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41 子供には早いお姉様
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ラセルの家のそばには井戸がある。でも水面まではうーんと遠くて、長い縄の先に桶をくくりつけてうんしょ、うんしょと引き上げなければいけない。はっきりいって子供では辛すぎるから、私たちが水が欲しくなったら近くの川まで走っていくのだ。
「きゅんっ!」
きゃはは!
井戸のそばを通りかかったらパシャっと水をかけられた! 誰だ、イタズラしたのは! 叱ってやろうと尻尾を膨らませたらそこに人間はいなかった。
「水の精霊達?」
〈そーよ、イアン~! 来ちゃったぁー! あなたの魂の匂いは分かりやすいから簡単に来れたわぁ!〉
ぴちょん、と井戸からスタイル抜群のお姉様達が手を振っている。今日も素敵だ、見ていると元気出る。
「う、眼福眼福……じゃなくて! お姉様方、この家にはラセルという可愛い男の子が住んでるきゅん! ラセルはまだ子供だきゅん! そのセクシーな姿はちょっと刺激が強すぎるきゅん! 何とかして欲しいきゅん!」
〈えー? でもその子が精霊を見ることができるなんて分かんないじゃない? 相当素質がなきゃ無理だってイアンも知ってるでしょ?〉
「ラセルはすごいから絶対お喋りできるきゅん!」
お姉様達が「本当?」と首を傾げているけれど、それは簡単に証明できた。
「イアン? お客さん来てるの? わあ、きれいな人だねぇ。イアンの知り合い?」
「きゅ、やっぱりね」
精霊は素質がないと認識できない。王宮にいた魔導士達も生まれた頃から精霊を見ることができた人間は少なかった。学校へ行き、魔力を磨き見えるようになるものが大半の中、ラセルは最初から見ることができた。素質が桁違いなのではないかな? と最近思ってしまう。
いつのまにか水の精霊達はワンピースのような物を纏った姿になってくれていた。流石! お姉様、子供に優しい~!
〈あらあら、可愛い子ね? イアンの友達?〉
「うん! 僕とイアンは仲良しだよ」
会話まで普通にしている。精霊の声は本当はとても小さいし、精霊言語という特殊な言葉を使うから最初から聞き取れる人はほとんどいないはずなんだけれど……まだ本格的なことは何一つ教えていないのに、ラセルは笑顔で水の精霊達とお話を始めてしまった。
〈へえ~じゃあ私達ともお友達になりましょ♪〉
「わーい! 嬉しいなぁ~よろしくねお姉さん達~」
使役じゃなくて、友人になってしまった……これから一生水の精霊が存在する場所でラセルは困ったことにならないだろうな……たまにいるんだよね、こういう生まれながらに親和性が高い……大きな魂の持ち主が。こういう人はきっとみんなから好かれて、大きなことをやり遂げる。ああ、ラセルならきっとできる。だってラセルだもの。
〈良かったわね、イアン。やっとあなたの友達の所にたどり着けたのね〉
「きゅうん?」
水の精霊の言葉には何か含まれているようだった。水底に沈んだ宝物が、一瞬だけ陽の光を反射してキラリと輝いたようなそんな何かが。ただ、その輝きはまた水の分厚いヴェールに覆い隠された……拒絶? いや違う今はまだいいそんな直感がよぎる。
ならばそれに従おうと思う。私はそれでいい。
頭からプルプルと体を振って、水気を弾き飛ばす。驚かせようとしたみたいだけど、水をかける事ないと思うぞ!
