【完結】悪役二人にヒロイン一人でどこへゆく?私の推しは貴方じゃないの!

鏑木 うりこ

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17 化けると言うけれど

「駒!?」

「そうなんだ」

「狙撃範囲に入れるだけで光栄でございます!!」

「俺は命を狙われてるのかな?」

「この身に変えてもお守り致します!」

「ミシェール。すまないが、キャロライン嬢の通訳をして貰えないか?」

「これはなんでしょう……きゃっ?!こ、これは!こ、こんなものまで……ルーザ様は我が国にいらした際には公爵位を用意せねばなりませんね」

「……」

 とりあえず、キャロラインは倒れなくなったが、話は通じなかった。引き換えに自分と同じくらい腹黒の妹が使い物にならなくなってしまった。

「ぐすっ……ぐすっ……この下僕にできる事がありましたら……なんでもお申し付けくださいませ……ああ、尊い」

 ハンカチで涙を拭きながら、意味が分からない事を呟くキャロライン。よく分からないが信用は出来そうな気がする。この娘は絶対に自分を裏切らないと。

「すまないのだが、次の夜会に参加して貰いたい。ミシェールの親友として。そして、私の婚約者をひきづりおろす駒として」

 とんでもない提案をしたという自覚はある。そして、この事が外に漏れれば自分にとても不利になる事も。しかしオスカーは賭けた。
 ミシェールの見る目に。

 そして、妹の目は確かだった。今まで、滔々と涙を流して自分を拝んでいた目の前の少女は涙を一気に引っ込めた。

「分かりましたわ。私はこちらの国の流行りのドレスは持っておりません。お飾りから全て贈っていただけますか?」

 泣いていた気配の一欠片もなく、嫣然と微笑んだ。その代わりように、言い放ったオスカー自身がたじろいてしまう。

「レミーテ侯爵家・シェリー様でございますね?確か、子爵令息のマルコス様と懇意にし過ぎているとの噂ですが、秘密の恋人はその執事でしたわね」

「……良く、ご存知で」

「ミシェール様の情報網が素晴らしいおかげですわ」

 キャロラインは令嬢らしく微笑む。なるほど、これは美しい。ミシェールと並べばお互いの色彩を補って素晴らしい一対に見える事だろう。

「エスコートは騎士を一人遣わそう」

「ラヴァール伯爵ではいけませんか?」

「……そうだな、その方が良いな」

 この騒動にラヴァール伯爵を巻き込まずには済ませられない。人が良い人物だが、阿呆ではない。

「伯爵には私から頼んでおこう。詳しい話は追って」

「はい、ドレス、楽しみにしておりますね」

 キャロラインは聡い。駒としては優秀過ぎるのではないだろうか?



 
 
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