【完結】スキル「癒し」のみですがまだ生き残っています!

鏑木 うりこ

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たった一つしかないスキル

1 ハローばぶー俺

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「……ほにゃぁ……ほにゃ…あぁ」

 俺です。

「奥様! ああ、奥様ぁ!」
「いかん! 血が止まらん!」
「旦那様! 奥様が !奥様がーーー!」
「マリー?! しっかりするんだ! マリィーー!」

 俺です、俺。やっと狭くて苦しくて、息が吸える明るい場所に出たと思ったら、修羅場のようです。

「あ、あ…なた……最後に、わた、し、の……あか、ちゃん…あなたと、わた、しの、あか…ちゃ…ん……」
「おお、マリー! 最後などと言わんでくれ! 先生、早く赤ん坊を妻の所へ!」
「こちらでございますよ! 奥様! 立派なご子息様でございます!」
「ほにゃあ…… ほにゃぁ……」

 一応布に包まれているが、寒い。そんな俺は人の手を介し、「奥様」の所に運ばれた。そしてその胸の中にすっぽり収まる。

「ああ……私の可愛い子……」

 おお、あったかい! これは良い! 良い匂いもするぞ! 俺は気がついた。この人がお母さんだ! 俺のママン! ひゃーママン最高だね!

「もう……思い残す、ことは……ないわ……旦那様……わたくしの、愛する、ジュール。子供たちを……おねが、いし、ま」
「マリー!? 何を言うのだ?! この子の母はお前しかおらぬのだ! 何を、何を弱気な……ことを?!」

 医者は首を横に振る。出血は止まらず、顔色は青を通り越して、もう白い。
 死相というものが現れて、別れが透けて見える。

「嫌だ! マリー! 死ぬな、死ぬな! せっかくわだかまりが溶けたところではないか! 私は! 私はお前を愛している!」
「うれし……旦那さま……わた、しのジュール、さま……学園に、いた、頃よりお慕い、して……おりまし…た」

 ママンの手から力が抜ける。俺、落ちちゃう! ママンしっかりしてくれよ! 俺、赤ん坊だから受け身とれねーよ?

ほにゃあーママン起きてくれ

 ぽわん、俺から白っぽいような緑っぽいような優しい光が出てきた。なんだこれ?

「おお!? スキルの光?! 子爵殿、ご子息が!」
「それより、マリーが! マリーが死んでしまう!」
「しかし、もう手の施しようが……先生! 血が止まっております!」

「なんだと……!? 奥様の顔色が戻って参りました!」
「……奥様はご無事です! 眠っておられるようです……」

 周りはまだワイワイとうるさかったが、俺は急激に眠くなった。寝よう、それが良いおやすみ。わからん事だらけだが、明日の俺に任せるぜ。

おやすみなさい。



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