【完結】おっさん軍人、もふもふ子狐になり少年を育てる。元部下は曲者揃いで今日も大変です

鏑木 うりこ

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201 怖いのは一部だけだったのか?

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「……え? どこが怖いの……?」

 ああっ! 育ち盛りのお子様たちは食べれば食べた分だけ成長するから平気なのか!? おじさん達は食べれば食べた分だけ腹周りが厚くなっていくのに! そういえばミニィもブラッディナイトフェスティバルぶっちゃけ残材料処理祭りのたびに舌をペロペロしながら喜んでたっけな……あれ?恐れてるのは一定年齢が過ぎた我々だけ……?!

「いや、マリアネットも……マリアネットならこの恐怖を分かってくれるはず!」

 後日レオンが直接言いに行ったら、青い顔をしながらブルブル震えていたらしいので、分かってくれたようだった。

「そもそも皇帝陛下がパムさんのブラッディナイトフェスティバルにやってくるの?」
「誘わなかったら多分、お尻が真っ赤になるまで叩かれると思うが」
「ひゃ……」

 最高潮に美味しくなった材料で作るパムの料理だよ?すんごく美味しいに決まってるんだよ?それなのに声をかけないなんて、あとでバレたら大変な目に合うと思うよ。レオンとセドリック、フィンはマリアネットに話さなかった時のことを想像して……三人仲良く青くなってガタガタと震えた。うん、私も君達と同じ想像をしたよ、きっとマリアネットは力いっぱい変装して来るだろう、そして多分今から事前ダイエットに精を出しているだろう……誰も止める事なんてできはしないのだ。

「今頃パムは市場やあちこちで料理の材料を買い漁っているはず……」
「えっ! 保管庫に入れてある材料を使うんじゃないの?」

 うん、私も最初はそう思ったんだけどね。

「お料理ってさ、色々な材料で作るでしょう? 一種類って事はない。だから、お肉を使いたかったらお肉をつけ込むハーブも必要になる、そしてお肉の付け合わせとしてポテトも必要になる。だから多種多様な材料が必要になるんだって」
「そう言われてみればそうかも。お料理って凄いんだね、いつも美味しいって食べてるだけだけど、工夫がいっぱいなんだ」
「あと、パムが作りたいみたい」
「あ、なるほど」

 なんだかんだいってパムは料理をするのが大好き。ただ、いっぱいつくっていっぱい振る舞いたいだけなのかもしれない……あんな大仰な名前を付ける意味なんてはっきり言えばない。

「でもその方が面白いじゃないですかー! アハハ!」

 大きな口を開けて笑うクレヤボンス。まあ盛り上がるしおもしろいは面白いのかな??

「まあヘイズ達が大物狩りに出ましたし、俺らも店を閉めて狩りに出ます。ミニィも協力するっていってるし、リゼレンも連れてかれるでしょ、大将もたのんますよ?ラセルの実地訓練にちょうど良いじゃないですか」
「えっ?! 私達も食材集めするの?? 学園一年生だよ?」
「一年生だろうが何年生だろうが大将でしょ? アンタ」
「意味が分からない……」

 こんな可愛い狐に何を狩れというのだろうか?クレヤボンスも無茶振りがすぎる。しかしクレヤボンスは私に背を向けてラセルとレオン達の方に振り返っていた。

「狩りに行きたい人、手ぇ上げてー」
「はーい!」
「ぼくも行けますか?」
「大丈夫、大丈夫! 大将強いから」
「行きたいです! だって獲物は全部食べるんですよね。食べるための殺生は必要なことです!」
「パムなら血の一滴さえ残さず料理しちまうさ! ある意味あいつは神の教えに忠実な料理人だよ」
「わあっ! 行きます行きます!」
「えっ」

 元気に手を上げたのはラセルで次に手を上げたのはフィンだったから私がびっくりした。レオンならわかるし、セドリックでもまあ納得できる。なのに一番荒事が苦手なフィンが挙手するとは思ってもみなかった。

「ほい、校外学習だぜ、大将」
「ええええーー!」

 無理だと断ろうと思ったが、ラセルより目を輝かせているフィンの目力に負けて了承してしまった……うう、フィンって意外と要求を通すの上手いのかもしれない。
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