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30 パトリシアの楽しい日々
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私とリオネル様のお付き合いはミズリー家の全員に温かく厳しく見守られながら清く正しく続いている。
「パトリシア……ごめんね、君の意見が聞きたくて」
「もちろんです、リオネル様」
「まだ婚約者なのに、妹を働かせようなんて紳士のすることじゃないぞ! リオネル」
「フランソル、しかしこの農園のアドバイスが欲しくて……」
「実は私もその農園については解決策を知りたいなあ」
「兄上まで!」
ミズリー家には義兄が二人いて、下のフランソルお兄様がリオネル様とお年が一緒なのでとても仲がよいのです。
「学生の頃、やんちゃばっかりやってたリオネルが、爵位を継ぐなんてねえ~」
「フランソルだって適当にチャラチャラしてたのに、今じゃしっかり家の手伝いをしてるじゃないか」
「そりゃ可愛い妹に呆れられたくないからなー」
「私だって可愛い婚約者に嫌われたくない」
「フランソルとリオネルがしっかりしてくれただけでウチもフォルブラウ家も感謝してもし足りないよなあ」
私は苦笑するしかなかったが、実際にフォルブラウ侯爵様と奥様がやってきて、私の手を取って喜んでくださったのを思い出していた。
「それくらいフランソルとリオネルはやんちゃでさあ~ここまで更生したのがはほんと全部パトシリアのお陰だよ」
上のお兄様であるオルヴィルお義兄様にフランソルお兄様とリオネル様は鋭い視線を投げつけている。
「兄上、やめてくださいよ。パトリシアの前で!」
「そうですよ、オルヴィル。私だって掘り返されたくないんですから!」
そんな風にいうから、きっとこれは真実なんだろうなあと思うけれど、二人とも私に知られたくないようなので、知らないで置こうと決めている。誰にだって知られたくない過去くらいあるだろうし。
「ま、いいけどね。二人が何か悪さしたらその時は容赦なくパトリシアに告げ口するからな?」
「やめてくれー!」
ここまでくるとフランソルお義兄様とリオネル様が一体何をしたのか気になってしまいます。
「ミズリー家にいると駄目だな! パトリシア、街に出かけないか? 評判のケーキを出す店があってね、一緒に行こう」
「いいのですか?」
「もちろん、ここにいてはオルヴィルに虐められ続ける。私を助けると思って一緒に行ってほしい」
ケーキを食べに行くなんてレーゼン家にいた時には忙しくてできなかったことだ。どうやら顔に出ていたようで、オルヴィルお義兄様が笑いながら許可してくれた。
「まあデートというなら仕方がないか。母上にはいっておくから早めに帰っておいで。フランソルはここに残って仕事だよ、二人の邪魔はしちゃ駄目だ」
「げえっまじかよー! 仕方がないなーお土産頼むぞ、リオネル」
「わかったよ、皆の分も買ってくるさ、行こうパトリシア」
「はい!」
私はミズリー家で普通の女の子らしい生活をさせてもらっている。兄妹で笑ってお話したり、婚約者と出かけたり……勉強することはたくさんあるけれど、とても楽しい毎日を過ごさせてもらっていた。お金のことで悩まなくていいなんてなんて嬉しい日々なんだろう。
「パトリシア……ごめんね、君の意見が聞きたくて」
「もちろんです、リオネル様」
「まだ婚約者なのに、妹を働かせようなんて紳士のすることじゃないぞ! リオネル」
「フランソル、しかしこの農園のアドバイスが欲しくて……」
「実は私もその農園については解決策を知りたいなあ」
「兄上まで!」
ミズリー家には義兄が二人いて、下のフランソルお兄様がリオネル様とお年が一緒なのでとても仲がよいのです。
「学生の頃、やんちゃばっかりやってたリオネルが、爵位を継ぐなんてねえ~」
「フランソルだって適当にチャラチャラしてたのに、今じゃしっかり家の手伝いをしてるじゃないか」
「そりゃ可愛い妹に呆れられたくないからなー」
「私だって可愛い婚約者に嫌われたくない」
「フランソルとリオネルがしっかりしてくれただけでウチもフォルブラウ家も感謝してもし足りないよなあ」
私は苦笑するしかなかったが、実際にフォルブラウ侯爵様と奥様がやってきて、私の手を取って喜んでくださったのを思い出していた。
「それくらいフランソルとリオネルはやんちゃでさあ~ここまで更生したのがはほんと全部パトシリアのお陰だよ」
上のお兄様であるオルヴィルお義兄様にフランソルお兄様とリオネル様は鋭い視線を投げつけている。
「兄上、やめてくださいよ。パトリシアの前で!」
「そうですよ、オルヴィル。私だって掘り返されたくないんですから!」
そんな風にいうから、きっとこれは真実なんだろうなあと思うけれど、二人とも私に知られたくないようなので、知らないで置こうと決めている。誰にだって知られたくない過去くらいあるだろうし。
「ま、いいけどね。二人が何か悪さしたらその時は容赦なくパトリシアに告げ口するからな?」
「やめてくれー!」
ここまでくるとフランソルお義兄様とリオネル様が一体何をしたのか気になってしまいます。
「ミズリー家にいると駄目だな! パトリシア、街に出かけないか? 評判のケーキを出す店があってね、一緒に行こう」
「いいのですか?」
「もちろん、ここにいてはオルヴィルに虐められ続ける。私を助けると思って一緒に行ってほしい」
ケーキを食べに行くなんてレーゼン家にいた時には忙しくてできなかったことだ。どうやら顔に出ていたようで、オルヴィルお義兄様が笑いながら許可してくれた。
「まあデートというなら仕方がないか。母上にはいっておくから早めに帰っておいで。フランソルはここに残って仕事だよ、二人の邪魔はしちゃ駄目だ」
「げえっまじかよー! 仕方がないなーお土産頼むぞ、リオネル」
「わかったよ、皆の分も買ってくるさ、行こうパトリシア」
「はい!」
私はミズリー家で普通の女の子らしい生活をさせてもらっている。兄妹で笑ってお話したり、婚約者と出かけたり……勉強することはたくさんあるけれど、とても楽しい毎日を過ごさせてもらっていた。お金のことで悩まなくていいなんてなんて嬉しい日々なんだろう。
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