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142 腸詰は全てを忘れさせてくれる
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「それっ」
荷車には大量の藁がこんもり盛られていて、その中に皆ですぽんと飛び込んだ。
「せ、狭いっ」
「義父上ッ狐に戻って下さい、その方が小さい」
「わ、分かったきゅんっ」
子供の姿も小さいけれど、子狐の方がもっと小さい。これで少しは楽になるかな?
「ヘイズ、足が出てます!」
「あー? 無理無理これ以上縮まねえよ」
「待て俺のケツが出てる気がする」
「あー出てますね。蹴飛ばしましょうか?」
「やめてー!」
「わ、私の冷蔵箱が大きくてすいません」
「それは大事だから仕方がない!」
藁の中は暑苦しい野郎共で満ちていたけれど、何か愉快だった。あっちに手を伸ばせばミニィの頬を押すし、こっちに尻尾を伸ばせばラセルの鼻をくすぐったようで小さなくしゃみが聞こえて来た。ついでに私のモフ腹にタムが顔を埋めている、くすぐったい。
「あはは! 面白いね、イアン!」
「藁の荷車に隠れるのは楽しいね~ラセル!」
ラセルの髪の毛にも私の尻尾にも気持ちいいだけ藁の茎が刺さって、全員藁まみれだったけれど走って逃げるよりいいみたい。こんな賑やかな藁の山なんて目立ちそうな気がするけれど、どうなんだろうね?
「ロイ、先行して」
「はいっ師匠」
荷車はのんびりとロバが引いていたけれど、御者は変装したクレヤボンスだ。どこからどう見ても農家のお爺ちゃんだけど、ロイに指示を飛ばす時だけ目が鋭い。
「あんれまぁ~すまんのう~」
道行く人に和やかに声をかけるお爺ちゃんとロバ。クレヤボンスだって分かっていてもどこら辺がクレヤボンスなのか分からない完璧なお爺ちゃんぶりに毎回驚かされつつ、なんとか街はずれまで辿り着いて藁の上から顔を出した。
「ぷはーっ息苦しい!」
「最初は良かったけどやっぱり狭いね!」
「ヘイズがでっかいんだよ」
「まあな! 大きいことはいいことだ!」
「褒めてないよ……」
筋肉の良さを教えてやる! と立ち上がったヘイズは後ろから走って来たニック達の馬車に送り込む、邪魔。
「大将~俺ら先に国境行って偵察しておきますんで、ゆっくりきてくださ~い」
「こっちボロとはいえ馬なんで、流石にロバより早えっすわー」
ヘイズ達筋肉の塊を6人も乗せた馬車を引っ張る馬は重労働だろうけれど、流石にロバより足は速いようだ。ヒヒン、と小さくいななくと結構な速度で先行しだした。なんか盗賊でも出たら蹴り殺しそうな勢いがあるなあ。あの一団。
「んじゃこっちはのんびり行きますか~」
「わーい」
私達はふかふかの藁山の上に寝ころび、がたごとと揺られる。
「あー空が青いね~」
「いい天気だね、鳥も飛んでる」
見上げると青い空を白い鳥が気持ちよさそうに流れていく。
「ありゃあ食べられませんよ」
「食べないよ!? パム」
「そうなんで? とりあえず食べられるか食べられないかは大事ですよ」
「そうだけどさ~~でも今は君の冷蔵箱にいっぱい食材が詰まってるんだろ? どうせならそっちから食べたいな」
「よくぞ聞いてくれました!」
せっかくだし、パム達が市場で何を買ったか気になる所だ。
「見て下さい! このホカホカの大きな腸詰! 肉汁たーぷり!」
「うわー!何それ美味しそう!」
「しかも串に刺さっているから食べやすいですよ、はいラセルどうぞ」
「うわー! いただきます!」
「大人はピリ辛!」
「ひょっ?! 豪勢だねぇ」
「これは冷えたビールが飲みたくなりますよ、パム!」
当然御者台のお爺ちゃんから弾んだ若い声が飛んでくる。
「あるんだろ!? ねぇ、パムちゃん! あるんだろ!?」
「ありますよぉ~」
「きゃー! パムちゃん、愛してるぅ!」
「お爺さんに言われても嬉しくないですねぇ」
腸詰片手に昼間からお酒を飲んでガタゴトと荷車は進んで行く。もちろん私とラセルはりんごジュースだ。
「おかわり!」
「はいはい、たくさん仕入れましたよー」
「わーい!」
新しい腸詰に噛み付くとじゅわーっと肉汁が滴ってすんごい美味しい!これは進むなぁ!
ついでに私のやらかしも忘れてくれると助かるんだけどなー?
