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友の名は
26 アルビの俺達
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「……俺の知ってるランスロットじゃねぇ」
「だがしかし?ファルセット君の知ってるランスロットなんだわー!」
王都に帰って来て俺の泊まっている宿屋の一回で取りあえず飯を食う。
「うめー!何年振りの飯?!」
「知らねーよ!しかしなんだお前、それ」
「可愛かろ?」
俺の知っているランスロットはごつい鎧の騎士だった。
目の前にいるのは小柄な所謂ツインに長い髪の毛を結んだ女の子戦士だ。
「どうしてこんな事に……」
「やってみたかったんだ!ツインテロリが巨大な鉄塊振り回す奴!」
「うわぁ……ドン引き」
どうやら、ランスロットが最初にこの世界に引き込まれたらしい。
「理由は分からないし、何でかも分からないけど、ここがアルビオンオンラインだってことは分かった。それから先は大体お前と一緒」
気ままに遊んでたら、魔王クエでミスって捕まった。
「どうしても抜け出せなくて、ある日突然お前にメッセージを飛ばす事が出来たんだ」
「はぁ……」
助かったよ、と笑うランスロットだが俺はもう一つ疑問を聞いてみた。
「なあ、なんでこの世界はアップデートに置いてかれてんだ?ランスロット、お前も限界突破とか知らないクチ?」
「な!なんだよ!限界突破って?!」
俺は冒険者カードをみせてやる。レベルが上がって今のレベルは176だ。
「う、嘘だろ?なんだそれ?職もウォーロックって何……?」
「お前も分かってないんだな。お前の知識はどこで止まってるんだ?」
全然だった。
「うわーーー!アルビがそんな進化してたなんてーーー!俺が魔王にされてる間になんて事!!」
「その魔王、あと1年もしない内に復活すんぞ?」
げぇ!と美少女ランスロットは美少女にあるまじき顔をした。
「まあ、その先は美味いボスになるんだけどな。楽しみだなぁ~ボス狩り」
「ファルセット、きれいな顔して考えてる事えぐいな!」
ほっとけ!
「さて、お前を助けたんだから、俺の役目は終わったんだろ?帰りたいんだが……」
「……そ、そうだな。俺も……帰りたい」
え、もしかして
「帰り方、しらねぇの……?」
「……おう……」
ランスロット!お前にはドン引きだ!!!どうすんだよ!
「責任取れよな!この馬鹿たれーーーー!」
俺は人目も憚らず大声を上げた。
「せ、責任……俺も男だ。分かったお前の嫁になろう」
よろしくお願いしまぁすとくねくねするランスロットを釣り上げた。
「俺がその手の冗談が大っ嫌いなの知ってるよな??」
「ご、ごめん!ごめんてば!魔法使いにあるまじき握力マジ痛いぃいい!」
レベル差というのは大きいのだよ!ランスロット君!!
こめかみに俺の指の跡がついたランスロットは、頭を押さえてうずくまっている。
「2回だっけ?自称姫にクランブレイクされたの?」
「5回だ。引退決めたのも5回目の姫のせいだ。思い出したくもない!」
最初は気がついたらクランがなくなっていたとかそんな感じだったが、3回目からは当事者として巻き込まれた。
何せ廃ゲーマーに足を突っ込んでいたんだ。装備は目指せるだけ高額な物を。この頃、星杖や礼装を手に入れた。
ゲーム内で無双になり、メンバーとガチガチのボス狩りに挑んだりと最初の頃は良かった。
「で、姫に寄生されたと」
「呼んでもいないのについてくるんだよな、あいつらって。なんなの??」
最初は知り合いの知り合いとか言っていたはず。いつの間にかクランメンバーになっていて、いつの間にかパーティメンバーに入っていた。
その辺までは良かった。
「狩りに行こうぜ!」
メンバーが声をかけると返事する者は誰もいない。
「じゃあ、俺行く」
そう言うと
「私も行きたい!」
ついてくる。俺が
「今日はやめとくよ」
そう言うと
「私も行くのやめようかな?」
1度や2度ならまだしも毎回だと流石の俺もおかしいなと思うし、他のクランメンバーの目が痛い。何故俺が睨まれなければならない!
「一緒にボス狩り行こうよ!」
今日はやめておくとメンバーの誘いを断った俺に話しかけて来るし。ぶっちゃけ、一緒に行っても足手まといなだけなんだよね。
みんなでわいわいいくのなら良い。足手まといとかそういうのはない。遠足みたいで楽しいから大好きだ。
しかし毎回毎回2人で行こうと誘う。嫌になって来た所に
「姫たんを独占すんじゃねーよ!」
「姫たんの誘いを断ってんじゃねーよ!」
と、言われたら誰でも嫌になるだろ?
「それが続いて見ろよ。引退したくなるだろう……」
「ご苦労様です」
ほんと、楽しく遊ぶ為のゲームでそんな苦労はしたくねーよ!
