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4 大好きな人が出来た(忠臣視点)
「か、カオ君、僕、君のことすき」
「僕もー僕もオミ君のことすきー」
俺は3歳にして恋に落ちた。俺の両親は仲は悪くないが小さな頃から結婚が決まっていた婚約者同士だったそうだ。そして二人は派手な見た目に関わらず、恋愛方面は物凄く真面目であった為、自分達で決めることができなかった相手でも常に尊重し合っていた。
互いの誕生日にはプレゼントを贈り合い、思春期になっても他の人と付き合う事もせず、結婚した。
だから二人とも「恋」はしたことがなくて、俺が一生懸命に訴えた事をそれはそれは喜んだ。
「忠臣が今日、公園で遊んだ子に恋をしたのよ!」
「なんだって?!めでたい!! 」
「パパ!ママ!カオ君、オミのこと好きって!オミもカオ君大好き!! 」
「君!か」
「君、だけど多分大丈夫よ」
「なるほど?」
両親はおもった以上に張り切って動いた。マンションから引っ越して、薫君の家の隣の土地を買い付け家を建てた。
「このシチュエーション憧れたのよねー」
「ああ!友達部屋と窓が近くて入って来れる奴?」
「そうなの!」
あんまりに北山家とくっつけて家をたてはじめたものだから、北山のおじさんが乗り込んで来た。それに両親は真っ向から真摯に向き合った。
「うちの息子、忠臣が北山さんの息子さんの薫君の事を好きになってしまいました。私達は息子の気持ちを最大限に応援したいと思っています」
「は……?」
「つきましてはまずは日照権についてなのですが……このくらいで手打ちにしていただければ」
「ひっ?!」
「それと不躾ですが、北山さんはウチのグループ会社でお仕事をされているようで……そこで提案なのですが」
「ふ……へ……」
「もちろん、薫君が忠臣を好きにならなければそれはそれで良い友人として仲良くして頂ければ!!」
「ほっ」
少し強引めに話をしたらしいけれど、そこまで酷くはなかった、はずだ。
「なあ、忠臣君、薫は本当にアレなのか?」
「多分」
「違ったらどうする?」
「結婚する」
「でも忠臣君、お爺ちゃんとおばあちゃんからひ孫を期待されてるんだろ? 」
「いとこに頼むッス」
「あ……うん」
気が変わったらいつでも素直に言ってくれ、なんて北山のおじさんから言われているけど、一度も気が変わることなんてない。
俺は薫のことが好きで好きで堪らない。
尻尾は粉砕骨折は実は治療してもらわなかった。薫に踏まれて曲がったなんて最高過ぎる。
「カオ君……」
「僕がオミ君の尻尾を守る!」
そんなことを頼むつもりじゃなかったけど、俺の尻尾を守ってくれる薫は可愛くて密着出来るし良いことずくめだ。良くやった俺の尻尾、俺、尻尾生えてて良かった……。俺の曲がった尻尾をみて薫はちょっと悲しそうな顔をするのが良心に響くけど……ごめん、薫。
「なあ……大河内、やり過ぎじゃねぇ?」
「問題あるか?」
「……いや、うん……空気とか」
「薫に気づかせたら殺す」
「うっわ……」
クラスメイトに薫がいない時に言われたけれど、黙らせた。俺は性格が重い、自分でも気が付いてるけれど重くて、執念深いし、嫌な奴だと思う。そんな大型肉食獣の嫌な所を煮詰めたみたいな俺が、普通に高校生をやっていられるのは全部薫のお陰なのに。ちょっと話をしただけでαのクラスメイトも引いている。
「お、大河内……お前と北山の進路なんだけど」
「北山と同じ大学いきます」
「でもここって良い大学だけど、「つがい必須」だろ……」
「18になったらつがいます」
「……マジかぁ」
「はい」
「……北山が行かないっていったらどうするんだ?」
「死にます、俺」
「……うお……重いな、お前」
「自覚あります」
進路相談の先生もどん引くくらい、俺は重い。
「なー!忠臣ーー!俺さ、大学の推薦貰っちゃったー!なんと忠臣と一緒の大学だぜ。へへっ大学も一緒だぜ~?」
「ん」
「一緒のサークルとか入っちゃうー?コンパとかあ?」
「薫、俺と一緒の大学で、いい?」
「おう!お前、俺がいないとすぐ壁にぶつかるからな!一緒に通ってやんよ!」
