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75 魔王をなんとかした俺達!
「分かったな?もうするなよ?」
「分かったぁ」
昔と同じようにヴォルフの頭を撫でてやる。昔は灰色の髪の毛だったのに、今は真っ黒だ。色は良い、何だって良い。ただなー。
「ゴワゴワしてるなぁ……ちゃんと手入れしろよ?風呂に入ってちゃんと石鹸で洗って、ブラシをかけるんだ」
首を傾げてうーんと悩んでいる。子供の頃と一緒だなぁ。そして
「やって!」
って言うんだ。可愛いなぁ!
「後でな」
気絶したまんまの兵士たちをそのまんまにしておけないもんな。
「ジュード遊んでー」
「駄目だ。大体お前のせいで皆、気を失ってるんだからな?」
「……しょうがないだろ、人間なんて嫌いだ。少し圧を掛ければ死ぬんだ、いない方が良い……ぎゃん!」
最後にゲンコツをくれてやった訳だけどな?
「嫌いだから殺してたら何にも始まらないだろう。無理に好きになる必要はない、離れて暮らせば良いだろ?何で嫌いな奴らの近くに住むんだ。訳が分からない」
「でも、負けて追い出されたみたいでかっこ悪い」
「争って傷つけあう方がかっこ悪いだろ!」
ったく訳が分からない……って訳でもないな。前世の俺は王宮ではそんな感じだった。そして小さな村に追い出されて、気が付いたんだ。
嫌な奴と仲良くするのは疲れるし、心が荒む。なら、大好きなもふもふに囲まれて暮らした方が、何倍も幸せだって事に。
「……俺の魔王はかっこ悪かった?」
「鏡みりゃ分かるだろ。ゴワゴワでカッコ悪いよ」
軽く揺すって兵士達を起こしてやる。俺の横にいるヴォルフをみて驚き、とりあえず大丈夫だから、と伝えて落ち着かせる作業を繰り返す。最初はすくみ上っている兵士達も俺の横で大人しくしているヴォルフをみて少しだけ安心したようだ。
「ヴォルフはもう魔王はやめたんだろ?」
「やめたー!ジュードに嫌われる魔王なんてもうやだ!」
「うんうん、いい子だなぁ~」
ヴォルフの素直な所は何年たっても素晴らしいな。もう立派な大人で俺よりでかい癖に喜んじゃって可愛いな、もう。
「ヴォルフー俺はこっちの兵士とか起こすから、お前も魔族のみなさんに帰って貰えよ」
「分かった~」
そうにっこり笑って、魔族の皆さんの所にヴォルフは向かって行った。さて、俺たちも帰るしたくしなくちゃな。だってヴォルフが魔王辞めたからこっちはもういいんだろう?次はレリュークの所に向わなきゃなあ。
だからヴォルフがどんな話をしていたか、俺には全く聞こえていなかったんだ。
「散れ。俺はジュードと一緒に行く。魔王はやめだ」
「し、しかし!突然そのようなことを言われましても!魔王ヴォルフ!やめるなどできるはずが」
ヴォルフは怒りを顔ににじませるが、いつもの暴力的な力の圧力は出さなかった。出せばバレるからだ。
「ジュードが辞めろって言ったからやめるんだ。出来るはずがない?俺に出来ない事はない」
「し、しかし!魔神様になんといえば!」
「あぁん?死にてぇようだな?気に食わなきゃ俺は人間以外も殺すぞ?」
「申し訳ございません!!魔王ヴォルフ様ッ」
そして冷たい声でこう付け加える。
「ジュードの視界に入る事を今後一切禁ずる。破れば殺す。いいな?」
「はっ!はい!!」
疾風の勢いで消える魔族たちを無言で見送り、満面の笑みでくるりと振り返る。
「ジュード~みんな家に帰るってさ~」
「おーご苦労さん、ヴォルフはやっぱり偉いな~」
そこに大好きな愛する人の笑顔がある、その為ならヴォルフは何でも出来るそう思った。
「分かったぁ」
昔と同じようにヴォルフの頭を撫でてやる。昔は灰色の髪の毛だったのに、今は真っ黒だ。色は良い、何だって良い。ただなー。
「ゴワゴワしてるなぁ……ちゃんと手入れしろよ?風呂に入ってちゃんと石鹸で洗って、ブラシをかけるんだ」
首を傾げてうーんと悩んでいる。子供の頃と一緒だなぁ。そして
「やって!」
って言うんだ。可愛いなぁ!
