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不美人

『不美人』(〜一枚の写真でブスと判断されたけど、最後には幸せになったので、まぁいっか〜)9話

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天帝が色んな女と遊んでいるのは、妻となる人を探している為だった。
獅子王財閥は世界中に会社を持つ大企業。
だからこそ、お金に目が眩んだり、地位や名声、美、欲などに捕われる事無く自分を支える事の出来る女性を探していた。
自分にしがみつくのでもなく、ただ後ろをついてくるでもなく、側に立ち時には、支えとなってくれるそんな女性をずっと探していた。

天帝は、自分をあざ笑う空気の中、凛と立ち前をまっすぐ見据える雅美を見て思った。
彼女こそが求めていた人だった。

けれどすでに後の祭り、そのお茶会は王昭とクロのお見合いの為の席。
今更になって「やっぱりオレの女だ返せ」などとは言えない。
獅子王財閥の御曹司としてプライドがある。

挨拶を済ませると、少し離れた所に6畳分の畳を敷いた場所で、真がお茶の用意をしていた。
真自身も今日、お茶をたてるつもりだったので雅美と同じく着物を来て来た。
紫の蝶が描かれた薄いグレーの着物に濃いブルーの帯に身を包んだ姿は、天帝に負けない位の美しさだった。

お見合いが始まり雅美は琴を披露すると、真はお返しにお茶を立ててくれた。
雅美の理想とする愛の形とその愛を知って尊敬したクロ。
お互い笑い合い、話し合い、礼を尽くし合う。
そんな仲睦まじい二人をソファーにドカッと座ったまま遠くから見つめる天帝。
その目には怒りや嫉妬心が渦巻いていた。


性格的に真面目な二人は意気投合し、そのまま付き合う事になりました。




めでたし。めでたし?

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