【完結】虎の威を借りたつもりはないが、何か取られる狐の男子

鏑木 うりこ

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14 なんかあの生体兵器みたいに

「ん……か、かお、カオルウウウウ!」
「へ?」
「た、大変だ!忠臣君の暴走だーー!」
「薫ー!大河内の家に逃げてー!」
「うわー!忠臣が!」
「ぎゃーー!」

 ちょっと熱っぽいな、まあ大丈夫だろと学校に行こうとしたら大丈夫じゃなかった、忠臣が。
 急いで忠臣を総一郎おじさんがぶん殴って隔離して、俺は第二性科の病院へ。最近そっち方面が活発になった俺は周期やら何やらが乱れがちでヒートになりかけてたらしい。

「いやぁ~これだけ微弱なフェロモンでも反応してしまうそのつがい予定の子は大変だねぇ。え?虎のα?あー大河内の!よく耐えたねえ」

 なんか医者に忠臣の方が褒められてた。

「うーん、まだ未成年だけど、つがいになってしまった方が安定すると医者の見地から言っておくよ。ご両親もつがいになる事を認めているなら、君もその子もその方が楽かもしれない」
「……はぁ」

 まあ、今度は外のブロック塀が忠臣の頭突きで崩れちゃったし、先生の話を聞いて父さんと母さんと顔を見合わせてしまった。
 とりあえず、日常的に服用しても問題ない抑制剤を貰って帰ってくると、塀は崩れたままだけど、忠臣はお祖母ちゃんの家に送られてた。

〈って言われたんだけど〉
〈やだ つがいは大人になってから〉
〈でもまた壁壊すのはどうかなって〉
〈(´;Д;`)〉

 スマホから脱力するメッセージが送られて来た。忠臣はおじさんに殴られて2.3分気を失っていたもののすぐに復活して俺を探して吠えてたらしい。
 俺は父さんの車で病院に直行したから流石の忠臣でも走って追いかけては来なかったそうだ。
 しばらく当たり散らしてご近所迷惑さんをしてから、お祖母ちゃんの家に連れて行かれてそこでやっとまともになったみたい。

〈それやめろ〉
〈。゚(゚´Д`゚)゚。〉

 止める気がないようだ。

〈俺、ちゃんと我慢するから〉
〈我慢のし過ぎておかしくなってんじゃねーの?〉
〈でも、俺、約束守りたい〉

 約束?一体何だろう?

〈7歳の時、大人になったら結婚してくれるって約束した。だから〉

 もしかして、俺、忠臣とそんな約束したのか?いや、7歳って覚えてねーよ?!

〈薫とした約束、全部守らせて。お願い〉

 でも、とかいや、とか色々打ったけど、結局送ったメッセージは

〈分かった〉

 だった。

〈╰(*´︶`*)╯♡わあい〉

 なんか凄いかっこいいこと言い出してちょっときゅんっとした気がしたのに脱力する……。

 戻って来た忠臣が「ん」と俺に差し出したものはトゲトゲが生えている物凄い幅広の首輪だった。凶暴なブルドッグとかドーベルマンとかがしてそうな首輪?!

「一番強そうなネックガードだって」
「トゲトゲどうすんだこれぇ!」

 流石にこれは却下した。

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