は漆黒。力はかなり強いため、我が大陸はかなり大きい。
「ルシ様のこんなお姿を見れて、私は、私は幸せですうううううう!」
感極まったのか、少年のような存在はわあっと泣きだしてしまった。私はどうすればいいのか分からず、暫くその様子を見ているしかできなかった。
暫くすると少年のような存在は何が起こったか話してくれた。その内容に私は頭が痛くなるような、信じられないような……とにかく混乱した。
「ルシ様。この世界は私が転生前に読んでいた小説「エリーゼのために」です。そこでエリーゼは並み居る令嬢をざまぁしまくって男性ハーレムを形成し、さらに王太子を垂らし込み女王に登り詰めるそんな胸糞が悪い小説なんです」
鉄面皮と言われている私の頬も引きつったと思う。
「……確かに、聖女の名をエリーゼというが」
「フン、エリーゼは確かになんか知らないけれど聖女の力が使えます。でもあいつ尻軽だし、純潔なにそれ? だし、高位貴族をみればすり寄るし最低女ですよ」
「……そう、だった? のか」
聖女エリーゼに直接の面識はない。今まで忙しくてその噂も聞いたことがない。
「そうですよー! ルシ様が宰相になるとあいつすり寄ってきますからね。気を付けてください、あいつのハーレムに入らないで!」
「……」
この存在のいうことを信じるなら、私も聖女エリーゼのことを愛してしまうらしかった。まあ、それはないだろうが……。
「エリーゼは魅了の魔法が使えるので! 誰も気が付かないうちにあいつの虜ですしおすし! ゆーるーせーなーいー!」
魅了……聞いたことはある。禁忌魔法に分類されている催眠系だ。王族には強力な魔法返しがあると思うが、やはりかかってしまうものなのだろうか……。
「だが、それはないだろう……私はどうやら……竜巫女らしい」
もうあの場所へ立つことはない。私の言葉に悲しみを感じ取ったのか、少年はぶわっと涙を吹き出した。
「うえええええええ! それは、それは本当に申し訳ないことをおおおおおおお!」
どうやらこれは少年のせいらしい。
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