「後でな」
気絶したまんまの兵士たちをそのまんまにしておけないもんな。
「ジュード遊んでー」
「駄目だ。大体お前のせいで皆、気を失ってるんだからな?」
「……しょうがないだろ、人間なんて嫌いだ。少し圧を掛ければ死ぬんだ、いない方が良い……ぎゃん!」
最後にゲンコツをくれてやった訳だけどな?
「嫌いだから殺してたら何にも始まらないだろう。無理に好きになる必要はない、離れて暮らせば良いだろ?何で嫌いな奴らの近くに住むんだ。訳が分からない」
「でも、負けて追い出されたみたいでかっこ悪い」
「争って傷つけあう方がかっこ悪いだろ!」
ったく訳が分からない……って訳でもないな。前世の俺は王宮ではそんな感じだった。そして小さな村に追い出されて、気が付いたんだ。
嫌な奴と仲良くするのは疲れるし、心が荒む。なら、大好きなもふもふに囲まれて暮らした方が、何倍も幸せだって事に。
「……俺の魔王はかっこ悪かった?」
「鏡みりゃ分かるだろ。ゴワゴワでカッコ悪いよ」
軽く揺すって兵士達を起こしてやる。俺の横にいるヴォルフをみて驚き、とりあえず大丈夫だから、と伝えて落ち着かせる作業を繰り返す。最初はすくみ上っている兵士達も俺の横で大人しくしているヴォルフをみて少しだけ安心したようだ。
「ヴォルフはもう魔王はやめたんだろ?」
「やめたー!ジュードに嫌われる魔王なんてもうやだ!」
「うんうん、いい子だなぁ~」
ヴォルフの素直な所は何年たっても素晴らしいな。もう立派な大人で俺よりでかい癖に喜んじゃって可愛いな、もう。
「ヴォルフー俺はこっちの兵士とか起こすから、お前も魔族のみなさんに帰って貰えよ」
「分かった~」
そうにっこり笑って、魔族の皆さんの所にヴォルフは向かって行った。さて、俺たちも帰るしたくしなくちゃな。だってヴォルフが魔王辞めたからこっちはもういいんだろう?次はレリュークの所に向わなきゃなあ。
だからヴォルフがどんな話をしていたか、俺には全く聞こえていなかったんだ。
「散れ。俺はジュードと一緒に行く。魔王はやめだ」
「し、しかし!突然そのようなことを言われましても!魔王ヴォルフ!やめるなどできるはずが」
ヴォルフは怒りを顔ににじませるが、いつもの暴力的な力の圧力は出さなかった。出せばバレるからだ。
「ジュードが辞めろって言ったからやめるんだ。出来るはずがない?俺に出来ない事はない」
「し、しかし!魔神様になんといえば!」
「あぁん?死にてぇようだな?気に食わなきゃ俺は人間以外も殺すぞ?」
「申し訳ございません!!魔王ヴォルフ様ッ」
そして冷たい声でこう付け加える。
「ジュードの視界に入る事を今後一切禁ずる。破れば殺す。いいな?」
「はっ!はい!!」
疾風の勢いで消える魔族たちを無言で見送り、満面の笑みでくるりと振り返る。
「ジュード~みんな家に帰るってさ~」
「おーご苦労さん、ヴォルフはやっぱり偉いな~」
そこに大好きな愛する人の笑顔がある、その為ならヴォルフは何でも出来るそう思った。
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