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新しい土地
27 その夜
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「読んでやる」
ジュリアスさんは「優しいドラゴンと賢い子供」を片手に俺を招き寄せた。
それはどう見ても、眠れない小さな子供にする読み聞かせのようであった。
俺、そんなに子供じゃないですが……。
本の内容は平民の目立たない子供が、「識者」という賢者の格下のスキルを持って生まれた。
しかし、貧しくそのスキルを活かすことが出来ない。彼は家族が止めるのを振り切って知恵を授けてくれる伝説の白いドラゴンを探して旅をする。
幾多の困難と冒険を知恵で乗り切って、子供はついにドラゴンを見つけて、彼の元で修行をして「賢者」になり、人々を平和に導いた……そんな話だった。
確かに子供心をくすぐるし、スキルが上位のものに変わるなんて夢も大きい。
それよりもイージスの言葉が気になる
お前たちの助けになる
どういうことなんだろう。ぱたりと本の最後のページが閉じられ、裏表紙に目が行く。
……何かで汚れている。特別図書館の本なのに、汚れがあって良いのだろうか。
むしろ
「この本、特別図書館の本ですよね。持ってきて良かったんですか?」
「ああ、問題ない。元々この本は図書館の本じゃないんだ。昔、俺があそこに隠した」
「隠した……?」
訳ありなのか。イージスはそれも知っていて、俺に持たせたんだろうか?
「俺と兄上のお気に入りだったからな。イージス殿に見せられるまで、すっかり忘れていたよ」
裏表紙をそっと撫でる。汚れて茶色く変色しているそこは何か大切な思い出が詰まっているのだろうか。
あれ?兄上?貴族は大体、年齢順に継承権がある。兄上ならば、ジュリアスさんより身分が上であるはずなのに。この帝国の陛下はジュリアスさんだ。
兄上が生きてた頃か?
そう、100万ギルの魚の話をしていた時確かに言っていた。つまり、この本がお気に入りだったというジュリアスさんの兄上さんは亡くなっていると言うことだ。
「あの……そのお兄様は、もしかして」
「ああ、だいぶ前だがな。俺を庇って死んじまった……凄い兄上だったよ」
ジュリアスさんも弟だったんだ。少し親近感が湧いた。でも俺はお兄様が死んだらこんな風に生きて行けるだろうか。ジュリアスさんは凄い人なのかも知れない。
「寝ましたね」
「ああ」
奥に続く扉からレギルが俺を呼ぶ。執務室へ俺は向かった。
「で、どうだった?我が妃は」
「陛下、我が身に起こったことながら未だに信じられません。本当にあんなことが出来る人間がいるのでしょうか」
「いるだろ、俺のベッドで寝てるぞ?」
俺はふんと鼻を鳴らして、椅子に座った。明日ヨシュアとあそぶ為には仕事を片付けてしまわなければならない。
「お前が信じられないと駄々をこねるから芝居を打ってやったのに、ヨシュアが可哀想だろ?」
本当はあんなに派手にやるつもりはなかった。しかしあの女……公爵家の三女だったか。年齢が近いせいで婚約者候補として教育されていたはずだ。
まあ、すべて失格だ。妃としても、家臣としても。何がお父様だ、自分が婚約者候補の教育を受けているから、勘違いしたのか?残念だが「俺の特別」は1人しかいない。
ふふふ、書類仕事もはかどるというものだ!
