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24 敵国将軍を退けたものとは。
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「や、やめて! ケンカやめてよ! おじさん達!」
「やめるきゅん!」
「あ、はい!」
ラセルがやめてというなら、私も全面的に支持するぞ! ラセルが一番だからね。で、私の元部下達は基本的に私の指示に従ってくれるから、皆一斉に姿勢を正してる。基本的に上司の私の指令はきちんと聞いてくれた人達だったから。
「黒いおじさん、ヘイズさんは悪い人じゃないよ! ミニィさんも優しいし、タムさんも凄いんだ。クレヤさんはうさちゃんが可愛くてモモ姉さんの赤ちゃんを笑わせるのが上手なんだよ! だから、怖い顔するのはやめて!」
クレヤ、お前意外と役に立ってたんだな……えらいぞ。
だけれどもっと偉いのはラセルだ。私を右手に抱いたまま、クレヤの手から大地に降り立った。そして大きく足を広げて、左手も広げ……あんなおっかない、本当に何考えてるか分からなくておっかない黒曜将軍と向き合ったんだ!
まるでアムフェルとクレヤを守るように! 10歳の子供がだよ?! ラセル、ラセル凄い……でも怖いよね、黒曜将軍は背も大きいし、体も大きい。カタカタと震えが私にも伝わって来た。それなのにじっと将軍を見つめて一歩も引かない!
「……」
黒曜将軍はじっとラセルを見下ろしている。負けるなラセルと応援したい気持ちともう良いから下がるんだと助けてあげたい気持ちがぐるぐると渦を巻く。ああ、子狐の無力さが恨めしい! 人間のおじさんであったなら、剣を抜き放って黒曜将軍に斬りつけ、ラセルを助けてやれるのに!
どうしよう、どうしたら良いんだ?! 私はどうしてこんなに無力なんだ。努力しても努力しても、私の力はいつでも足りないんだ。
ふと、黒曜将軍の視線が下に落ちた。そこにはあの絵本がある。お気に入りだっていってたからきっと持って逃げたんだな。そして私を探しに来た時も携えていたんだ。そしてわたしを抱きしめた時に落としてしまったあの絵本だ。
将軍はとてもゆっくりとした動作でかがみ込み、絵本を手に取った。表紙にはまだ人間だった頃の私にそっくりなマイワード将軍が描かれていて、周りに子供達がいる。全員がにこにこしていてとても素晴らしい表紙だ。
「……この本は坊主のか?」
「え? う、ううん。僕が借りてる本だよ」
「中をみても良いか?」
「うん」
将軍はわざとゆっくり喋り、ゆっくり動く。これは相手を刺激しないよう、こちらに敵意がないよう伝える為によくやる仕草だ。元、私の部下達は背筋を伸ばして剣から手を離している。戦場でそんなことをすれば死に繋がる、しかし彼らは従っている。それに敬意を表したか、他意があるのか……まだわからない。
黒曜将軍はゆっくりとページをめくる。マイワード将軍を可愛い可愛いと言い過ぎだが内容はとても良い本だ。マイワード将軍が敵国の将軍と握手をして戦争をやめさせると言う内容だもの。
あれ? そういえば敵国将軍は黒い鎧を着てたな? 名前は……黒将軍、だったっけ? あ、あれ? 目の前の人と似てないか……?
「くっ!」
黒曜将軍が片膝をついた?! 戦場でもついたことがない膝を?! な、何が一体あったんだ??
「黒いおじさん、ど、どうしたの? お腹痛いの……?」
恐ろしい相手にも声をかけるラセル、優しい! 流石ラセルだ!
「ち、違う……、か、感動して涙が」
泣いてた。信じられない……。そのキラリと光る涙に照らされて、辺りの殺気はきれいに霧散してしまったんだ。
「やめるきゅん!」
「あ、はい!」
ラセルがやめてというなら、私も全面的に支持するぞ! ラセルが一番だからね。で、私の元部下達は基本的に私の指示に従ってくれるから、皆一斉に姿勢を正してる。基本的に上司の私の指令はきちんと聞いてくれた人達だったから。
「黒いおじさん、ヘイズさんは悪い人じゃないよ! ミニィさんも優しいし、タムさんも凄いんだ。クレヤさんはうさちゃんが可愛くてモモ姉さんの赤ちゃんを笑わせるのが上手なんだよ! だから、怖い顔するのはやめて!」
クレヤ、お前意外と役に立ってたんだな……えらいぞ。
だけれどもっと偉いのはラセルだ。私を右手に抱いたまま、クレヤの手から大地に降り立った。そして大きく足を広げて、左手も広げ……あんなおっかない、本当に何考えてるか分からなくておっかない黒曜将軍と向き合ったんだ!
まるでアムフェルとクレヤを守るように! 10歳の子供がだよ?! ラセル、ラセル凄い……でも怖いよね、黒曜将軍は背も大きいし、体も大きい。カタカタと震えが私にも伝わって来た。それなのにじっと将軍を見つめて一歩も引かない!
「……」
黒曜将軍はじっとラセルを見下ろしている。負けるなラセルと応援したい気持ちともう良いから下がるんだと助けてあげたい気持ちがぐるぐると渦を巻く。ああ、子狐の無力さが恨めしい! 人間のおじさんであったなら、剣を抜き放って黒曜将軍に斬りつけ、ラセルを助けてやれるのに!
どうしよう、どうしたら良いんだ?! 私はどうしてこんなに無力なんだ。努力しても努力しても、私の力はいつでも足りないんだ。
ふと、黒曜将軍の視線が下に落ちた。そこにはあの絵本がある。お気に入りだっていってたからきっと持って逃げたんだな。そして私を探しに来た時も携えていたんだ。そしてわたしを抱きしめた時に落としてしまったあの絵本だ。
将軍はとてもゆっくりとした動作でかがみ込み、絵本を手に取った。表紙にはまだ人間だった頃の私にそっくりなマイワード将軍が描かれていて、周りに子供達がいる。全員がにこにこしていてとても素晴らしい表紙だ。
「……この本は坊主のか?」
「え? う、ううん。僕が借りてる本だよ」
「中をみても良いか?」
「うん」
将軍はわざとゆっくり喋り、ゆっくり動く。これは相手を刺激しないよう、こちらに敵意がないよう伝える為によくやる仕草だ。元、私の部下達は背筋を伸ばして剣から手を離している。戦場でそんなことをすれば死に繋がる、しかし彼らは従っている。それに敬意を表したか、他意があるのか……まだわからない。
黒曜将軍はゆっくりとページをめくる。マイワード将軍を可愛い可愛いと言い過ぎだが内容はとても良い本だ。マイワード将軍が敵国の将軍と握手をして戦争をやめさせると言う内容だもの。
あれ? そういえば敵国将軍は黒い鎧を着てたな? 名前は……黒将軍、だったっけ? あ、あれ? 目の前の人と似てないか……?
「くっ!」
黒曜将軍が片膝をついた?! 戦場でもついたことがない膝を?! な、何が一体あったんだ??
「黒いおじさん、ど、どうしたの? お腹痛いの……?」
恐ろしい相手にも声をかけるラセル、優しい! 流石ラセルだ!
「ち、違う……、か、感動して涙が」
泣いてた。信じられない……。そのキラリと光る涙に照らされて、辺りの殺気はきれいに霧散してしまったんだ。
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