多分、俺は薫に嫌われていない。
「僕もー僕もオミ君のことすきー」
俺は3歳にして恋に落ちた。俺の両親は仲は悪くないが小さな頃から結婚が決まっていた婚約者同士だったそうだ。そして二人は派手な見た目に関わらず、恋愛方面は物凄く真面目であった為、自分達で決めることができなかった相手でも常に尊重し合っていた。
互いの誕生日にはプレゼントを贈り合い、思春期になっても他の人と付き合う事もせず、結婚した。
だから二人とも「恋」はしたことがなくて、俺が一生懸命に訴えた事をそれはそれは喜んだ。
「忠臣が今日、公園で遊んだ子に恋をしたのよ!」
「なんだって?!めでたい!! 」
「パパ!ママ!カオ君、オミのこと好きって!オミもカオ君大好き!! 」
「君!か」
「君、だけど多分大丈夫よ」
「なるほど?」
両親はおもった以上に張り切って動いた。マンションから引っ越して、薫君の家の隣の土地を買い付け家を建てた。
「このシチュエーション憧れたのよねー」
「ああ!友達部屋と窓が近くて入って来れる奴?」
「そうなの!」
あんまりに北山家とくっつけて家をたてはじめたものだから、北山のおじさんが乗り込んで来た。それに両親は真っ向から真摯に向き合った。
「うちの息子、忠臣が北山さんの息子さんの薫君の事を好きになってしまいました。私達は息子の気持ちを最大限に応援したいと思っています」
「は……?」
「つきましてはまずは日照権についてなのですが……このくらいで手打ちにしていただければ」
「ひっ?!」
「それと不躾ですが、北山さんはウチのグループ会社でお仕事をされているようで……そこで提案なのですが」
「ふ……へ……」
「もちろん、薫君が忠臣を好きにならなければそれはそれで良い友人として仲良くして頂ければ!!」
「ほっ」
少し強引めに話をしたらしいけれど、そこまで酷くはなかった、はずだ。
「なあ、忠臣君、薫は本当にアレなのか?」
「多分」
「違ったらどうする?」
「結婚する」
「でも忠臣君、お爺ちゃんとおばあちゃんからひ孫を期待されてるんだろ? 」
「いとこに頼むッス」
「あ……うん」
気が変わったらいつでも素直に言ってくれ、なんて北山のおじさんから言われているけど、一度も気が変わることなんてない。
俺は薫のことが好きで好きで堪らない。
尻尾は粉砕骨折は実は治療してもらわなかった。薫に踏まれて曲がったなんて最高過ぎる。
「カオ君……」
「僕がオミ君の尻尾を守る!」
そんなことを頼むつもりじゃなかったけど、俺の尻尾を守ってくれる薫は可愛くて密着出来るし良いことずくめだ。良くやった俺の尻尾、俺、尻尾生えてて良かった……。俺の曲がった尻尾をみて薫はちょっと悲しそうな顔をするのが良心に響くけど……ごめん、薫。
「なあ……大河内、やり過ぎじゃねぇ?」
「問題あるか?」
「……いや、うん……空気とか」
「薫に気づかせたら殺す」
「うっわ……」
クラスメイトに薫がいない時に言われたけれど、黙らせた。俺は性格が重い、自分でも気が付いてるけれど重くて、執念深いし、嫌な奴だと思う。そんな大型肉食獣の嫌な所を煮詰めたみたいな俺が、普通に高校生をやっていられるのは全部薫のお陰なのに。ちょっと話をしただけでαのクラスメイトも引いている。
「お、大河内……お前と北山の進路なんだけど」
「北山と同じ大学いきます」
「でもここって良い大学だけど、「つがい必須」だろ……」
「18になったらつがいます」
「……マジかぁ」
「はい」
「……北山が行かないっていったらどうするんだ?」
「死にます、俺」
「……うお……重いな、お前」
「自覚あります」
進路相談の先生もどん引くくらい、俺は重い。
「なー!忠臣ーー!俺さ、大学の推薦貰っちゃったー!なんと忠臣と一緒の大学だぜ。へへっ大学も一緒だぜ~?」
「ん」
「一緒のサークルとか入っちゃうー?コンパとかあ?」
「薫、俺と一緒の大学で、いい?」
「おう!お前、俺がいないとすぐ壁にぶつかるからな!一緒に通ってやんよ!」
多分、俺は薫に嫌われていない。
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