【完結】悪役二人にヒロイン一人でどこへゆく?私の推しは貴方じゃないの!

鏑木 うりこ

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16 もう本人じゃありませんか?

「お、お、おはじゅかしいとととところをおみおみおみ!無理!ミシェール!無理!同じ大地の上にオスカー様がいらっしゃるなんて、わ、私、耐えきれませんわ!」

「キャロライン、お兄様はだいぶ前から大地に立っていましてよ?」

「ああ!地球万歳!大地よ恵みをありがとう!」

 私は滔々と涙を流してしまう。ミシェールはかなりの頻度で遊びに来る。しかしそのたびにオスカー様まで来るのだから、私の心臓は常にデットヒートだ。むしろデッドエンドだ!チーン。

「ホント、キャロラインったらお兄様が大好きね!」

 でも私も追放されたとはいえ、キャロライン・エンディールなのですから、反撃くらいしますわよ?

「ふふ!そう言っていられるのも今のうちですわよ?我が弟、ルーザの優秀さにひれ伏す準備はOKかしら?」

「えっ……まさか」

「一応全部本人から確認は得て貰って来たらしいですわ」

 用意していたレイジット様はグッズの入った袋をドサッとミシェールに手渡した。

「きゃ……」

「オスカー様が見てますわ!」

きぃゃああああああーーー!

 無言でミシェールは叫んだ。すごいテクニックね。

「め、眼鏡まで入ってますわ!これは既に本体と同じ物!もう私のレイジット様と言っても過言ではありませんわね!?」

「そうね」

 ふふっ、キャロラインの実力を甘くみたわね。……うん、私は手紙を書いただけだけどね。弟が有能だっただけです。どうやって眼鏡まで奪ったんだろう??

 素敵な王女の仮面が脱げかけたミシェールに手紙を差し出す。

「ルーザがルリルーさんから返事を貰ってきてくれたの。見るわよね」

「読んでいいかしら?」

「構わないわ。私達二人に向けたものですもの」

 ミシェールはよく手入れされて、ぴかぴかした指先で手紙を開いた。私宛だったので、私は先に読ませてもらっていたけれど、ルリルー……るりさんからの手紙には謝罪がたくさん書かれていた。

 
 何度も言うけれども二人を巻き込んでごめんなさい。二人とも「恋リフ」が好きだって言ってくれていたから、少しはこの人生を楽しんでもらえているなら、私も救われます。るりさんはなにも悪くないのに、自分のせいで私達を殺してしまったと、ずっと苦しんでいたようだった。
 大丈夫よ、るりさん。すごく、凄く満喫していますわ。
 あと私宛に。キャロラインの可愛い虐め最高でした。もっとやれ!って思ったんですが、私が書いたお話通りですもんね、フフ。可愛い虐めで屁でもございませんでしたわ!なんて書いてあるんです。やめてるりさん!私は顔から火が出そうです。恥ずかしい!
 気が向いたらあなたを隠れ蓑にして色々ごちゃごちゃ言ってきたご令嬢方をぶっ飛ばしておきますね!なんて力強い事まで書かれている。るりさんってすごいわ。

 そして
「私、セドリック王子の事好きじゃないし、一度も婚約してくれなんて頼んでないのに、婚約者にされているの。リーインクールに逃げる時期を探っているので、ミシェールさん、お願い」

 しっかりはっきり書いてある。いいのかな……まあるりさんの手紙はしっかり封がされてあって、私の元に届くまで誰かに見られた形跡はなかったけれど。

「私が逃げ出したことで家族に迷惑がかかったら……ごめんなさい。家族ごとそちらに引っ越したいと思っているの。爵位とかはいらないけど、シャンプーで商売とかしようかなって思っています」

 そういえば、シャンプーが最近売られているんだったわ。すんごく高いけど貴族なら誰でも使ってるわね。ってあれ、るりさんが作ったの!?うわーありがとうるりさん、私も愛用しているわ!

 
「ルリルーはリーインクールで受け入れますわ。勿論家族もね」

「ありがとう、ミシェール様。私もルリルーさんとちゃんとお話がしてみたいですわ。早くお会いできるといいのですが」

 逃げる時期がいつになるか、私には見当もつかなかったけれど、早くるりさんに会ってみたいなと、ワクワクした気持ちでいっぱいになりました。


 視界にちらちらとオスカー様のきれいな銀髪が見えていたから、ワクワクドキドキしていたわけじゃありませんことよ!

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