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8 コーディ、村へ
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「やだやだーーー!絶対、出発前に村に戻るーーー!」
「ゆ、勇者コーディ。そのようなわがままを……」
「絶対、絶対ダメーーーー!」
勇者の旅立ちを決めた日、コーディは絶対に故郷に一度帰ると言って譲らなかった。
「あの勤勉な勇者が……」
コーディは最初から抜きん出た勇者だった。最初に王都へやってきたのは10歳になる前だったのに、
「何にもしてないけど……」
10歳の子供にしてはレベルも能力値も高かった上に勇者としての修行も全く嫌がる事もなく嬉々として行う稀有な子供だったのに。
「だめだ!絶対、絶対村に行くーー!」
大地に寝転がる勢いで主張するので、魔王討伐のパーティメンバーはとうとう折れて、コーディの故郷の村へ立ち寄ることにしたのだ。
「やった!」
願いが叶いニコニコと出発するコーディ。その後を複雑な顔でついてゆくのは戦士と魔法使いと聖女。これに勇者のコーディを入れて4人パーティとなる。
「でも気になってはいたのですよね、コーディの出身の村」
「ええ、そうね……何せ魔王軍とかなり近い距離に位置していますものね」
コーディの出身の村はかなり外れの小さな村だ。各国からの情報によると、その辺りまで魔王軍に攻め込まれ、人の住む地域は焦土と化していると言う。
「大丈夫、なのかしら……?」
他のパーティメンバーの不安は他所にコーディは鼻歌交じりで村への道を急いでいた。
「あ!コーディじゃん!でかくなったなあ」
「タトもな!」
村に着くなり、コーディとそっくりな少年と出会う。なるほど、噂のコーディの双子の弟なのだろう、とメンバーは一目で納得した。勇者の称号を授かった兄と戦闘系ではなかった弟。それでも弟は戦う事はしたくなかったので喜んだという。
「ごめん、折角ついたのに今さ、裏山から熊が降りて来てて、ちょっと皆でやっつけに行くとこ」
「熊!?大丈夫なのか?」
「うん、普通の熊らしいから大丈夫だよ。最近山に食べ物が少ないらしくてしょっちゅうくるんだ、慣れたもんさ」
「それも魔王の影響かなあ……」
うーん、とコーディがわざとらしく顎に手を当てているが、遠くから呼ばれる声に応えているタトはまるっと無視した。
「あ、コーディのパーティの皆さんもあとでご挨拶させてくださいね~……今行く~!」
ぴょんっと身軽に走って行くタトを全員で見送る。タトは村の青年と合流して裏山の方へ向って行った。
「ねえ、コーディ。様子を見に行った方が良いんじゃない……?貴方の弟のタト、だっけ?あの武器で大丈夫なの……?」
「え?」
コーディのパーティメンバー、聖女のマリアンヌはもう小さくなっているタトの手に握られた小さな弓を指差している。
「あんな小さな弓で……熊を倒せるものなの?危ない気がするわ」
「俺もそう思う。それにもし怪我をしたらマリアンヌが傍にいればすぐに治療できるし。私達も行った方が良いと思う」
このパーティで一番年上の戦士のダナンも付け加えた。全員見る限り、タトの弓は貧弱でとても獣を倒せるようには見えなかった。
「……そうだな、行ってみよう」
全員がこくり、と頷きタトが駆けて行った方角へ足を向けた。
「ゆ、勇者コーディ。そのようなわがままを……」
「絶対、絶対ダメーーーー!」
勇者の旅立ちを決めた日、コーディは絶対に故郷に一度帰ると言って譲らなかった。
「あの勤勉な勇者が……」
コーディは最初から抜きん出た勇者だった。最初に王都へやってきたのは10歳になる前だったのに、
「何にもしてないけど……」
10歳の子供にしてはレベルも能力値も高かった上に勇者としての修行も全く嫌がる事もなく嬉々として行う稀有な子供だったのに。
「だめだ!絶対、絶対村に行くーー!」
大地に寝転がる勢いで主張するので、魔王討伐のパーティメンバーはとうとう折れて、コーディの故郷の村へ立ち寄ることにしたのだ。
「やった!」
願いが叶いニコニコと出発するコーディ。その後を複雑な顔でついてゆくのは戦士と魔法使いと聖女。これに勇者のコーディを入れて4人パーティとなる。
「でも気になってはいたのですよね、コーディの出身の村」
「ええ、そうね……何せ魔王軍とかなり近い距離に位置していますものね」
コーディの出身の村はかなり外れの小さな村だ。各国からの情報によると、その辺りまで魔王軍に攻め込まれ、人の住む地域は焦土と化していると言う。
「大丈夫、なのかしら……?」
他のパーティメンバーの不安は他所にコーディは鼻歌交じりで村への道を急いでいた。
「あ!コーディじゃん!でかくなったなあ」
「タトもな!」
村に着くなり、コーディとそっくりな少年と出会う。なるほど、噂のコーディの双子の弟なのだろう、とメンバーは一目で納得した。勇者の称号を授かった兄と戦闘系ではなかった弟。それでも弟は戦う事はしたくなかったので喜んだという。
「ごめん、折角ついたのに今さ、裏山から熊が降りて来てて、ちょっと皆でやっつけに行くとこ」
「熊!?大丈夫なのか?」
「うん、普通の熊らしいから大丈夫だよ。最近山に食べ物が少ないらしくてしょっちゅうくるんだ、慣れたもんさ」
「それも魔王の影響かなあ……」
うーん、とコーディがわざとらしく顎に手を当てているが、遠くから呼ばれる声に応えているタトはまるっと無視した。
「あ、コーディのパーティの皆さんもあとでご挨拶させてくださいね~……今行く~!」
ぴょんっと身軽に走って行くタトを全員で見送る。タトは村の青年と合流して裏山の方へ向って行った。
「ねえ、コーディ。様子を見に行った方が良いんじゃない……?貴方の弟のタト、だっけ?あの武器で大丈夫なの……?」
「え?」
コーディのパーティメンバー、聖女のマリアンヌはもう小さくなっているタトの手に握られた小さな弓を指差している。
「あんな小さな弓で……熊を倒せるものなの?危ない気がするわ」
「俺もそう思う。それにもし怪我をしたらマリアンヌが傍にいればすぐに治療できるし。私達も行った方が良いと思う」
このパーティで一番年上の戦士のダナンも付け加えた。全員見る限り、タトの弓は貧弱でとても獣を倒せるようには見えなかった。
「……そうだな、行ってみよう」
全員がこくり、と頷きタトが駆けて行った方角へ足を向けた。
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