【完結】無能な魔法使いはそれでも愛でられる。

鏑木 うりこ

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 僕は久しぶりにしっかり人の顔を見た。濃い茶色の髪に、緑の瞳。アランと名乗ったその人は20歳くらいだろう。

 大きくなるにつれて僕の魔力は大きくなっていった。この魔力を使って魔法で無双でも出来れば良かったのだろうけど、小さい頃から地下に繋がれた僕は、上手に歩けるほど、足に筋肉がついていなかった。
 いや、足どころか全身ひ弱も良い所だった。本も与えられていないからどんな魔法があるかも分からない。

 色々な家に運ばれているようだった。そしてどこの家でも鎖に繋がれた。地下の時もあるし、地上の時もある。
 地上にいる時は多分精霊と呼ばれるものが話しかけてくれたので、少しだけこの世界を知る事が出来た。

 厄介な事はどんどん起こる、僕が大きくなってきたのだ。間違いなく僕は美形だ。そういうチートも付けてもらったからだ。そして僕は力が弱い。頭もぼーっとしている時が多い。

 顔もよく分からない男に初めてのし掛かられた時、気がついたらもう犯されていた。

「……あっ……っ」

 痛みが走って、何をされているか前世の知識で気づいてしまった。

「いや……っ」

「……!」

 僕の上で腰を振りたくっている男が何かを言っているが、くぐもって僕の耳には届かない。でも間違いなく淫らな言葉だろう。分からなくても良かったのかもしれない。
 しばらく激しく揺すぶられていたが、強く押し込まれたと思うと静かになった。いったんだろう。僕の中にたっぷりと中出しして。
 嫌だったけれど、感覚はほとんど感じなかった。それだけが救いだった。

 僕を犯した男達の顔は知らないし、何人と何回やったかも分からない。僕の体は汚れきっている。


 アランは僕の魔力を砕いたのだと言う。重くて苦しかった頭の重さが嘘のように消えて、音も聞こえるし、喋る事もできる。何より考える事がしっかり出来る様になった。

「もっと、中から砕きたい」

 アランは言い淀みながら言う。ああ、なるほど。こんな汚れた体を使って貰うのは気が引けるが……この魔力が溢れた重い体を解き放って欲しかった。
 だから、お願いした。なんとかして欲しいと。

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