荷車には大量の藁がこんもり盛られていて、その中に皆ですぽんと飛び込んだ。
「せ、狭いっ」
「義父上ッ狐に戻って下さい、その方が小さい」
「わ、分かったきゅんっ」
子供の姿も小さいけれど、子狐の方がもっと小さい。これで少しは楽になるかな?
「ヘイズ、足が出てます!」
「あー? 無理無理これ以上縮まねえよ」
「待て俺のケツが出てる気がする」
「あー出てますね。蹴飛ばしましょうか?」
「やめてー!」
「わ、私の冷蔵箱が大きくてすいません」
「それは大事だから仕方がない!」
藁の中は暑苦しい野郎共で満ちていたけれど、何か愉快だった。あっちに手を伸ばせばミニィの頬を押すし、こっちに尻尾を伸ばせばラセルの鼻をくすぐったようで小さなくしゃみが聞こえて来た。ついでに私のモフ腹にタムが顔を埋めている、くすぐったい。
「あはは! 面白いね、イアン!」
「藁の荷車に隠れるのは楽しいね~ラセル!」
ラセルの髪の毛にも私の尻尾にも気持ちいいだけ藁の茎が刺さって、全員藁まみれだったけれど走って逃げるよりいいみたい。こんな賑やかな藁の山なんて目立ちそうな気がするけれど、どうなんだろうね?
「ロイ、先行して」
「はいっ師匠」
荷車はのんびりとロバが引いていたけれど、御者は変装したクレヤボンスだ。どこからどう見ても農家のお爺ちゃんだけど、ロイに指示を飛ばす時だけ目が鋭い。
「あんれまぁ~すまんのう~」
道行く人に和やかに声をかけるお爺ちゃんとロバ。クレヤボンスだって分かっていてもどこら辺がクレヤボンスなのか分からない完璧なお爺ちゃんぶりに毎回驚かされつつ、なんとか街はずれまで辿り着いて藁の上から顔を出した。
「ぷはーっ息苦しい!」
「最初は良かったけどやっぱり狭いね!」
「ヘイズがでっかいんだよ」
「まあな! 大きいことはいいことだ!」
「褒めてないよ……」
筋肉の良さを教えてやる! と立ち上がったヘイズは後ろから走って来たニック達の馬車に送り込む、邪魔。
「大将~俺ら先に国境行って偵察しておきますんで、ゆっくりきてくださ~い」
「こっちボロとはいえ馬なんで、流石にロバより早えっすわー」
ヘイズ達筋肉の塊を6人も乗せた馬車を引っ張る馬は重労働だろうけれど、流石にロバより足は速いようだ。ヒヒン、と小さくいななくと結構な速度で先行しだした。なんか盗賊でも出たら蹴り殺しそうな勢いがあるなあ。あの一団。
「んじゃこっちはのんびり行きますか~」
「わーい」
私達はふかふかの藁山の上に寝ころび、がたごとと揺られる。
「あー空が青いね~」
「いい天気だね、鳥も飛んでる」
見上げると青い空を白い鳥が気持ちよさそうに流れていく。
「ありゃあ食べられませんよ」
「食べないよ!? パム」
「そうなんで? とりあえず食べられるか食べられないかは大事ですよ」
「そうだけどさ~~でも今は君の冷蔵箱にいっぱい食材が詰まってるんだろ? どうせならそっちから食べたいな」
「よくぞ聞いてくれました!」
せっかくだし、パム達が市場で何を買ったか気になる所だ。
「見て下さい! このホカホカの大きな腸詰! 肉汁たーぷり!」
「うわー!何それ美味しそう!」
「しかも串に刺さっているから食べやすいですよ、はいラセルどうぞ」
「うわー! いただきます!」
「大人はピリ辛!」
「ひょっ?! 豪勢だねぇ」
「これは冷えたビールが飲みたくなりますよ、パム!」
当然御者台のお爺ちゃんから弾んだ若い声が飛んでくる。
「あるんだろ!? ねぇ、パムちゃん! あるんだろ!?」
「ありますよぉ~」
「きゃー! パムちゃん、愛してるぅ!」
「お爺さんに言われても嬉しくないですねぇ」
腸詰片手に昼間からお酒を飲んでガタゴトと荷車は進んで行く。もちろん私とラセルはりんごジュースだ。
「おかわり!」
「はいはい、たくさん仕入れましたよー」
「わーい!」
新しい腸詰に噛み付くとじゅわーっと肉汁が滴ってすんごい美味しい!これは進むなぁ!
ついでに私のやらかしも忘れてくれると助かるんだけどなー?
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