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25 あの目が忘れられない(セブスト殿下視点
「カズハ!前に聞いた話は本当なんだろうな?!」
私は寮に急いで帰り、カズハに詰め寄った。
「ま、前に聞いた話って何の話??」
「ダンジョンのボスが落とす若返りの秘薬の話だ!!」
カズハは神子だ。神子はダンジョンを攻略し、最上階10階にいる魔王を倒す為に喚ばれた存在なのだ。
そしてカズハはまだ時期尚早だと言って、ダンジョンには挑んでいない。挑んでいない癖に、ダンジョンの中のことを事細かに知っていた。それが神子の能力なのだろうか?
「え?あーうん。9階のボスね。超低確率だけど、落とすんだよ。それで結構色んな人に使えて、若返ったスチルが見れるんだー!王様とか!王妃様とか!」
「か、カレリオの、カレリオの祖父も若くなるんだろう?」
「カレリオのお爺ちゃんー?ゲームに出て来なかったから分かんないよ!多分使えるんじゃないの?」
良しっ!それさえあれば、ダグラス様はきっと頷いてくださる!私は心の中で握り拳を作った。
あの時、私は最低にもカレリオを暴力で従わせようとした。
父上から呼び出され、カレリオとの婚約が解消された。正直私は喜んだ。もうカレリオに付き合わなくても良いのだから!これからはカズハと人目を憚る事なく仲良く出来る!新しい婚約者はカズハにしよう、そんな事まで考えていたのに。
「セブスト。お前は王太子にしておくわけにはいかぬ」
「は?!な、何故ですか!」
「バンドール家を失ったお前では後ろ盾が足りぬ。わかるであろう、貴族の中で力が足りぬ者は王は継げぬ。その為の婚約であった事はお前が一番知っておろう……それなのに、お前はカレリオに何をした?バンドール翁が怒り狂うのも致し方ない事をしおって」
そうだ、そうだった。私が王太子としての地位を固める為のカレリオ・バンドールとの婚約だったのだ。
カレリオがそんな素振りを見せず、私の事を好いていてくれたから、すっかり忘れていたのだ。
「か、カレリオに婚約解消を撤回させてきます!」
「今更何を……セブスト!」
父上が止めるのも聞かず、私はカレリオを探した。使用人に声を掛ければ今、城にいるらしい……すぐに見つけた。
目が合うとカレリオらしからぬ冷たく蔑んでいるのに気がついてしまい、思わず手が出た。
気を失ったカレリオ。もう、力づくで言う事を聞かせるしかない、私も動揺していた、正常な判断が出来なかった……。全て言い訳なのだけれど。
「ううっ……っ!」
カレリオを組み敷くのは簡単で、しかも気持ちが良かった。それでも冷たく強く見下してくる目に違和感を覚えつつも、好きに扱った。
欲に濡れて行くカレリオは本当に可愛らしく、何故手放そうかと思ったのか分からないほど、素晴らしかった。あのツンケンしていた態度が甘く縋り付いてくるのが本当に可愛らしかったのだが……。
「大旦那様ぁーーー!」
扉は破壊され、護衛が飛び込んで来る。大旦那様?一体誰の事だ?
「この人はダグラス様だーーっ!」
カレリオはカレリオではなかった。その男が足についていた魔道具を外すとカレリオだと思っていた人間は、見事な爺さんに変わったのだ。
「ひゅ!?」
流石の私も目の前が真っ暗になった。
謹慎を言い渡され、全ての話を聞いた。カレリオの祖父がカレリオそっくりになっていたのも、父上の提案で悪いのは全て私なのだ。沢山の譲歩を重ねて、何とかしたと父上に言われた。
王太子の道は絶望的だと言われつつも、私はあの目が忘れられない。私を冷たく見下すあのダグラス・バンドールの目が……。
「も、もしかして……これは恋?!」
爺さんでも良い!あの人の目に映してもらいたい!もう私の気持ちは止まらなかった。
私は寮に急いで帰り、カズハに詰め寄った。
「ま、前に聞いた話って何の話??」
「ダンジョンのボスが落とす若返りの秘薬の話だ!!」
カズハは神子だ。神子はダンジョンを攻略し、最上階10階にいる魔王を倒す為に喚ばれた存在なのだ。
そしてカズハはまだ時期尚早だと言って、ダンジョンには挑んでいない。挑んでいない癖に、ダンジョンの中のことを事細かに知っていた。それが神子の能力なのだろうか?
