【完結】無能な魔法使いはそれでも愛でられる。

鏑木 うりこ

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「もっと、奥、行きますよ」

「ありゃん、無理ぃ!こわいぃ……」

 もうさっきから、何度も何度も奥を抉られ続けている。この奥なんてないよ、アラン!

「大丈夫ですよ、セラス様の体は奥の奥をご存知ですから。そこにたっぷり出してあげます」

「ありゃん……無理ぃ……!」

「嘘でしょ?締まりましたよ?期待してるんでしょう?」

 そう、僕の体はいやらしい体だそうだ。お尻は男のモノを受け入れ易いように穴が縦に割れているとアランが撫でながら言っていた。
 僕はこの歳になるまで何人に抱かれたんだ?全然分からない。分からないのに、反応する自分の体が怖い。

「行きます、よっ」

「ひぃっ!」

 ぐっと腰を押さえつけられれば、もう逃げる事は出来ない。食事も運動も満足でなかった僕の体はとてもひ弱だ。

「やめてぇ!やめてぇ!あ!あゔっ!!」

「セラス…っセラス様、届きましたよ?」

「あ、ぅ、ひ」

 つよい、つよすぎる……もう、何もわからな、い

「奥、だします、よ」

「ひぐっ……」


「ああ、トンでる……可愛い……可愛い……俺のご主人様」



 目が覚めると、ベッドの上だった。体にベタつきはなくてスッキリしているから、風呂に入ったのか、丁寧に拭いてくれたのか。
 
「あ……」

 声は掠れて、ほとんどでないし、身体中重だるいけれど、意識はハッキリしていた。

 ああ、何年ぶりだろう。こんなにスッキリしているのは。キョロキョロと部屋の中を見回す。ここはたぶん、僕の部屋だ。
 僕の部屋として割り当てられている部屋だ。なんとなくぼんやりとだが、ここにずっと寝かされていた事は分かる。
 ほぼ何もない部屋。なんてつまらない。仕方がないか、僕は今まで呼吸をしてたまに瞬きする人形みたいな物だったんだもの。
 そんな生活が17.8年続いたんだ。僕は恐ろしくなる。一体これからどうすればいいのか、どうなるのか。

 何も知らない、5歳でほぼ止まっている僕は一体どうしたら良いのか。目の前が暗くなってゆく。

 その時、トントンとノックの音が聞こえ、返事を待たずにがちゃり、と人が入ってきた。無作法じゃないのかな?

「今日もお人形ちゃんのお世話かぁ。汚いわぁ」

「必要ないので出て行ってもらえます?」

「ひっ?!」

 掠れ掠れだけれども声は出た。このメイドは嫌いだ。というかメイドは全員嫌いだ。動けない僕を乱雑に扱う。ほとんどわからなかったとはいえ、強い痛みが与えられると何となく分かるのだ。
 それが何度も何度も続けば、わざとだと分かるし、嫌いにもなる。彼女らは僕を叩くし蹴飛ばす。
 流石に跡になるような事はしなかった。僕の無事を確かめるために人が来るのだ。その人がくる前日までの僕の扱いは酷い物だった。

 動かない喋らないはずの僕が喋ったのが、そんなに恐ろしかったのか、メイドは腰を抜かして後退りしている。

「早く出て行ってくれません?」

「ひいいいー!」

 悲鳴を上げながら、逃げ去った。何とか快適な暮らしを手に入れたいものだ。

「どうやったら、良いかな……」

 この溢れる魔力を処理していかないとまたぼんやりした人形に戻ってしまう。まず、魔力を減らしていく所から考えないといけなかった。


 
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