「だがしかし?ファルセット君の知ってるランスロットなんだわー!」
王都に帰って来て俺の泊まっている宿屋の一回で取りあえず飯を食う。
「うめー!何年振りの飯?!」
「知らねーよ!しかしなんだお前、それ」
「可愛かろ?」
俺の知っているランスロットはごつい鎧の騎士だった。
目の前にいるのは小柄な所謂ツインに長い髪の毛を結んだ女の子戦士だ。
「どうしてこんな事に……」
「やってみたかったんだ!ツインテロリが巨大な鉄塊振り回す奴!」
「うわぁ……ドン引き」
どうやら、ランスロットが最初にこの世界に引き込まれたらしい。
「理由は分からないし、何でかも分からないけど、ここがアルビオンオンラインだってことは分かった。それから先は大体お前と一緒」
気ままに遊んでたら、魔王クエでミスって捕まった。
「どうしても抜け出せなくて、ある日突然お前にメッセージを飛ばす事が出来たんだ」
「はぁ……」
助かったよ、と笑うランスロットだが俺はもう一つ疑問を聞いてみた。
「なあ、なんでこの世界はアップデートに置いてかれてんだ?ランスロット、お前も限界突破とか知らないクチ?」
「な!なんだよ!限界突破って?!」
俺は冒険者カードをみせてやる。レベルが上がって今のレベルは176だ。
「う、嘘だろ?なんだそれ?職もウォーロックって何……?」
「お前も分かってないんだな。お前の知識はどこで止まってるんだ?」
全然だった。
「うわーーー!アルビがそんな進化してたなんてーーー!俺が魔王にされてる間になんて事!!」
「その魔王、あと1年もしない内に復活すんぞ?」
げぇ!と美少女ランスロットは美少女にあるまじき顔をした。
「まあ、その先は美味いボスになるんだけどな。楽しみだなぁ~ボス狩り」
「ファルセット、きれいな顔して考えてる事えぐいな!」
ほっとけ!
「さて、お前を助けたんだから、俺の役目は終わったんだろ?帰りたいんだが……」
「……そ、そうだな。俺も……帰りたい」
え、もしかして
「帰り方、しらねぇの……?」
「……おう……」
ランスロット!お前にはドン引きだ!!!どうすんだよ!
「責任取れよな!この馬鹿たれーーーー!」
俺は人目も憚らず大声を上げた。
「せ、責任……俺も男だ。分かったお前の嫁になろう」
よろしくお願いしまぁすとくねくねするランスロットを釣り上げた。
「俺がその手の冗談が大っ嫌いなの知ってるよな??」
「ご、ごめん!ごめんてば!魔法使いにあるまじき握力マジ痛いぃいい!」
レベル差というのは大きいのだよ!ランスロット君!!
こめかみに俺の指の跡がついたランスロットは、頭を押さえてうずくまっている。
「2回だっけ?自称姫にクランブレイクされたの?」
「5回だ。引退決めたのも5回目の姫のせいだ。思い出したくもない!」
最初は気がついたらクランがなくなっていたとかそんな感じだったが、3回目からは当事者として巻き込まれた。
何せ廃ゲーマーに足を突っ込んでいたんだ。装備は目指せるだけ高額な物を。この頃、星杖や礼装を手に入れた。
ゲーム内で無双になり、メンバーとガチガチのボス狩りに挑んだりと最初の頃は良かった。
「で、姫に寄生されたと」
「呼んでもいないのについてくるんだよな、あいつらって。なんなの??」
最初は知り合いの知り合いとか言っていたはず。いつの間にかクランメンバーになっていて、いつの間にかパーティメンバーに入っていた。
その辺までは良かった。
「狩りに行こうぜ!」
メンバーが声をかけると返事する者は誰もいない。
「じゃあ、俺行く」
そう言うと
「私も行きたい!」
ついてくる。俺が
「今日はやめとくよ」
そう言うと
「私も行くのやめようかな?」
1度や2度ならまだしも毎回だと流石の俺もおかしいなと思うし、他のクランメンバーの目が痛い。何故俺が睨まれなければならない!
「一緒にボス狩り行こうよ!」
今日はやめておくとメンバーの誘いを断った俺に話しかけて来るし。ぶっちゃけ、一緒に行っても足手まといなだけなんだよね。
みんなでわいわいいくのなら良い。足手まといとかそういうのはない。遠足みたいで楽しいから大好きだ。
しかし毎回毎回2人で行こうと誘う。嫌になって来た所に
「姫たんを独占すんじゃねーよ!」
「姫たんの誘いを断ってんじゃねーよ!」
と、言われたら誰でも嫌になるだろ?
「それが続いて見ろよ。引退したくなるだろう……」
「ご苦労様です」
ほんと、楽しく遊ぶ為のゲームでそんな苦労はしたくねーよ!
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