【完結】おっさん軍人、もふもふ子狐になり少年を育てる。元部下は曲者揃いで今日も大変です

鏑木 うりこ

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89 まあ楽しそうだからね。

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「い、遺跡……」
「分かるぞ!分かるー!」

 親戚を探すより先に遺跡に行く事になってしまった。

「ハイランド王宮に入り込むには少し時間を下さい。勝手知らない土地ですので」

 そうクレヤボンスから耳打ちされのもある。てかクレヤボンス、普通に王宮に忍び込もうとしているね?

「内通者を見つける所からなんで、ちょっと時間がかかってんですよーいやあ、さすがにこっちの国まで濃いつながりを作ってなかったんで」
「いや、まあ……ほどほどにね?」
「もちろんっすよ、お任せください。尻尾を掴まれるのは子狐だけで十分です」

 わ、私だってバレてないぞ!こんな可愛い狐の子供の中身がおっさんなんて……ラセルには。

「ねーねーイアン、どこの遺跡に行こう!」
「んー……」

 遺跡がどこにあるかなんてわからないし、この国の地理も知らない。

「地図ですよ、どうぞ」
「ありがとう、ミニィ」

 さっすが気が利く~。地図を覗き込むと今いる位置はまだ街はずれで、王宮にも遠い。なるほど、ここらで情報収集がてらこの国について知るのもいいだろうね。その中でひときわ目につく遺跡がある。

「始まりと終わりの遺跡?どっちなの?」
「さあ……あ、でも初級遺跡らしいですよ、階層も地下3階までしかなく、ボスなどの強敵もいない。駆け出しの冒険者や初めて遺跡に入る人にもおすすめらしいです」
「わあ!そこに行こう」

 ラセルも地図を覗き込んでぴょんと跳ねた。こりゃ決定だなあ。

「この国では遺跡の傍に宿屋なども立っていてそこで準備をして出かけるようになっているみたいです。この始まりと終わりの遺跡の傍にも宿があります、今日はそこに泊まりましょう」
「さんせーい!」

 遺跡の傍の宿は「始まりの宿屋亭」という食堂と宿屋がくっ付いた店で、この遺跡に訪れる人専用かな?と思われるほどだった。先に私達が入り、あとからヘイズとパム達がやってくる。

「すいません、あとで仲間が来るんです。ここの軒先に狐のしっぽのおもちゃをぶらさげておいてもいいですか?」
「狐の尻尾ねえ、構わないよ。ペットの狐の尻尾そっくりだねえ」

 私は大人しいならと宿屋へ一緒に入ることを許可された。もちろん、暴れたりしないし変なことはしないぞ。

「イアンはね、僕の家族なんだ。絶対変な事しないから大丈夫だよ」
「ほお、利口なんだな、流石狐だ」
「うん」

 喋れることや、子供の姿になれることは黙っておこうと思う。私はちょこんとお座りをして

「きゅん!」

 と子狐らしく鳴いた。ふふ、私の子狐ぶりも板についてきたのではなかろうか?
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