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15 大胆不敵な私の作戦
「お、お、お嬢様、おやめくださいませ、お嬢様ぁ~~」
ルシーの悲痛な叫びを数時間前に聞いたけれど、それを無視して私は市街地に降りている。今はそろそろ卒業を控えた18歳の少女でも、過去の記憶があるのだから、この場がどういう所でどれくらい非常識なことをしようとしているかも全部分かっている。でも、いつまでたっても頷かないナルクにもいつまでも私の親友面をしてくるダリアにも、小さくちょっかいをかけてくるトッドリア侯爵にももう耐えきれない。
最終手段を取ることに決めたのだ。
「えーと、騎士様ですよね?」
「そうですが、うら若き乙女がこのような場所に来るのは些か問題があるのでは?」
「御心配には及びませんわ」
夜の酒場はガラの悪そうな男達で満ち満ちている。お酒を飲んで歌ったり暴れたり。その中でもまともそうな二人組を見つけて話しかけるまでに、色々な男性達に口笛を吹かれたりしたが気にしない。いや、本当は怖いけれど、過去と同じことをしないためにはこれしか方法がないと腹をくくったのだから。
「何か御用ですか?」
騎士は二人組だった。決め手は両方ともナルクの赤い髪とはまったく違う金髪だったこと。近寄って顔を見ると目の色も全然違う。ナルクは緑だけど、二人とも青系だ……これだ。「御用」を口に出す時流石に私も口ごもった、でも……過去と同じことはしない!
「特殊な事情があってね。後から何の迷惑もかけないから、私を、だ、抱いてくれないかしら?」
「は?」
まあ自分でもとんでもないお願いだと分かっている。それでも騎士らしい人の片方が話の分かる人で私は朝帰りをし、目的を果たした。ルシーや使用人達に口止めをし……学園を卒業したあと、私はもう隠せないし言い逃れができないお腹の大きさになった。あの騎士やるわね、一発必中だったわ。
「ア、ア、ア、ア、ア、ア、ア、ア、ア、ア、アネ、アネアネ」
「ふふ、お父様凄いでしょう、私」
最近お父様を避けて避けて避けまくって、とうとうバレてお医者様を呼ばれ、すべて白状した。目立つようになる前に学園は卒業できた……計算通りよ。
「こ、ここまで大きくなっては、だ、堕胎は不可能かと」
「狙い通りよ、うふふ」
お父様はとりあえず目を回して倒れたけれど、起きた後きちんと話を始めた。
「ちょっとどこの誰かとも分からぬ騎士っぽい人を誘って子供を授かってきました。ええ、名前もわかりませんし、顔ももう薄ぼんやりとして覚えていません、探せませんわ。所謂どこの馬の骨か分からんってやつですね」
「アネモネ、なんてことを」
「これでナルクも諦めるでしょ? ダリアはもうすぐナルクの子供を産むでしょうし、ナルクはダリアと結婚すればいいのよ」
「だからといってこんな、こんな……」
お父様は涙を流しながら、私の大きくなったお腹を見ている。襲われた訳じゃないの、私が誘ったのよ?