「え?あーうん。9階のボスね。超低確率だけど、落とすんだよ。それで結構色んな人に使えて、若返ったスチルが見れるんだー!王様とか!王妃様とか!」
「か、カレリオの、カレリオの祖父も若くなるんだろう?」
「カレリオのお爺ちゃんー?ゲームに出て来なかったから分かんないよ!多分使えるんじゃないの?」
良しっ!それさえあれば、ダグラス様はきっと頷いてくださる!私は心の中で握り拳を作った。
あの時、私は最低にもカレリオを暴力で従わせようとした。
父上から呼び出され、カレリオとの婚約が解消された。正直私は喜んだ。もうカレリオに付き合わなくても良いのだから!これからはカズハと人目を憚る事なく仲良く出来る!新しい婚約者はカズハにしよう、そんな事まで考えていたのに。
「セブスト。お前は王太子にしておくわけにはいかぬ」
「は?!な、何故ですか!」
「バンドール家を失ったお前では後ろ盾が足りぬ。わかるであろう、貴族の中で力が足りぬ者は王は継げぬ。その為の婚約であった事はお前が一番知っておろう……それなのに、お前はカレリオに何をした?バンドール翁が怒り狂うのも致し方ない事をしおって」
そうだ、そうだった。私が王太子としての地位を固める為のカレリオ・バンドールとの婚約だったのだ。
カレリオがそんな素振りを見せず、私の事を好いていてくれたから、すっかり忘れていたのだ。
「か、カレリオに婚約解消を撤回させてきます!」
「今更何を……セブスト!」
父上が止めるのも聞かず、私はカレリオを探した。使用人に声を掛ければ今、城にいるらしい……すぐに見つけた。
目が合うとカレリオらしからぬ冷たく蔑んでいるのに気がついてしまい、思わず手が出た。
気を失ったカレリオ。もう、力づくで言う事を聞かせるしかない、私も動揺していた、正常な判断が出来なかった……。全て言い訳なのだけれど。
「ううっ……っ!」
カレリオを組み敷くのは簡単で、しかも気持ちが良かった。それでも冷たく強く見下してくる目に違和感を覚えつつも、好きに扱った。
欲に濡れて行くカレリオは本当に可愛らしく、何故手放そうかと思ったのか分からないほど、素晴らしかった。あのツンケンしていた態度が甘く縋り付いてくるのが本当に可愛らしかったのだが……。
「大旦那様ぁーーー!」
扉は破壊され、護衛が飛び込んで来る。大旦那様?一体誰の事だ?
「この人はダグラス様だーーっ!」
カレリオはカレリオではなかった。その男が足についていた魔道具を外すとカレリオだと思っていた人間は、見事な爺さんに変わったのだ。
「ひゅ!?」
流石の私も目の前が真っ暗になった。
謹慎を言い渡され、全ての話を聞いた。カレリオの祖父がカレリオそっくりになっていたのも、父上の提案で悪いのは全て私なのだ。沢山の譲歩を重ねて、何とかしたと父上に言われた。
王太子の道は絶望的だと言われつつも、私はあの目が忘れられない。私を冷たく見下すあのダグラス・バンドールの目が……。
「も、もしかして……これは恋?!」
爺さんでも良い!あの人の目に映してもらいたい!もう私の気持ちは止まらなかった。
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