「いや、そうですが……そうではなく!あー、いえ」
親衛隊長ダリウス・ウェルダートは頭の中身の30%は筋肉で出来ているであろう。残りの70%は石だ。石頭すぎて「男の子供が陛下の妻と絶対に認めない!」と、駄々をこねた。
実に下らない。あまりに人の話を聞かないので、一度殺すことにした。
「俺の命を聞けない奴は死ね!」
と、言ったら本当に死んだ訳だ。いや、死にかけたのだが。そしてまだこの不可思議で信じられない現象を起こす正妃予定の少年を、どう扱って良いのか悩んでいるのだ。
何せほとんど石なのだからな。
「ダリウス」
レギルと俺とダリウスはガキの頃からの親友だ。俺が皇帝なんかになったせいで、この2人には割りを食わせまくっている。
「ヨシュア様は良い子ですよ」
レギルは30%に分かりやすく話しかけた。
「あの子、「癒し」しかないので我々が守ってあげないとすぐ死んじゃいますよ。ダリウス、命の恩人でしょう?」
30%は悩んでいたが、石でできている70%はあの子の暖かさを覚えていたようだ。
「陛下、正妃様警護の件、このダリウス確かに拝命致しました。我が身に替えても陛下より正妃様を優先することを誓います」
「すまんな、こんな事はお前にしか頼めない」
「……帝国はあの子供にとって住み良い場所ではないでしょうしね」
そっと扉を開けて、茶色の頭を見る。ころりと寝返りを打って、まだあどけない顔が上を向いた。
「可愛いですね」
「やらんぞ?!」
哀れむような目はやめろ。
「女性ならばよりどりみどりの御身分なのに……どうして8歳の子供に懸想してしまったのか……しかも男の子ですよ」
「うるさい黙れ」
「騒がれると厄介なので、婚約者候補の教育は表向き続けておきますが本当に全く」
「俺は良いんだ。俺は子を成さない。お前らはしっかり後継ぎを差し出してこいよ」
レギルとダリウスは心底俺を馬鹿にしたような顔でみる。腹が立つ!
「ジュリアスに子供がいないのに私達だけ作れなんて横暴です、あーさすがは帝国の皇帝ですねー」
レギルが鼻で笑う。
「そうだな、ヨシュア様がジュリアスの子でも産んだら我々も嫁でも貰うか?」
石のくせに上手いこと言いやがる。
「お前ら相当阿呆だろう?」
「お前に言われたくない」
阿呆でなければ帝国の皇帝なんて、難儀なことをやってないぜ。
「あーーヨシュアの横で寝たい。ヨシュアは寝ながらでも玉出してるんだぜ?母親の為なんだろうなー」
積まれた書類に目を落とす。今日も分厚いな。
「玉か。あれは凄まじいな、本人はケロっとしてるし。ジュリアスは阿呆だが、あの子を見つけてきたのは褒めてやらねばならんな」
そうだろうそうだろう!しかも自分になんの関わりもない死にかけを汚れながら助けてやる優しさ。
まあ、絶対に捨ておかないだろうと思ったからこその芝居だった訳だが。
あそこでヨシュアがダリウスを助けなかったら、俺は皇帝としても親友としても人としても死んでいたがな。
賭けたものは大きかったが、見返りも大きい。友の心は大きすぎる見返りだ。
「さすが、俺のヨシュアだ」
「早く認めて貰えるといいですねー何せ今は「え、やだ」ですから」
にやり、と分厚い書類の束を差し出してレギルは笑う。
「なんだ!お前、相手にされてないのか!エブルイース皇帝を振るのか!あの8歳は!」
「う、うるせーーー!俺は絶対に諦めない男なんだからな!」
くそ!ヨシュアの奴、俺のどこが気に入らないんだ!俺はお前が大好きだぞ!
「ははは!気に入った!やはり帝国の正妃たるもの、そうでなければならん!」
手のひら返しやがったな!この石頭!
「レギル、なんだその「え、やだ」は。詳しく話せよ。美味い酒が飲めそうだ」
「ふふふ……もちろんですよ…!」
やめろ!コラ!言うな!
