【完結】おっさん軍人、もふもふ子狐になり少年を育てる。元部下は曲者揃いで今日も大変です

鏑木 うりこ

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97 僕は知っている

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「お祖父ちゃん、僕はお父さんの家族にも会いたい。お祖父ちゃんはどこにいるか分かるよね?だってお祖父ちゃんは偉い人なんでしょう?」
「う、うむむ……まあ、そのうちに……。ラセルどうだ?王宮へ行ってみないか? 」
「王宮は気になるけれど、先のお父さんの家族に会いたい。お父さんの家族に会ってから王宮へ行くよ」
「しかしな……」

 僕とロイは時間を稼ぐ意味でも先に一家離散の目に合ったというお父さんの家族……ルッソ元子爵家の行方を探ることにした。お父さんの名前はテオハルト・ルッソだという。お母さんはテオとしか呼んでなかったから僕もテオだけだと思っていたけれど、違ったみたい。

「ルッソ家は、だいぶ昔に引っ越して」
「じゃあ僕が探すね。大丈夫、きっと探せるよ」
「ラ、ラセルはそんなことをしなくてもよい!」
「そんなことじゃないよ、大事なことだもん」

 お祖父ちゃんはとにかく僕を王宮へ連れて行きたがった。なんでだろう?王宮での豪華な暮らしでも見せたら僕がずっとここにいたいと言い出すとでも思っているんだろうか?それともルッソ家を追い出したのは自分だったと知られたくないのか分からないけれど、僕はお祖父ちゃんの思惑通りにしてあげてちゃだめだ。

「きょ、今日は良いではないか?明日から……」

 貴族に限らず大人はそう言ってずっと先延ばしにしようとするって僕は知っている。

「ううん、まだ午前中だしいっぱい時間がある。僕、ルッソ家の人達を探しに行ってくるね。大丈夫、迷子にならないよ」
「待て……待てと言っているだろう」

 ちょっと声がイライラして怒っている。お祖父ちゃんは自分の思う通りにならないと怒る人なんだ。ミニィさんが偉い人ほど感情を隠すのが上手だって言っていたけれど、お祖父ちゃんはこの国で一番偉かったはずなのに、あんまり上手じゃないのかな?

「どうして? 」
「どうしてって……手配が必要だろう」
「何の手配? 」
「そ、それは馬車とか……」
「そんなのは要らないよ、だって僕、平民だもん。馬車は乗らないよ」
「だがこれからは王族の一員だ」

 やっぱりそうなんだ。お祖父ちゃんは僕の話は聞かず、僕のしたいことはさせずに自分の思う通りにしたい人なんだ……だからお母さんは耐えられなかったのかな?

「どうして僕が王族の一員なの?僕は王様にはならないよ」

 僕のいっていることはとても正しいと思う。だってお母さんはお姫様をやめて平民になったんだ。なら僕は平民の子供だ。平民の子供は王子様にはなれないんだから。

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