【完結】尻神様が降臨なされた。BL世界を何周もする俺の尻はミラクル!

鏑木 うりこ

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6周目 触手?!編

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 目を開けるととぼとぼと歩く人々の群れの中だった。

「ここは……」

 分かった!街が兵士に襲われて、隣の国に逃げる途中の街道だ。その逃げた人々の中に俺も紛れ込んでいた。

「サラス……は、いないか」

 前回、俺とサラスは街で会って一緒にこの道を歩いて隣の国まで逃げた。でも今サラスはいない。

「まだあの国にいるのか、それともこの中にいるのか……」

 たくさんの逃げる人々の中から俺はサラスを探せずにいた。とぼとぼと歩き、日が傾いてくる。夕方か、魔物が活性化するな。
 どこか比較的安全な所で野宿をしないと。襲われると旅慣れた俺たちでも……。

 忘れていた。サラスは隣にいないんだった。そして俺も旅慣れているとは言えない体だ。知識はある、でも体は違う。なんせレベル7だし、装備もない。
 これじゃあ魔物に襲われたらひとたまりもない。
 前回キックで魔物を撃退したサラスもいない。

 まずい、非常にまずい。そして嫌な予感はよく当たる。

「うわあああーー!」

「ぎゃーーー!ま、魔物だーー!」

 まだ暗くなってはいないが、魔狼の群れだ。まずい、この避難民に戦える人は……いない!

「木だ!木に登れ!魔狼は木には登れない!!」

 俺は力一杯叫んだ。近くの木に飛びつく。上から手を差し伸ばして子供や女性を引き上げる。

「ぎゃーーー!」

 逃げ遅れた人々が食い殺されていくが、どうしようもなかった。

「ううっ……」

 泣き出す者も沢山いたが、今の俺には何もしてやれなかった。
 血なまぐささを残して魔狼達は腹が満ちたのか去ってゆく。

 辺りは闇に包まれていた。

「どうしよう……こんな血の匂いのする場所。危険すぎるけど、別の魔物が寄って来ていないとも言えない……」

「ど、どうしよう……」

 みんな俺より知識もない街の人々だ。同じ木に登った人や近くの木に登った人に声をかける。

「血の匂いは魔物を呼ぶんです。魔狼だから木には登れなかった。でも次に来る魔物が木に登れないとは限らない。出来ればおりて場所を移動した方が良い……でも」

 別の魔狼の群れが近くにいたら?木の上の方が安全かも知れない。

「各自の判断に任せます。俺は下りて近くの街道の休憩所を目指します」

 闇に目を凝らして木から下りる。今のところ、動くものはない。急いで街道に戻り、先にあるはずの比較的安全な休憩所を目指した。
 レベルは低いが前回冒険者として生きた知識や勘が生きている……そう思いたい。
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