「陛下は翡翠鮎の件でたっぷりお説教が必要ですからね……!お伝えしたことがあると思いますが、翡翠鮎はかの霊峰より流れ出た清流に生まれて、生きているうちは翡翠の如く美しく、泳ぐ宝石と……」
「うわあぁああーー」
俺は一晩中書類を書きながら、レギルに説教された。ちなみにダリウスも食った事があるのを思い出して、道連れを確保してやったぜ!ふふん。
ジュリアスさんは「優しいドラゴンと賢い子供」を片手に俺を招き寄せた。
それはどう見ても、眠れない小さな子供にする読み聞かせのようであった。
俺、そんなに子供じゃないですが……。
本の内容は平民の目立たない子供が、「識者」という賢者の格下のスキルを持って生まれた。
しかし、貧しくそのスキルを活かすことが出来ない。彼は家族が止めるのを振り切って知恵を授けてくれる伝説の白いドラゴンを探して旅をする。
幾多の困難と冒険を知恵で乗り切って、子供はついにドラゴンを見つけて、彼の元で修行をして「賢者」になり、人々を平和に導いた……そんな話だった。
確かに子供心をくすぐるし、スキルが上位のものに変わるなんて夢も大きい。
それよりもイージスの言葉が気になる
お前たちの助けになる
どういうことなんだろう。ぱたりと本の最後のページが閉じられ、裏表紙に目が行く。
……何かで汚れている。特別図書館の本なのに、汚れがあって良いのだろうか。
むしろ
「この本、特別図書館の本ですよね。持ってきて良かったんですか?」
「ああ、問題ない。元々この本は図書館の本じゃないんだ。昔、俺があそこに隠した」
「隠した……?」
訳ありなのか。イージスはそれも知っていて、俺に持たせたんだろうか?
「俺と兄上のお気に入りだったからな。イージス殿に見せられるまで、すっかり忘れていたよ」
裏表紙をそっと撫でる。汚れて茶色く変色しているそこは何か大切な思い出が詰まっているのだろうか。
あれ?兄上?貴族は大体、年齢順に継承権がある。兄上ならば、ジュリアスさんより身分が上であるはずなのに。この帝国の陛下はジュリアスさんだ。
兄上が生きてた頃か?
そう、100万ギルの魚の話をしていた時確かに言っていた。つまり、この本がお気に入りだったというジュリアスさんの兄上さんは亡くなっていると言うことだ。
「あの……そのお兄様は、もしかして」
「ああ、だいぶ前だがな。俺を庇って死んじまった……凄い兄上だったよ」
ジュリアスさんも弟だったんだ。少し親近感が湧いた。でも俺はお兄様が死んだらこんな風に生きて行けるだろうか。ジュリアスさんは凄い人なのかも知れない。
「寝ましたね」
「ああ」
奥に続く扉からレギルが俺を呼ぶ。執務室へ俺は向かった。
「で、どうだった?我が妃は」
「陛下、我が身に起こったことながら未だに信じられません。本当にあんなことが出来る人間がいるのでしょうか」
「いるだろ、俺のベッドで寝てるぞ?」
俺はふんと鼻を鳴らして、椅子に座った。明日ヨシュアとあそぶ為には仕事を片付けてしまわなければならない。
「お前が信じられないと駄々をこねるから芝居を打ってやったのに、ヨシュアが可哀想だろ?」
本当はあんなに派手にやるつもりはなかった。しかしあの女……公爵家の三女だったか。年齢が近いせいで婚約者候補として教育されていたはずだ。
まあ、すべて失格だ。妃としても、家臣としても。何がお父様だ、自分が婚約者候補の教育を受けているから、勘違いしたのか?残念だが「俺の特別」は1人しかいない。
ふふふ、書類仕事もはかどるというものだ!
