21 / 71
人族の街
21 普通の冒険者
俺は朝から街から出て、森へ来ていた。
「はあ…なかなかたまらなーい」
ぷちり、ぷちりと薬草を摘んで行く。薬草摘みは苦手な作業の1つだ。地味だし、なかなか採れない。この辺りは土地が痩せているから、質の良い草が少ない。
低級の冒険者も薬草摘みより、魔物狩りの方に皆行ってしまう。そっちの方が稼ぎが良いもんな。だからいつまでたってもポーションは在庫切れだし、薬師はへっぽこばっかりだ。
いてて、と腰を伸ばして一休みする。今日は朝から1人で薬草摘みに来ていた。材料が無ければ薬は作れないのだ!
「あーそろそろかー?」
一旦手を止め、辺りを捜索する。おお、落ちてる落ちてる。
ビクビクと足や首を痙攣させながら、動物や魔物がゴロゴロと転がっている。
「揮発性の麻痺毒、効き目良いじゃない!」
腰から下げた袋には、無臭ながらやば目の効果が出る毒が仕込んである。採取の邪魔だから、魔物なんかを寄せ付けない為に用意したのだが、これが中々良い収穫になるのだ。
麻痺して動けない兎にとどめを刺し、アイテムボックスに放り込む。毒性があるものは慎重に取り扱い、後で抽出する。街のそばの森に現れる魔物でも、中々良い毒を持っている奴もいる。
「この麻痺毒だってその辺のクモだもんなー。」
クモに感謝しつつ、副産物を集める。副産物の方がたくさん集まるやつな!ついでに言うと…土地が痩せている上に、魔物が多く嫌な血や魔力が流れるので…
「おお、マンドラゴラ~!」
耳栓をつけてそっと掘り起こす。
「おー可愛いでちゅねー!」
そーっとそーっと慎重に掘り出して、良いところまで出したら気づかれる前に麻痺針を一発。黒狼も転がすレベルだから、マンドラゴラなど叫ぶ前に回収だ。
あとは活け締めにして美味しく調合させていただく!絶望に満ちた顔でこっちを見ても遅いんだぜ、へへへ…!
薬草のより魔法種や毒草の方がたくさん手に入る。楽しい!
昼飯に用意してきたパンを食べ、茶を飲み夕暮れ近くまで草むしりに勤しむ。1週間は持つくらいの薬草は集まった。持っててよかった、アイテムボックス。
忘れずに麻痺袋を外し、門番さんに挨拶をして街へ戻る。冒険者ギルドに顔を出し、家に帰る。普通の冒険者と変わらない。全く普通だ。
アホに巻き込まれたせいでしばらく毒薬屋さんは休業で、貧民街にも居られなくなった俺は、オヤジの口利きで普通の下町に家を借りて、普通の冒険者として生活する事になった。
普通、すごく普通!ただ、どうしても毒を扱う事があるので、地下室付きの家にしてもらった。バレると厄介な事は土の下が最高だろ?
だから俺は今は冒険者の薬屋のシュガーなのだ、ふふん。途中で夕飯を買い、家に帰る。普通の家が俺を待っている。
「……」
誰も居ないはずの家のベッドで、何故かトビーが半分ずり落ちて寝ていた。何故かな?しばらく身を潜めるから、一緒に行動する意味なんでないのに。オヤジから依頼された仕事を、こなしてさえいれば自由なもんだから別にいいのか?
ほっといて地下工房に向かおうとすると手を引かれ、ベッドに押し倒される。本当に暗殺者系は身のこなしが良すぎて対応にこまる。
「どうした?」
「なぐさめて」
頭をなでなでしてやる。青い目を薄く細めてトビーは俺の上に乗っている。触れ合った所が暖かいから、まだお互いに生きている事を実感できる。
何があったのか、どうしたのか聞くのは意味がない。何かあったから、どうかしたから心が疲れたのだろう。
昨日、眠りながらすぐ死ねる甘い毒を売ってくれと言われて、安くはないとっておきを1本売ったこともどうでもいい事だ。ただ何かで疲れた、それでいい。
トビーを腹の上に乗せたまま、久々のフィールドワークでクタクタの俺はそのまま眠ってしまった。
「はあ…なかなかたまらなーい」
ぷちり、ぷちりと薬草を摘んで行く。薬草摘みは苦手な作業の1つだ。地味だし、なかなか採れない。この辺りは土地が痩せているから、質の良い草が少ない。
低級の冒険者も薬草摘みより、魔物狩りの方に皆行ってしまう。そっちの方が稼ぎが良いもんな。だからいつまでたってもポーションは在庫切れだし、薬師はへっぽこばっかりだ。
いてて、と腰を伸ばして一休みする。今日は朝から1人で薬草摘みに来ていた。材料が無ければ薬は作れないのだ!
