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魔のモノ
52 ビッグウェーブに乗る
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「魔王!生意気に人間どもが攻めて来たぜ?」
王宮で大地を呪う方法の講義を受けていた所にレウリルさんがやって来た。
大きな声で何故か嬉しそうなのが不思議だ。
「殺して良いよな!」
「構わん」
やり取りは短かったが、俺は複雑だ。レウリルさんが闘う相手は人間だ。そしてレウリルさんの仲間は俺が怪我を治した魔獣人達だ。
「ヨシュア、この流れは複雑だな」
「……はい」
あの時は死にたくない一心でできる事をした。そしてとても喜ばれたと思う。
しかし、そのせいで人間が死ぬのだろう。魔獣人はとても強い。
今日も俺は魔王の隣にいた。元マロードの王の間、玉座に魔王が座り、その隣に小さめな椅子が置かれていて、俺はそこに腰を下ろしている。
今日も魔王の話を聞いている。意外と魔王は講義が好きだ。
「王よ!」
大きな扉が開かれる。
「人間がこの城に攻めてきた!」
「ほう?人間ごときに獣魔人が遅れを取ったのか?」
マロードは椅子に座ったままだが、機嫌は悪くなった。最近ずっとそばにいるせいか、魔王の心の機微に気付くようになっている。
「それが……あいつら、妙に攻撃はいえぇし、防御はかてぇし。近寄ると気持ち悪いし。何か違うぞ」
「だが、人間だろう!」
「そ、そうなんだが……!もう近くまで来てんだ」
魔王の機嫌は真っ逆さまだ。
「お前達は一体なんの為にいると思っているんだ?煩わしい有象無象を払うためだぞ?役に立たないのなら、処分するぞ!」
イライラと不機嫌を募らせる魔王と、隣に座る俺の耳にもそのやけに強い人間の声が聞こえた。
がたり!俺は椅子を倒して立ち上がる。
だって、この声は!
「お父様!!!!」
「ヨシュア!!!こっちか!」
開け放たれたままの扉から、人が飛び込んで来た!お父様!!
「ヨシュア!無事かーーー!あ?」
「おと……違う……」
感動の再会をしたのは
「ヨシュアか?!?!?!」
「ジュリアスさん…お父様は?!」
ジュリアスさんの後ろから走り込んで来る!
「お父様!!」
「ヨシュア!!」
今度こそ本物のお父様だ!以前より、痩せておられる気がするが、眼光は鋭い。剣を手に持ち、あちこち怪我をしているようだ。お父様!ご無事で良かった!
「ヨシュアだな!!」
「はい!お父様!私です!」
「ヨシュア!」「ヨシュア!どこ?!」「ヨシュアーーー!」
お兄様とお姉様の声がする。
「ここです!私はここです!!」
「ヨシュアーー!俺だー!」
レンだ!レンの声もする!
「レン!こっち!!」
黒い弾丸のように猫が走り込んでくる。
「ヨシュア!ヨシュア!無事だったッスか?!!!うお!ヨシュア!成長期ッスね!めちゃでかくなってるッス!」
「レン!良かった、レンなら分かってくれるって信じてた!」
ぽろ、ぽろぽろ、溢れる。
「大丈夫!皆んな分かるッスよ!ちょびっと大きくなってもヨシュアはヨシュアッス!」
レンの言葉に胸が熱くなる。ぽろぽろ、ぽろぽろ。
「ちょっと待つッスよ!さあ!ジュリー!ヨシュアを取り戻すッス……うわああああ!!誰にやられたッスかーーーーー?!」
ぼた、ぼだだだだだ…!ジュリアスさんはいつの間にか血塗れになっている!ひい!大怪我?!どこで?!
「よ、ヨシュア、ヨシュアだ、よな?何、ど、したの?その姿……」
「そんな事はどうでも良いじゃないですか!お父様!お兄様!お姉様あ!!!」
久しぶりに家族と会えた!レンとも会えた!嬉しい!皆んな無事だった!嬉しい!嬉しい!嬉しい!!
「ジュリー!しっかりするッス!魔王を倒してヨシュアを助けるンス!ジュリーの勇者修行の成果を見せる時ッス!」
「いや、待てレン。ヨシュアは一体どうしたんだ?14か15くらいか?可愛すぎないか?可憐過ぎないか?モロ好みすぎじゃねぇか?何あの笑顔!天使?天使?大天使?むしろ神?女神様かな?俺、ジュールにしごかれ過ぎて死んだ?召された?幻覚なの?幻影なの?俺の妄想が作り出した完璧なる花嫁なの?そうなのか??ああ!駄目、駄目だ!も、もう!耐えられん!あああ!ヨシュアヨシュアヨシュア!俺の命!俺の全て!は、早く、こここここの手にににににににいいいいいいーーーー!」
ぶばぁああーーっと血の噴水を作り上げる。
「げっ?!鼻血?!ジュリー!何やってンスか!ヨシュアを!ヨシュアを!……ヨシュア?」
「みんな、みんな……」
久しぶりの家族の顔に感極まった俺は……
「皆んなあああーーーー!」
ぼろぼろぼろ…ドドドドドド……!
どっぱーーん!!