「お父様。ウィンフィールド公爵家は力をつけすぎました。トッドリア侯爵から嫌われているのはご存じでしょう?」
「ああ、あんな奴、捨て置けばいい」
「いけません。かの家は何をしてくるか分からない……もし、お父様が害されようものなら私は独りぼっちになってしまうのですよ? そんなのは嫌です」
「そのようなことある訳がない」
「あります。ですから、一人娘が誰とも知らぬ男の子供を妊娠したなんていう、とんでもない醜聞が広がれば我が家の名は地に落ち……トッドリア侯爵は満足します。お父様、お願いです。私はお父様を失いたくないのです」
「アネモネ……」
結局私にとても甘いお父様はすべて許してくださった。
「どこの馬の骨の子供だろうが、半分はアネモネの子! きっと可愛いに違いない、あのナルクの血が入った方が恐ろしいものな!」
「そうです、きっとこの子は優秀で可愛くて、ウィンフィールド公爵家の素晴らしい跡取りになります!」
「そうだな、父親がどこの誰か分からんなら、そいつにアネモネをくれてやる必要もない! うむ、これは考えようによっては素晴らしいな~! ハッハッハ!」
寝込んだのは忘れたのか、お父様は上機嫌で私と私の子供を愛すると誓ってくれた。お父様、大好きです。
ルシーの悲痛な叫びを数時間前に聞いたけれど、それを無視して私は市街地に降りている。今はそろそろ卒業を控えた18歳の少女でも、過去の記憶があるのだから、この場がどういう所でどれくらい非常識なことをしようとしているかも全部分かっている。でも、いつまでたっても頷かないナルクにもいつまでも私の親友面をしてくるダリアにも、小さくちょっかいをかけてくるトッドリア侯爵にももう耐えきれない。
最終手段を取ることに決めたのだ。
「えーと、騎士様ですよね?」
「そうですが、うら若き乙女がこのような場所に来るのは些か問題があるのでは?」
「御心配には及びませんわ」
夜の酒場はガラの悪そうな男達で満ち満ちている。お酒を飲んで歌ったり暴れたり。その中でもまともそうな二人組を見つけて話しかけるまでに、色々な男性達に口笛を吹かれたりしたが気にしない。いや、本当は怖いけれど、過去と同じことをしないためにはこれしか方法がないと腹をくくったのだから。
「何か御用ですか?」
騎士は二人組だった。決め手は両方ともナルクの赤い髪とはまったく違う金髪だったこと。近寄って顔を見ると目の色も全然違う。ナルクは緑だけど、二人とも青系だ……これだ。「御用」を口に出す時流石に私も口ごもった、でも……過去と同じことはしない!
「特殊な事情があってね。後から何の迷惑もかけないから、私を、だ、抱いてくれないかしら?」
「は?」
まあ自分でもとんでもないお願いだと分かっている。それでも騎士らしい人の片方が話の分かる人で私は朝帰りをし、目的を果たした。ルシーや使用人達に口止めをし……学園を卒業したあと、私はもう隠せないし言い逃れができないお腹の大きさになった。あの騎士やるわね、一発必中だったわ。
「ア、ア、ア、ア、ア、ア、ア、ア、ア、ア、アネ、アネアネ」
「ふふ、お父様凄いでしょう、私」
最近お父様を避けて避けて避けまくって、とうとうバレてお医者様を呼ばれ、すべて白状した。目立つようになる前に学園は卒業できた……計算通りよ。
「こ、ここまで大きくなっては、だ、堕胎は不可能かと」
「狙い通りよ、うふふ」
お父様はとりあえず目を回して倒れたけれど、起きた後きちんと話を始めた。
「ちょっとどこの誰かとも分からぬ騎士っぽい人を誘って子供を授かってきました。ええ、名前もわかりませんし、顔ももう薄ぼんやりとして覚えていません、探せませんわ。所謂どこの馬の骨か分からんってやつですね」
「アネモネ、なんてことを」
「これでナルクも諦めるでしょ? ダリアはもうすぐナルクの子供を産むでしょうし、ナルクはダリアと結婚すればいいのよ」
「だからといってこんな、こんな……」
お父様は涙を流しながら、私の大きくなったお腹を見ている。襲われた訳じゃないの、私が誘ったのよ?
「お父様。ウィンフィールド公爵家は力をつけすぎました。トッドリア侯爵から嫌われているのはご存じでしょう?」
「ああ、あんな奴、捨て置けばいい」
「いけません。かの家は何をしてくるか分からない……もし、お父様が害されようものなら私は独りぼっちになってしまうのですよ? そんなのは嫌です」
「そのようなことある訳がない」
「あります。ですから、一人娘が誰とも知らぬ男の子供を妊娠したなんていう、とんでもない醜聞が広がれば我が家の名は地に落ち……トッドリア侯爵は満足します。お父様、お願いです。私はお父様を失いたくないのです」
「アネモネ……」
結局私にとても甘いお父様はすべて許してくださった。
「どこの馬の骨の子供だろうが、半分はアネモネの子! きっと可愛いに違いない、あのナルクの血が入った方が恐ろしいものな!」
「そうです、きっとこの子は優秀で可愛くて、ウィンフィールド公爵家の素晴らしい跡取りになります!」
「そうだな、父親がどこの誰か分からんなら、そいつにアネモネをくれてやる必要もない! うむ、これは考えようによっては素晴らしいな~! ハッハッハ!」
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