【完結】生き残りたい俺は死者と語る。

鏑木 うりこ

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81 努力を笑うのは可笑しい*

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「悪くないなぁ」

「あ……ん、ふぉーり……?」

 力いっぱいしがみついていた腕を緩める。ああ、汗で滑る体が気持ち悪い。もっと気持ち悪いのは尻の中だ……フォーリの精液がいっぱい詰まってぐちゅぐちゅいってる。ついほんの数分前まで、突き上げられ、こすられる刺激が気持ち良くて、ぎゅうぎゅうと締めあげたのに、その時の快感が逃げてしまうと脱力感と虚無感に襲われる。

「こんなに力いっぱい抱きついて、可愛く顔を顰めてイきまくるナナを見ながら中にブチ撒けるのも悪くないなあって思ってね」

「……別に、ナカに出してくれなくても良いけど……」

「じゃあ顔に掛けようかな……」

「……」

「嘘、中出し好きでしょ?いっつも気持ちよさそうにイってるもん」

「……うっさい」
 
 好きかどうかと聞かれると好きじゃない……完全にフォーリに組み敷かれて、フォーリのモノになった気持ちがするから……でも気持ちいいかどうかと聞かれると……中で出された方が気持ちが良い……。特にどくどくと脈打つのが気持ち良すぎて飛びそうになる。

「おー?可愛い……なあ、も一回」

 ナカで硬さを取り戻しているのが分かる。

「……うん」

 フォーリに抱かれるのは悪くない。フォーリは俺を見ていてくれる。

「ナナ、良い……もっと締めて」

「あんっそこ……やっ!」

 フォーリの濃い黄色い髪の毛。頭の上からびょんっと大きな三角の耳が上を向いている。背中の中央は毛が生えているくせに肩甲骨の辺りは何もなくて手を回しやすい。

「ヤじゃないだろ?好きなくせに。ホラ、イイんだ?きゅんきゅんしてるもんね?」

「うう、す、好きィ、好き……」

「素直なイイコだ」

 本当は別に好きじゃない。なんで尻にナニを突っ込まれて、おかしくなってひいひい言わなきゃいけないんだ。自分でも知らない場所を好き勝手に突かれて、イきたくないのに、勝手に頭と体が気持ち良くなっちゃって情けない声を上げる。ほとんど無意識に手が届く場所にある体に力いっぱい抱きついて、まるで欲しがっているかのように締め付ける。イヤだ、そんな事したくないのに勝手に体がそうなるんだ。

「ナナ」

 俺を呼ぶ声。薄く目を開けばかなりの至近距離にフォーリの顔がある。ああ、キスしようとしてる?別にいいけど。それ以上の事もうしてるから今更キスくらいどうという事もないし。触れた唇はまあそれなりで、ぬろりと舌が歯列を割ってくる。
 ……いいけど、別にいいけれど。

「ん、……」

 口の中で舌を追いかけ回されている。逃げても逃げても追いかけてくるんで、頭でも捻ってにげだそうとした。でもいつの間にか後頭部に手を回されていて、動けない。口の中まで好き勝手に弄られて何が何だか分からなくなってくる。ぴちゃぴちゃとかぐちゅぐちゅとか粘度が高そうな水の音が聞こえて来て、ああどこからかな?自分かぁなんて他人事みたいに思えてくる。
 良く分からない、けれどもただ暖かくて優しく手を伸ばしてくれるんだ。

「あ……」

 口が離れて、ちょっと名残惜しそうに開いた口からフォーリの赤い舌が見えている。人族より舌が長いのかも。

「かーわいー。イイ顔してる」

 イイ顔?良い顔ってどんな顔だ?俺には分からないよ、分からないけれど俺の足を抱え上げて、続きをしようとしているのは分かる。

「ふぉ、ふぉーり……ふぉーり……」

「ああ、ヨかったんだね?すぐイっちゃいそうなの?」

 咥え込んだ尻がぐちゅっと音を立てる。あ、駄目だ……もうイイ。フォーリがイくまで待てない。

「あう……っイ……イきそ」

「そんなにベロチューが好きなんて知らなかった。後でいっぱいしてあげるね」

「や、待って、まって……」

 戦慄く最奥にズン!と突き入れられて堪え性がないそこはあっという間に弾けて飛んだ。

「っや、やーーーーーーっ」

「イイっ…‥出る……っ」

 気持ちいい、弾けて飛んだあとにじわじわと戻ってくる感覚。その中で自分のモノではない何かが自分の中でビクンビクンと震えている……それがまた気持ちいい…‥。大きかった震えが徐々に小さくなって、最後まで出たんだと余韻に浸ってしまう。ああ、今俺は種付けをされたんだ。俺の体の中に狐の種がたっぷり巻き散らかされた。その種共は俺の体の中を駆け巡り、目的の物を一生懸命探すんだろう、最初から用意されていない、あるはずのない卵を。
 探しても探しても、何日も探しても絶対に見つからない卵を一生懸命探し続けるんだ、命尽きるまで。なんて不毛な努力をするんだろうか。

「ナナ?」

 ゆっくりとくっ付いてくるフォーリの背中に腕を回す。

「俺は子供は産めないのに」

「知ってるよ!」

 無駄だが努力を笑うのは可笑しいだろう。





 

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