「あーそろそろかー?」
一旦手を止め、辺りを捜索する。おお、落ちてる落ちてる。
ビクビクと足や首を痙攣させながら、動物や魔物がゴロゴロと転がっている。
「揮発性の麻痺毒、効き目良いじゃない!」
腰から下げた袋には、無臭ながらやば目の効果が出る毒が仕込んである。採取の邪魔だから、魔物なんかを寄せ付けない為に用意したのだが、これが中々良い収穫になるのだ。
麻痺して動けない兎にとどめを刺し、アイテムボックスに放り込む。毒性があるものは慎重に取り扱い、後で抽出する。街のそばの森に現れる魔物でも、中々良い毒を持っている奴もいる。
「この麻痺毒だってその辺のクモだもんなー。」
クモに感謝しつつ、副産物を集める。副産物の方がたくさん集まるやつな!ついでに言うと…土地が痩せている上に、魔物が多く嫌な血や魔力が流れるので…
「おお、マンドラゴラ~!」
耳栓をつけてそっと掘り起こす。
「おー可愛いでちゅねー!」
そーっとそーっと慎重に掘り出して、良いところまで出したら気づかれる前に麻痺針を一発。黒狼も転がすレベルだから、マンドラゴラなど叫ぶ前に回収だ。
あとは活け締めにして美味しく調合させていただく!絶望に満ちた顔でこっちを見ても遅いんだぜ、へへへ…!
薬草のより魔法種や毒草の方がたくさん手に入る。楽しい!
昼飯に用意してきたパンを食べ、茶を飲み夕暮れ近くまで草むしりに勤しむ。1週間は持つくらいの薬草は集まった。持っててよかった、アイテムボックス。
忘れずに麻痺袋を外し、門番さんに挨拶をして街へ戻る。冒険者ギルドに顔を出し、家に帰る。普通の冒険者と変わらない。全く普通だ。
アホに巻き込まれたせいでしばらく毒薬屋さんは休業で、貧民街にも居られなくなった俺は、オヤジの口利きで普通の下町に家を借りて、普通の冒険者として生活する事になった。
普通、すごく普通!ただ、どうしても毒を扱う事があるので、地下室付きの家にしてもらった。バレると厄介な事は土の下が最高だろ?
だから俺は今は冒険者の薬屋のシュガーなのだ、ふふん。途中で夕飯を買い、家に帰る。普通の家が俺を待っている。
「……」
誰も居ないはずの家のベッドで、何故かトビーが半分ずり落ちて寝ていた。何故かな?しばらく身を潜めるから、一緒に行動する意味なんでないのに。オヤジから依頼された仕事を、こなしてさえいれば自由なもんだから別にいいのか?
ほっといて地下工房に向かおうとすると手を引かれ、ベッドに押し倒される。本当に暗殺者系は身のこなしが良すぎて対応にこまる。
「どうした?」
「なぐさめて」
頭をなでなでしてやる。青い目を薄く細めてトビーは俺の上に乗っている。触れ合った所が暖かいから、まだお互いに生きている事を実感できる。
何があったのか、どうしたのか聞くのは意味がない。何かあったから、どうかしたから心が疲れたのだろう。
昨日、眠りながらすぐ死ねる甘い毒を売ってくれと言われて、安くはないとっておきを1本売ったこともどうでもいい事だ。ただ何かで疲れた、それでいい。
トビーを腹の上に乗せたまま、久々のフィールドワークでクタクタの俺はそのまま眠ってしまった。
あなたにおすすめの小説
王様お許しください
nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。
気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。
性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。
寄るな。触るな。近付くな。
きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。
頭を打って?
病気で生死を彷徨って?
いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。
見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。
シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。
しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。
ーーーーーーーーーーー
初めての投稿です。
結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。
※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。
弟のために悪役になる!~ヒロインに会うまで可愛がった結果~
荷居人(にいと)
BL
BL大賞20位。読者様ありがとうございました。
弟が生まれた日、足を滑らせ、階段から落ち、頭を打った俺は、前世の記憶を思い出す。
そして知る。今の自分は乙女ゲーム『王座の証』で平凡な顔、平凡な頭、平凡な運動能力、全てに置いて普通、全てに置いて完璧で優秀な弟はどんなに後に生まれようと次期王の継承権がいく、王にふさわしい赤の瞳と黒髪を持ち、親の愛さえ奪った弟に恨みを覚える悪役の兄であると。
でも今の俺はそんな弟の苦労を知っているし、生まれたばかりの弟は可愛い。
そんな可愛い弟が幸せになるためにはヒロインと結婚して王になることだろう。悪役になれば死ぬ。わかってはいるが、前世の後悔を繰り返さないため、将来処刑されるとわかっていたとしても、弟の幸せを願います!
・・・でもヒロインに会うまでは可愛がってもいいよね?
本編は完結。番外編が本編越えたのでタイトルも変えた。ある意味間違ってはいない。可愛がらなければ番外編もないのだから。
そしてまさかのモブの恋愛まで始まったようだ。
お気に入り1000突破は私の作品の中で初作品でございます!ありがとうございます!
2018/10/10より章の整理を致しました。ご迷惑おかけします。
2018/10/7.23時25分確認。BLランキング1位だと・・・?
2018/10/24.話がワンパターン化してきた気がするのでまた意欲が湧き、書きたいネタができるまでとりあえず完結といたします。
2018/11/3.久々の更新。BL小説大賞応募したので思い付きを更新してみました。
嘘はいっていない
コーヤダーイ
BL
討伐対象である魔族、夢魔と人の間に生まれた男の子サキは、半分の血が魔族ということを秘密にしている。しかしサキにはもうひとつ、転生者という誰にも言えない秘密があった。
バレたら色々面倒そうだから、一生ひっそりと地味に生きていく予定である。
【完結】転生した悪役令息は、お望み通り近付きません
カシナシ
BL
「お前など、愛す価値もない」
ディディア・ファントム侯爵令息が階段から落ちる時見たのは、婚約者が従兄弟を抱きしめている姿。
(これって、ディディアーーBLゲームの悪役令息じゃないか!)
妹の笑顔を見るためにやりこんでいたBLゲーム。引くほどレベルを上げた主人公のスキルが、なぜかディディアに転生してそのまま引き継いでいる。
スキルなしとして家族に『失敗作』と蔑まれていたのは、そのスキルのレベルが高すぎたかららしい。
スキルと自分を取り戻したディディアは、婚約者を追いかけまわすのを辞め、自立に向けて淡々と準備をする。
もちろん元婚約者と従兄弟には近付かないので、絡んでこないでいただけます?
十万文字程度。
3/7 完結しました!
※主人公:マイペース美人受け
※女性向けHOTランキング1位、ありがとうございました。完結までの12日間に渡り、ほとんど2〜5位と食い込めた作品となりました!あああありがとうございます……!。゚(゚´Д`゚)゚。
たくさんの閲覧、イイね、エール、感想は、作者の血肉になります……!(o´ω`o)ありがとうございます!(●′ω`人′ω`●)
ボスルートがあるなんて聞いてない!
雪
BL
夜寝て、朝起きたらサブ垢の姿でゲームの世界に!?
キャラメイクを終え、明日から早速遊ぼうとベッドに入ったはず。
それがどうして外に!?しかも森!?ここどこだよ!
ゲームとは違う動きをするも、なんだかんだゲーム通りに進んでしまい....?
あれ?お前ボスキャラじゃなかったっけ?
不器用イケメン×楽観的イケメン(中身モブ)
※更新遅め
雪解けに愛を囁く
ノルねこ
BL
平民のアルベルトに試験で負け続けて伯爵家を廃嫡になったルイス。
しかしその試験結果は歪められたものだった。
実はアルベルトは自分の配偶者と配下を探すため、身分を偽って学園に通っていたこの国の第三王子。自分のせいでルイスが廃嫡になってしまったと後悔するアルベルトは、同級生だったニコラスと共にルイスを探しはじめる。
好きな態度を隠さない王子様×元伯爵令息(現在は酒場の店員)
前・中・後プラスイチャイチャ回の、全4話で終了です。
別作品(俺様BL声優)の登場人物と名前は同じですが別人です! 紛らわしくてすみません。
小説家になろうでも公開中。