【完結】おっさん軍人、もふもふ子狐になり少年を育てる。元部下は曲者揃いで今日も大変です

鏑木 うりこ

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43 狙われちゃってる村?!

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「まずい事になりました。この村が怪しまれています」
「ど、どうして?!」
「ホントこの人たまに信じられないくらい素っ頓狂な事いうよな、昔から」

 ラセルとベッドで丸まって寝ていたら、どうやら私はそーっと持ち上げられて、そーっと運ばれて裏山をくり抜いて作った秘密基地に運ばれていたようだ、眠い。
 粗末な会議室のような場所にはミニィとタム、そしてむさ苦しい男達がわいわいと言い合いをしていた。なんだかとても暑苦しい。帰りたい。

「そりゃあ王都は逃げ出す人で溢れてますからね。水道が止まってるんですよ。あとまあ、色々」

 はて? 私は首を傾げる。

「だって私達が水道を通す前から王都があったじゃない? その状態に戻っただけなのにどうして逃げなくちゃいけないんだ?」

 確かに暮らしにくい王都だったけれど、人はたくさん住んでいた。何でだろ?

「便利を知ったら戻れないんですよ……」
「うきゅう……」

 そうか……深い井戸から水を汲み上げるのは重労働だ。だからこそ、私達は私財を叩いてあの水道を作ったんだっけ。皆で頑張って岩をくり抜いたり、樋を渡したり補強したりして山からの長い距離を運んだんだよね。

「でもそんな簡単に壊れる物じゃないはずなんだけどきゅうん」
「……」

 整備すれば100年くらいはちゃんと使えると思ったのになぁ……? まあ、でも今はこの村が怪しまれる方が困るな。そっちの対策の方が先だな。

「……貴方の死を知った村々が水を王都に届かないようにしちゃったんですよ……あの水道を作る時、協力してくれた村が」

 一瞬困った顔でミニィが何か呟いていたが、私の耳に入って来なかった。

「やっぱりお前達みたいな暑苦しい野郎共が群れてるのが悪いんだと思うきゅん」
「ですよねぇ~」

 特に目立つのはヘイズとタム。この二人は背も高いし私とよく一緒に行動していたので顔も知られているもん。逆に目立たないのはミニィで、ミニィは私の後ろに隠れるようにいたし、ずっと日に焼けたくないっていって目深にフードを被っていたからなぁ。
 まあ、ヘイズ自身と6人の部下、この一塊りがいるだけで目立ちまくるんだよ。

「なので俺達変装しようと思う!」
「ヘイズ、たまに良いこと言うね!」
「ははは! 俺の頭の中だって中身が詰まってるんだぞう~」

 知らなかったー、筋肉しか入ってないと思ってたぁ!

「任せろイアン様! ラセルの生活はこれで守られるぜ」
「わーい、ありがとうヘイズ!」
「……冗談はさて置きとして、国内で賑わっているのがこの辺境の村というのも良くないのですよ」

 ヘイズの良案に盛り上がっていたら、ミニィにぴしゃりと言われてしまった。えっ本気だったのに。ヘイズも本気だったらしくびっくりしてるじゃないか!

「せっかくつけヒゲ買ったのに」
「きゅうん……」

 偉い貴族が鼻の下から生やしているようなピンと先っちょがとんがったおしゃれヒゲがしおしおと萎れてしまった。わ、私は完璧な変装だと思うよ、ヘイズ! 似合ってる!

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