【完結】スキル「癒し」のみですがまだ生き残っています!

鏑木 うりこ

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たった一つしかないスキル

3 5歳になった俺

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 5歳になったんだぜ! 現代日本の前世の記憶を持ったまま、この世界に転生した俺、今の名前をヨシュア・セーブルと言います。以後よろしくー。

 産まれて間もなく死にかけたおかーちゃんのマリーちゃんをこの世に引き止めておくために発動したのがスキル。
 この世界、スキルが非常に大切でスキルの良し悪しで人生が決定すると言っても過言ではない。
 スキルは後天的につくものもあるが、やはり先天的についてくる「神からのギフト」と呼ばれるものが、強さもレア度も段違いだ。
 これが良い物であれば、人生は明るく、悪ければ真っ暗どん底。それくらいスキルは大切なものだった。

 その神からのギフトが発現するのが大体5歳くらいと言われている。その頃になると、子供達はみな教会で儀式を受けてスキルを鑑定してもらうのだ。

 5歳で将来決まっちゃうのはどうかと思うが、それがこの世界のルールなのだからしょうがない。

「ヨシュア、今日教会かい?」
「はい、アナベルお兄様。行ってくる予定です」
「そうか。ヨシュアはもう「癒し」が使えるからあとは何が発現するだろうね。とても楽しみだよ」

 そう、スキルは一つではないのだ。11歳のアナベル兄上は「剣聖」を筆頭に沢山のスキルを有している。「全武器使用」「カリスマ」「騎乗」などなど。既に騎士として城に仕える事が決まっているような有益なスキルの持ち主だった。

「そうねー。やっぱり人々を助けるスキルが発現しそうよね!」
「ルルカお姉様!」

 アナベルの後ろから顔を出したのは姉の9歳のルルカだ。この姉も「聖女」を筆頭に家族で一番スキル持ち。「聖結界」や「浄化」など凄いレアなスキルが山盛りだ。

「私は家を盛り立ててくれるようなものが良いです」
「カレル兄様!」

 7歳の兄貴2号は「賢者」持ちだが「商才」であり「経営」があるので、このセーブル子爵家を継ぐのがカレル兄上に決まっている。アナベル兄上は王宮に取られちゃうからね……。

「私と一緒に家を守ってくれれば良いなとおもいます!」
「あらあら……お話も良いけれど、もう時間よ、ヨシュア」
「お母様!」

 俺の力で元気になったマリーお母様は「慈愛」やら何やらのスキルがいっぱいある。でもまだまだ体が弱く、無理はさせられない。

「では行ってくるよ」
「はい、行ってらっしゃいませ!」

 俺と父と母は子爵家の馬車に乗りわくわくしながら教会へ向かった。




そして

「どうしてこうなった……」

 俺のスキルは「癒し」しかなかった。

「え」
「は?」
「うそ」


 奴隷の子供でも2.3個は持つスキルを俺は「癒し」のみだったのだ。


 え、なに……俺、詰んだ? ねぇ? 詰んだ? 詰んだの? 5歳にして……。

 熱を出して一週間ほど寝込んだが、スキルは増えなかった。

 そこは覚醒とかするところだろ?! ハードモード人生の幕開けであった。


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