〈今日からこっちに住んでもいいわよね?〉
「もちろんだきゅん」
どこからここに越してきたか……聞かなくても分かるから敢えて聞かなかった。長年顔を合わせて来たからこの水の精霊どこに住んでいたのかすぐに分かった……王宮の大庭園の噴水だ。あそこにいたたくさんの水の精霊がこっちに移動してきたんだ。あの見事な噴水は枯れただろうけれど、今の私に彼女たちにあそこへ帰れと言う権利も資格も力も何もない。昔だってお願いして毎日一緒に水遊びをして、苦手な歌も歌ってダンスまでしてとどまって貰っていたのに。お、思い出してもかなり恥ずかしいな……、私は音感がゼロなのに。
〈ねーねーイアン、あのヘンテコ踊りまたやってよ~~〉
〈それよりあの音程の外れたマミーチャンの羊歌って~〉
やめて! 私の恥部を引き出さないでぇえええ! ふかふかの尻尾で顔を隠したくなった。
「きゅんっ!」
きゃはは!
井戸のそばを通りかかったらパシャっと水をかけられた! 誰だ、イタズラしたのは! 叱ってやろうと尻尾を膨らませたらそこに人間はいなかった。
「水の精霊達?」
〈そーよ、イアン~! 来ちゃったぁー! あなたの魂の匂いは分かりやすいから簡単に来れたわぁ!〉
ぴちょん、と井戸からスタイル抜群のお姉様達が手を振っている。今日も素敵だ、見ていると元気出る。
「う、眼福眼福……じゃなくて! お姉様方、この家にはラセルという可愛い男の子が住んでるきゅん! ラセルはまだ子供だきゅん! そのセクシーな姿はちょっと刺激が強すぎるきゅん! 何とかして欲しいきゅん!」
〈えー? でもその子が精霊を見ることができるなんて分かんないじゃない? 相当素質がなきゃ無理だってイアンも知ってるでしょ?〉
「ラセルはすごいから絶対お喋りできるきゅん!」
お姉様達が「本当?」と首を傾げているけれど、それは簡単に証明できた。
「イアン? お客さん来てるの? わあ、きれいな人だねぇ。イアンの知り合い?」
「きゅ、やっぱりね」
精霊は素質がないと認識できない。王宮にいた魔導士達も生まれた頃から精霊を見ることができた人間は少なかった。学校へ行き、魔力を磨き見えるようになるものが大半の中、ラセルは最初から見ることができた。素質が桁違いなのではないかな? と最近思ってしまう。
いつのまにか水の精霊達はワンピースのような物を纏った姿になってくれていた。流石! お姉様、子供に優しい~!
〈あらあら、可愛い子ね? イアンの友達?〉
「うん! 僕とイアンは仲良しだよ」
会話まで普通にしている。精霊の声は本当はとても小さいし、精霊言語という特殊な言葉を使うから最初から聞き取れる人はほとんどいないはずなんだけれど……まだ本格的なことは何一つ教えていないのに、ラセルは笑顔で水の精霊達とお話を始めてしまった。
〈へえ~じゃあ私達ともお友達になりましょ♪〉
「わーい! 嬉しいなぁ~よろしくねお姉さん達~」
使役じゃなくて、友人になってしまった……これから一生水の精霊が存在する場所でラセルは困ったことにならないだろうな……たまにいるんだよね、こういう生まれながらに親和性が高い……大きな魂の持ち主が。こういう人はきっとみんなから好かれて、大きなことをやり遂げる。ああ、ラセルならきっとできる。だってラセルだもの。
〈良かったわね、イアン。やっとあなたの友達の所にたどり着けたのね〉
「きゅうん?」
水の精霊の言葉には何か含まれているようだった。水底に沈んだ宝物が、一瞬だけ陽の光を反射してキラリと輝いたようなそんな何かが。ただ、その輝きはまた水の分厚いヴェールに覆い隠された……拒絶? いや違う今はまだいいそんな直感がよぎる。
ならばそれに従おうと思う。私はそれでいい。
頭からプルプルと体を振って、水気を弾き飛ばす。驚かせようとしたみたいだけど、水をかける事ないと思うぞ!
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〈ねーねーイアン、あのヘンテコ踊りまたやってよ~~〉
〈それよりあの音程の外れたマミーチャンの羊歌って~〉
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