「た、玉のビッグウェーブやああああーーー!」
「ヨシュアあああーー!」
「うわーーー!ちょっとおおお!」
「て、撤退ッスーーー!戦略的撤退ッスーーーーヨシュアあーーすぐ来るからなーーー!」
「あ……」
今まで出なかった分を差し引いても余りあるくらいの玉を生産して……玉の大津波に乗せて、全員を押し流してしまった。
ふわふわと優しい色合いだが、激流に残った者は俺と、俺の後ろ側にいた魔王様だけだった。
「……」
「……な、なんだか…とても……すいません」
とりあえず謝っておいた。俺は助けを自分で台無しにしてしまった……。こんなビッグウェーブ要らないよ……。
王宮で大地を呪う方法の講義を受けていた所にレウリルさんがやって来た。
大きな声で何故か嬉しそうなのが不思議だ。
「殺して良いよな!」
「構わん」
やり取りは短かったが、俺は複雑だ。レウリルさんが闘う相手は人間だ。そしてレウリルさんの仲間は俺が怪我を治した魔獣人達だ。
「ヨシュア、この流れは複雑だな」
「……はい」
あの時は死にたくない一心でできる事をした。そしてとても喜ばれたと思う。
しかし、そのせいで人間が死ぬのだろう。魔獣人はとても強い。
今日も俺は魔王の隣にいた。元マロードの王の間、玉座に魔王が座り、その隣に小さめな椅子が置かれていて、俺はそこに腰を下ろしている。
今日も魔王の話を聞いている。意外と魔王は講義が好きだ。
「王よ!」
大きな扉が開かれる。
「人間がこの城に攻めてきた!」
「ほう?人間ごときに獣魔人が遅れを取ったのか?」
マロードは椅子に座ったままだが、機嫌は悪くなった。最近ずっとそばにいるせいか、魔王の心の機微に気付くようになっている。
「それが……あいつら、妙に攻撃はいえぇし、防御はかてぇし。近寄ると気持ち悪いし。何か違うぞ」
「だが、人間だろう!」
「そ、そうなんだが……!もう近くまで来てんだ」
魔王の機嫌は真っ逆さまだ。
「お前達は一体なんの為にいると思っているんだ?煩わしい有象無象を払うためだぞ?役に立たないのなら、処分するぞ!」
イライラと不機嫌を募らせる魔王と、隣に座る俺の耳にもそのやけに強い人間の声が聞こえた。
がたり!俺は椅子を倒して立ち上がる。
だって、この声は!
「お父様!!!!」
「ヨシュア!!!こっちか!」
開け放たれたままの扉から、人が飛び込んで来た!お父様!!
「ヨシュア!無事かーーー!あ?」
「おと……違う……」
感動の再会をしたのは
「ヨシュアか?!?!?!」
「ジュリアスさん…お父様は?!」
ジュリアスさんの後ろから走り込んで来る!
「お父様!!」
「ヨシュア!!」
今度こそ本物のお父様だ!以前より、痩せておられる気がするが、眼光は鋭い。剣を手に持ち、あちこち怪我をしているようだ。お父様!ご無事で良かった!
「ヨシュアだな!!」
「はい!お父様!私です!」
「ヨシュア!」「ヨシュア!どこ?!」「ヨシュアーーー!」
お兄様とお姉様の声がする。
「ここです!私はここです!!」
「ヨシュアーー!俺だー!」
レンだ!レンの声もする!
「レン!こっち!!」
黒い弾丸のように猫が走り込んでくる。
「ヨシュア!ヨシュア!無事だったッスか?!!!うお!ヨシュア!成長期ッスね!めちゃでかくなってるッス!」
「レン!良かった、レンなら分かってくれるって信じてた!」
ぽろ、ぽろぽろ、溢れる。
「大丈夫!皆んな分かるッスよ!ちょびっと大きくなってもヨシュアはヨシュアッス!」
レンの言葉に胸が熱くなる。ぽろぽろ、ぽろぽろ。
「ちょっと待つッスよ!さあ!ジュリー!ヨシュアを取り戻すッス……うわああああ!!誰にやられたッスかーーーーー?!」
ぼた、ぼだだだだだ…!ジュリアスさんはいつの間にか血塗れになっている!ひい!大怪我?!どこで?!
「よ、ヨシュア、ヨシュアだ、よな?何、ど、したの?その姿……」
「そんな事はどうでも良いじゃないですか!お父様!お兄様!お姉様あ!!!」
久しぶりに家族と会えた!レンとも会えた!嬉しい!皆んな無事だった!嬉しい!嬉しい!嬉しい!!
「ジュリー!しっかりするッス!魔王を倒してヨシュアを助けるンス!ジュリーの勇者修行の成果を見せる時ッス!」
「いや、待てレン。ヨシュアは一体どうしたんだ?14か15くらいか?可愛すぎないか?可憐過ぎないか?モロ好みすぎじゃねぇか?何あの笑顔!天使?天使?大天使?むしろ神?女神様かな?俺、ジュールにしごかれ過ぎて死んだ?召された?幻覚なの?幻影なの?俺の妄想が作り出した完璧なる花嫁なの?そうなのか??ああ!駄目、駄目だ!も、もう!耐えられん!あああ!ヨシュアヨシュアヨシュア!俺の命!俺の全て!は、早く、こここここの手にににににににいいいいいいーーーー!」
ぶばぁああーーっと血の噴水を作り上げる。
「げっ?!鼻血?!ジュリー!何やってンスか!ヨシュアを!ヨシュアを!……ヨシュア?」
「みんな、みんな……」
久しぶりの家族の顔に感極まった俺は……
「皆んなあああーーーー!」
ぼろぼろぼろ…ドドドドドド……!
どっぱーーん!!
「た、玉のビッグウェーブやああああーーー!」
「ヨシュアあああーー!」
「うわーーー!ちょっとおおお!」
「て、撤退ッスーーー!戦略的撤退ッスーーーーヨシュアあーーすぐ来るからなーーー!」
「あ……」
今まで出なかった分を差し引いても余りあるくらいの玉を生産して……玉の大津波に乗せて、全員を押し流してしまった。
ふわふわと優しい色合いだが、激流に残った者は俺と、俺の後ろ側にいた魔王様だけだった。
「……」
「……な、なんだか…とても……すいません」
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