世界はエロいことで開花する

塚本麗音

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集落

世界はエロいことで開花する(5)人間の街、発見

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自分たちが間借りしているほら穴の近くまで行くと、その近くでロイはすでに
塩を作りを始めていた。
「リーダー。 おはようございます」
「朝から精が出るな」
「はい。 そろそろこの鹿、加工しようと思うんですよ」
ロイのすぐ近くには昨日のうちに内臓を取り出し、皮を剥いで骨と肉を切り分けた状態の鹿があった。
「あれ 内臓はどうしたんだ ?」
ナイトが尋ねた。
「それなら、鍋の中です。 肉醤(ししびしお)にしようと思うんです」
鍋の中を見ると細かく刻まれた内臓があった。
聴き慣れない肉醤に返したのは、トイレから戻ったスティーブンだった。

「しし? なんだって?」
「ししびしお、日本の調味料に醤油ってあるだろ、あれは大豆から出来てる、それ意外にも魚を使った醤油で魚醤とかもある、これは肉を使った醤油だから肉醤」
心なしか、この状況を楽しんでいるように見えるロイ。
ナイトが一度、寝床に戻ると袋を持って戻ってきた。
「ん? 何ですかコレ ?」
見ると袋の中には、色とりどりで形も大きさもバラバラな果物やキノコが
入っていた
「おお! スゲーなんすか? この果物、キノコもあるしリーダーいつの間に
どっから持ってきたんっすか? 」
「いつの間にって、昨日の夕飯の前にだよ。 お前が温泉でナニやってた時にな、彼女たちが俺達の寝床になる木をどっかから持ってきてたんだけど、それは下から上げてたんじゃなくて、上から下ろしてんだよ」
ナイトは上を指差しながら、説明した。
二人が上を見上げると、高い崖の上に林があった。

「彼女たちが上に登って木を下ろしているのを見て、俺も上に登ろうとしたんだ! で彼女たちが手を貸してくれて上に行ってみた。 上の方はここみたいに
平じゃなかったし、木が鬱蒼としていて生き物は鳥位でそれ意外いなかった。 
代わりにこう言う感じの果実が色々なってた」
「と言うか、食べれるのかな?」
袋の中から、赤いりんごっぽい形と大きさをした果実を手にしてスティーブンが
聞いてきた。
「分からない。 だが彼女たちに手渡されたと言うのと、鳥が食べていたってので多分、毒はないと思う」
スティーブンは手にしたその果実をロイに渡した。
果実を手渡されたロイはそのリンゴっぽい果実の匂いを嗅いだが、
しかしこれといって匂いはなかった。
なので今度は持っていたナイフで半分に切ってみた。
見た目もリンゴっぽいかったので、一口サイズに切って、食べてみた。
が、その瞬間
ロイは、むせ返りながらそれを吐き出した。

涙目になりながら、水を飲むロイ
「ロイ!」
「うおお!? やっぱ毒とかあったんか!」
「ゴッホ…ゲホゲホ……いや、毒は無いです、多分、けど…」
「けど?」
「すっっっごい、すっぱい」
「すっぱい? まだ熟してなかったとか?」
「いいえ、レモンの味がするんで多分、こう言う食べ物だと…ただ、
レモンの3倍位すっぱいです」
「なんっすか? それ、レモンもどきって感じっすか?」
「まぁ、そんな感じ」
まだ口の中にすっぱい味が残っているのか、ロイは水で口をゆすいだ。
そんな風に俺たちがまた何かをしていると、彼女たちが興味津々な感じで、
また寄ってきた。

スティーブンは楽しそうに袋の中の他の果実を取り出した。
「お! なんか巨大なパパイヤがある」
袋から出したのは、メロン位の大きさのパパイヤに似た果実だった。
今度はスティーブンがそれを半分に割ってみると、中から甘い匂いが漂ってきた。
「ああ! なんかこれすっげえ甘い匂いがする」
一切れだけ切って食べてみると、今度はスティーブンがむせ返った。
「あっっっっめぇ~!」
スティーブンのリアクションにナイトとロイは一切れではなく、指に付けて
舐め見た。
「甘いですね。 口の中が中和されてきます」
「うん、甘いな…味としては、はちみつを5倍位、濃縮した感じだな」
むせ返るスティーブにベティが近づいてきた。
「ベティちゃん、いつもこんなん食べてたの?」
「誰だよ、ベティって」
「ベティーちゃんでっすよー! ちなみにこの子がローリーで、
こっちの子がアマンダ」
3匹は親しそうにスティーブンに近寄ってきた。
「スティービー、もしかしてその3匹って…」
「はーい! 昨日ヤッっちゃた子たちでーす」
ナイトはベティを雄羊のツノでローリーは雌山羊のツノでアマンダがガゼルのツノと他の彼女たちと区別し、覚えた。