「いや、そうですが……そうではなく!あー、いえ」
親衛隊長ダリウス・ウェルダートは頭の中身の30%は筋肉で出来ているであろう。残りの70%は石だ。石頭すぎて「男の子供が陛下の妻と絶対に認めない!」と、駄々をこねた。
実に下らない。あまりに人の話を聞かないので、一度殺すことにした。
「俺の命を聞けない奴は死ね!」
と、言ったら本当に死んだ訳だ。いや、死にかけたのだが。そしてまだこの不可思議で信じられない現象を起こす正妃予定の少年を、どう扱って良いのか悩んでいるのだ。
何せほとんど石なのだからな。
「ダリウス」
レギルと俺とダリウスはガキの頃からの親友だ。俺が皇帝なんかになったせいで、この2人には割りを食わせまくっている。
「ヨシュア様は良い子ですよ」
レギルは30%に分かりやすく話しかけた。
「あの子、「癒し」しかないので我々が守ってあげないとすぐ死んじゃいますよ。ダリウス、命の恩人でしょう?」
30%は悩んでいたが、石でできている70%はあの子の暖かさを覚えていたようだ。
「陛下、正妃様警護の件、このダリウス確かに拝命致しました。我が身に替えても陛下より正妃様を優先することを誓います」
「すまんな、こんな事はお前にしか頼めない」
「……帝国はあの子供にとって住み良い場所ではないでしょうしね」
そっと扉を開けて、茶色の頭を見る。ころりと寝返りを打って、まだあどけない顔が上を向いた。
「可愛いですね」
「やらんぞ?!」
哀れむような目はやめろ。
「女性ならばよりどりみどりの御身分なのに……どうして8歳の子供に懸想してしまったのか……しかも男の子ですよ」
「うるさい黙れ」
「騒がれると厄介なので、婚約者候補の教育は表向き続けておきますが本当に全く」
「俺は良いんだ。俺は子を成さない。お前らはしっかり後継ぎを差し出してこいよ」
レギルとダリウスは心底俺を馬鹿にしたような顔でみる。腹が立つ!
「ジュリアスに子供がいないのに私達だけ作れなんて横暴です、あーさすがは帝国の皇帝ですねー」
レギルが鼻で笑う。
「そうだな、ヨシュア様がジュリアスの子でも産んだら我々も嫁でも貰うか?」
石のくせに上手いこと言いやがる。
「お前ら相当阿呆だろう?」
「お前に言われたくない」
阿呆でなければ帝国の皇帝なんて、難儀なことをやってないぜ。
「あーーヨシュアの横で寝たい。ヨシュアは寝ながらでも玉出してるんだぜ?母親の為なんだろうなー」
積まれた書類に目を落とす。今日も分厚いな。
「玉か。あれは凄まじいな、本人はケロっとしてるし。ジュリアスは阿呆だが、あの子を見つけてきたのは褒めてやらねばならんな」
そうだろうそうだろう!しかも自分になんの関わりもない死にかけを汚れながら助けてやる優しさ。
まあ、絶対に捨ておかないだろうと思ったからこその芝居だった訳だが。
あそこでヨシュアがダリウスを助けなかったら、俺は皇帝としても親友としても人としても死んでいたがな。
賭けたものは大きかったが、見返りも大きい。友の心は大きすぎる見返りだ。
「さすが、俺のヨシュアだ」
「早く認めて貰えるといいですねー何せ今は「え、やだ」ですから」
にやり、と分厚い書類の束を差し出してレギルは笑う。
「なんだ!お前、相手にされてないのか!エブルイース皇帝を振るのか!あの8歳は!」
「う、うるせーーー!俺は絶対に諦めない男なんだからな!」
くそ!ヨシュアの奴、俺のどこが気に入らないんだ!俺はお前が大好きだぞ!
「ははは!気に入った!やはり帝国の正妃たるもの、そうでなければならん!」
手のひら返しやがったな!この石頭!
「レギル、なんだその「え、やだ」は。詳しく話せよ。美味い酒が飲めそうだ」
「ふふふ……もちろんですよ…!」
やめろ!コラ!言うな!
「陛下は翡翠鮎の件でたっぷりお説教が必要ですからね……!お伝えしたことがあると思いますが、翡翠鮎はかの霊峰より流れ出た清流に生まれて、生きているうちは翡翠の如く美しく、泳ぐ宝石と……」
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