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207 ケロケロ パムがいうには
しおりを挟む「坊ちゃまたち~~パムが来ましたよ~」
「パム!」
「パムさん!」
泥だらけの男の子4人を風呂に入れ、スッキリさっぱりした直後にちょうど良くパムが現れた。
「坊ちゃまたちがカエルをたくさん捕まえたと聞きまして、飛んできました」
「パムさん、カエル料理も作れるの?」
不思議半分、興味半分で尋ねるラセルにパムは胸を張った。
「当然です! いつぞやの行軍では食べるものがなくミニィさんもタムさんもヘイズさんも皆一緒にカエルを食べましたよ」
「わっ! やっぱり困ったらカエルを食べるんだ」
「当然です!」
なんだろう、私がいうよりパムが言ったほうが説得力があるな……そして食育の勉強も始めてくれたパムにここはひとつお願いすることにした。
「騎士さん、付き人さん達も一緒に見て行ってください。子供達の成長はいい物ですね」
「イアン様も子供でしょうに……」
「はは、そこは子狐七不思議のひとつです」
適当に誤魔化してパムの講義に耳を傾ける。
「流石に泥にいるし臭いし、生で食べてはいけません。洗いたくても洗えないかもしれませんが……子供の内からそこまで激しいカエル料理は食べなくて良いとパムは思いますので、洗いますね」
「はいっ」
パムは何の躊躇もせずにカエルのたくさん入った容器に手を突っ込み「ゲゴォッ!」と抵抗するカエルを一匹取り出す。食材は美味しくいただくのがパム流だが……。
「最初に素焼きを食べてみましょう。はっきり言いますが美味しくないです。でも、ただ焼くしかできないことが起るかもしれません。何事も経験ですね」
「う、うぇ……食べてみます、お願いします」
「良いですね、レオン様。捌くのはパムがやってしまいます。もう少し坊ちゃんたちが大人になったらここら辺も頑張ってみましょうね」
「う、うん……」
レオンもラセルも青い顔をしながら頷いた。さっき勇気が出たフィンだが、池で使い果たしたのかセドリックの後ろに隠れてしまった。それで良いと思う、フィンは今日いっぱい勇気を振り絞ったもんね。
子供達が見えない角度でパムはカエルを捌く。でもカエルの断末魔は響き、子供達の青い顔は更に青くなり……それでも四人とも逃げ出さずに調理場に設置されている椅子に座り続けた。見ている大人達も顔色が悪い……まあ貴族ならそれもあるだろうね。
きれいに捌かれたと、更に直火で焼かれた細長い何かが現れ、四人は皿の上をしげしげと見つめる。
「カエルの太ももの部分です。良く焼きましたし、一番食べやすい部分です。指でつまんでしまって構わないと思います」
「ち、小さくないか?」
「レオン、カエルだよ?そんなに食べるところないのは当たり前じゃない?」
「そ、そっか……」
「それに小さい方がありがたいぞ……正直あまり食べたくない」
「ぼくも……でも食べてみる……!」
なんと最初に手を伸ばしたのはフィンで、恐る恐る小さな肉片に手を伸ばし、摘まみ上げ口に宝利混んだ。
「ん……やわらかいおにく……うぇえ……泥の味がするぅ~」
「泥? さっきの池のやつ?」
「おいじくないぃ~~~」
残りの三人もそれぞれこわごわ手を伸ばし口に放り込んで苦い顔をする。
「ほんとだ……泥の味がする……」
「不味い……」
「うわぁ……」
その様子を見てパムは満足げに頷く。
「その通りですね。カエルは泥がある所に住んでいます。清流に住む魚が美味しいように、泥に住めばそんな味。仕方がないことです」
子供達はそれでも吐き出さずに泥臭いカエル肉を飲み込んだ。
「カエルを食べるようなことにならないようにしたいな……」
「まったくですね」
「ぼくもぉ~~」
「ほんとだね……」
うんうん、そうだよ、私も美味しくないカエルは食べたくない! だがここにいるのはパムである、パムなのである。
「それでこの坊ちゃんたちが捕まえたカエルですが……泥臭さを抜くために洗い、暫く清水に漬けます。そして更に良く洗い…‥‥」
「パ、パムさん!? あんなまずいカエルを食べるの!?」
「食べますけど? こんなにたくさん捕まえてくれたじゃないですか、ありがとうございます。パムの感謝の気持ちを込めてカエルスープを御馳走しますよ」
「い、要らないよ!」
「わ、私もカエルは遠慮したい!」
あっ! パムがちょっと泣きそうな顔してる……!ここは私が飛び込むしかない。
「皆、待って~! 一口食べてからでも遅くないよ、だってパムの料理なんだから!」
「でも!」
「だって」
「カエルだよ!」
「カエルいやぁ~~」
カエル嫌いにしたいわけじゃないんだ! ちょっと待って待っててば~。
「パム、早くアレを出して! あるんでしょ、カエルスープ!」
「あります、ありますとも! とろーり美味しい根菜のカエルスープ!」
「カエルいやぁ~~!」
早く、早く実物を口に突っ込まなきゃカエル嫌いになっちゃうよ!
椅子から飛び降りて逃げ出そうとする子供達を必死に宥める。早く、早くー!
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