「(…とちあえずこの3匹は、経過観察しとくか)」
ナイトはタメ息をつくと、自分の身体の匂いに気づいた。
顔を洗った時にそれとなく気づいていたが、頭も体も汗と汚れでベタベタだった。
思えばこっちに来てから、風呂なんて入ってもいなかった。
「ロイ、悪いがちょっと一風呂浴びてくる」
そう言って近くに居るロイに声をかけてからその場を離れた。
寝床でタオルと編み目の荒い麻布を持って温泉に来た。

どこへ行くにも常に武器を所持していた。
服を脱いで手が届くけど濡れない範囲に置いておいて、その上に銃を置いた
濡れても大丈夫なナイフはすぐ近くに置いた。
最初は持ってきたコップでかけ湯をして身体を濡らし、編み目の荒い麻布を濡らして温泉の淵の塩を砕いてつけてから、体をこすり始めた。
しばらく風呂に入ってなかったせいか、ボロボロと垢が落ちて行く。
今度はその塩を頭にこすりつけると、またボロボロと頭についていた土や砂利などが落ちて来た。
ひとしきり体を洗うとナイトは温泉に浸かった 。

久しぶりのお風呂に、思っていた以上に疲れていたことに気づく。
ナイトが温泉に浸かっていると、彼女たちが2匹 同じく温泉に入ってきた。
手元に置いといたナイフを持って、ナイトは彼女たちと距離を離すように湯船の中で集落の反対側に位置する場所に移動した。
しばらく一緒に温泉に浸かっていると彼女達はスティーブンが言っていたように
尻尾を肩まで高く上げ腰を振る動作をしてきた。
しかしナイトは 
「悪いなあ。 その気はねーよ! 頼むならロイかスティービーに言ってくれ」
そう言って、そっぽを向いた時だった。
ナイトの目に遠くに上がる黒い煙が見えた。

ナイトは慌てて温泉から飛び上がり、裸のままその黒い煙がよく見える方へ
行った。
その方角は集落の反対になっているので全然気づかなかったが、森の淵が綺麗に
揃っている部分があり、その淵の向こうに草原が広がっていた。
そしてそこには人間が住んでいる小さな街があった。

それを確認したナイトは慌てて身体をタオルで拭き、服を来て集落に戻った。
慌てて戻ってきたナイトに驚く2人。
そんな2人に目もくれず洞穴の中に置いてある荷物の中から、双眼鏡とコンパスを取り出した。
「リーダーどうしたんっすか? そんなに慌てて」
スティーブンが聞いてきた。
「人間の街があった 」
「人間の街 !?」
ロイも聞き返した 
ナイトは煙が見えた場所に戻り、2人はその後に続いて行った。


下は断崖絶壁、落ちれば命はない。
そんな場所に慎重に立って、ナイトは双眼鏡で街を見た。
街の真ん中に白い大きなお屋敷があり、その周りには木で建てられた家が 100件位あった。
黒い煙の正体は、その内2、3軒の家が燃えていた煙だった。
森と街の間には大きな川が流れていて、川と街の間に三日月形の茶色い壁が立っていた。
高さにするとビルに3階建て位の高さで、街を囲っていない。
お世辞にも頑丈とは思えないような作りだった。
しかし、街は2つの大きな川に挟まれている形をしているので、森の侵入者からは守られている。
街を行き交う人を見ると、中世の貧しい平民のような服装で、大体2千人位の人が
住んでいると思われるような感じ。

「リーダー、俺もいいですか?」
ナイトが双眼鏡で街を見ていると、横でロイが声をかけた。
双眼鏡をロイに渡すと、ポケットの中に入れていた方位磁石を取り出し、
位置を確認した。
ロイが双眼鏡で街を見て
「…ここから見た感じ、食糧事情はかなり厳しいと思います」と言った。
改めて街を見ると壁の逆側の草原の方に、畑らしきものが見えた。
畑の近くには森から続く大きな川が流れていて、その近くで作業する人たちがいた。
しかし、そのどれもが手作業で効率が良いとは、とても思えない。

しばらく3人で街を見ていた。
彼女たちも何匹か来ていたが、ナイトたちが何をしているのかが分からなかったので、後ろで少し離れて見ていただけだった。
おもむろにナイトは口を開いた 。
「街に行ってみる。 お前たちはここに残れ」
「リーダー、一人で行くんですか?」
「ええ! 俺ら置いてけぼり?」
「バカ言え、下にどんな危険があるかが分からないんだ。 向こうまで取りたどり着けるかが分からない以上は、生存率を優先させる」
ナイトがそう言うと2人は渋々了承した。

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