2度目のニューゲーム 合法チートで貴族も魔王も恋愛もぶっ飛ばす!

鏑木 うりこ

文字の大きさ
8 / 27
旧知からの連絡

8 俺、そんなに強くないけど?

しおりを挟む
「どうしてこんなに高レベルなのにお金が無いんです……?」

 経験値効率を取ったら金銭効率が下がるのは当たり前でしょう!

「ギルドで依頼を受けましょう」

 ナディアの建設的意見を全面的に受け入れた。

「ど、どうしてこんなに高レベルなのに、冒険者レベルが低いんでしょう……?」

 ギルドの受付嬢に青い顔をされた。ギルドの依頼を受けていないからです!

「好きなものをお受けくださいと言いたいところですが、ランクより2つ上しか受けられません。Eランクの方もおりますのでCランクまでですね」

「分かりました」

 俺たちは掲示板に向かいバリバリと剥がして行く。

「これがサラ」「こっちはナディア」「これがアイーダ」「素材系だから、ファーナ」「俺はこれ」

 依頼書を配って行く。

「待って。ファルはあと…これとこれも」

「なんで俺だけ3枚?…まぁ行けるか」

 サラにあと2枚押し付けられる。シルバーウルフ?え、住処が遠いんですけど!?

 受付嬢が慌ててがたりと立ち上がる。

「ま、まってください!その依頼書はパーティーで受けるものですよ!1人でやる物じゃないんですよ?!」

「大丈夫ー大丈夫ー」

 サラは手をひらひらさせる。

「じゃあ昼過ぎくらいか?」

 待て、俺は移動だけでかなり時間がかかるんだが?!

「間に合うかな?」

 


「やっぱり俺が最後かー」

「お疲れ様ー」

 戻ると、皆んながギルドで待っていてくれた。ただし、個別の会議室だったが。

「「月の唄声」様のクランランクと皆様の個人ランクをあげさせて頂きます」

 げっそりと疲れ切った顔で、ギルドの職員・・・受付嬢じゃないな?が手続きをしてくれる。
え、昇格試験とかないの?よくあるじゃん?ギルドマスターとバトルするとかそういうの。

「普通5.6人で1週間ほどかけて行う依頼を1人で、しかも数時間で終わらせてしまう人を低ランクにしておける訳ないでしょう?!」

「あ、すいません?」

 しょうがないじゃないか、弱い敵ばっかりなんだから。砂漠の穴の先とかもっともっとヤバイヤツならまだしもさ。

「とりあえずAランクでよろしいですか?」

「俺はなんでもいいや」

「ファルセット様はSSランクで登録が済んでおります」

「SSって凄いの?」

 このランク制度はゲームにはなかったからなー。

「この国でSSランクは3名ほどいらっしゃいます」

 3人?!少なくない?!?!

「俺、そんなに強くないけど?!」

 強いって言うのは、対人戦をやってる有名クランの姫騎士だったり聖壁だったりだろ?俺みたいな一般プレイヤーは強くないって。

「ぶぼっ!」

 ちょうどお茶を飲んでいたサラが吹き出した。きたねぇな!

「ファルが強くないって……何を基準に……向かう所敵なしって顔してんのに!」

 してねーよ!俺はそんなに強くないってば!

 だが依頼をこなした報酬でクランハウスを購入することは出来た。これで良いんだろ!


「サラ、気がついたんだがこのクラン、男は俺1人?」

「そういえばそうね」

 あれ?風紀的に駄目じゃね??しょうがない、俺は今まで通り宿屋に泊まれば良いか。
 必要な人員を集めて、レベル上げに必死すぎて、性別のことを考えるのを忘れてたわ。だって、ゲームではどっちでも良かったし。性別で強さは変わらないから!見た目で気に入った装備とかはあったけどな。
 
 でも今は違うよな。サラ達はここで生きてるんだし。恋人がいて誤解されて破局になったら大変だ。
 俺は気遣いもできるんだからな!

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです

ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。 転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。 前世の記憶を頼りに善悪等を判断。 貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。 2人の兄と、私と、弟と母。 母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。 ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。 前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

【完結】アル中の俺、転生して断酒したのに毒杯を賜る

堀 和三盆
ファンタジー
 前世、俺はいわゆるアル中だった。色んな言い訳はあるが、ただ単に俺の心が弱かった。酒に逃げた。朝も昼も夜も酒を飲み、周囲や家族に迷惑をかけた。だから。転生した俺は決意した。今世では決して酒は飲まない、と。  それなのに、まさか無実の罪で毒杯を賜るなんて。

魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした

茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。 貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。 母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。 バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。 しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。

処理中です...