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第一章 出会い
偽勇者(3)合流
しおりを挟む改めて現実に向き合ったネオは、足元の防具を拾ってさっきまでいた開けた場所に戻った。
そこに誰もいないことを確認すると、ネオはそぉっと、さっき戦闘があった所まで行った。
そこにはさっきの地底竜の欠けた鱗が何枚か落ちていた。
ネオはそれを全部アイテムボックスに入れると、また狭い洞窟に戻った。
「(とりあえず、隠れよ。 万が一さっきみたいな恐竜に出会したら、
たまったもんじゃない…)」
そうして、洞窟の中で拾った防具と鱗を何枚か取り出し、地面に置いた。
「さ~てっと、上手くいくかな。 昔、錬金術のマンガ読んだことあったからね~、やってみたかったんだよね」
イメージとしては2つ素材を一つに合わせるように。
そして、自分のサイズに合うように…
ネオは地面に手を付くと、手元に魔法陣が出て来て防具と鱗の形を変えた。
「よっしゃ! イメージ通り」
立ち上がり、防具を装着した。
前は、ボロボロの灰色で右肩と胸まわりだけの防具だったけど、作り替えた物は
鱗と同じ茶色で肩は変わらないけど、胸まわりは鳩尾まで防具が伸びて新品の
ように綺麗になった。
改めて、ステータスボードを見るとHP508/508だったのが498/508に変わっていてMPも 851/872だったのが822/872になっていた。
ネオは少し考えてから残った鱗を取り出し、今度はそれで小刀を作った。
「鱗だからどこまでもつか不安だけど…この状況で、武器が無いよりはましか」
ネオは洞窟を出て、さっきの冒険者たちが言った方向と同じ方に歩いて行った。
歩いている最中ではもう一つのスキル化け術を使っていた。
上手くいくかどうか分からなかった。
実験的な使い方だったが、それでも上手くいっていた。
化け術を使ってネオは自分の姿を消していた、それは自分がいた世界にある
ステルス機能と言うものを使っていた。
ネオが使っていたのは光の屈折を利用して周りの景色と同化することで、
自分を周りから見えなくする感じの物だった。
歩いている最中も近くを巨大なカニの魔物らしきものが通るが、
全くネオに気付く様子はない。
そうこうしているうちにネオは、先を歩いていたさっきの5人組に追いつくことができた。
この時点で声をかけようかという判断はなかった。
そして後にこれが正しい判断だったとネオは思う。
しばらくの間そのままの状態でバレない距離で付かず離れず、彼らの様子を伺いながら情報を引き出していた。
彼らはネオに全く気づかなかった、それは優秀なスニーカーのおかげと言える。
途中、他の魔物との戦いはある中で彼らが取りこぼした、いらないと思われる
アイテムなどを拾っていった。
牙が金属で出来ている猪や尻尾が蛇の鶏、頭が二つある黒い蛇など、見たことないネオにとっては珍しい生き物なのだが、倒して行ってもアイテムを拾っていかないことから、何処にでもあるポピュラーな物らしい。
なので、遠慮なく貰っていく。
そんな彼らの会話から色々と分かった。
「(…なるほど、ここはエルダース王国で首都と言うか王都がエウロカ、ここから離れているけど街のワープ装置でお金を払えば何処にでも行けること、今いるのが地底ダンジョンの32階層と…)」
しかし彼らを追いかけているうちにネオは、目眩を起こした。
気づくとステルス機能が消えていた。
幸い彼らから離れていて、岩陰にいたので気づかれることは無かった。
どうしたんだろう?とバレないようにこっそり、ステータス・ボードを開くと
HPが92しくMPも273しか無かった。
「(魔法きれ…いや、魔力切れってやつか…体力もヤバイな)」
そうこうしているうちに、水辺と思われる場所にたどり着いた。
そこは壁から綺麗な湧き水が湧いて、小さな池になっていた。
レイピア女が自分のもっている水筒らしき物をその流れている湧き水で洗い、
そしてまた水を汲んだ。
洗っている間に他のみんなが先に行ってしまったので、慌てて後を追うと走り出した。
その時、水筒を走りながら腰のベルトに括り付けて行った。
しかし、括り付けが甘く落としてしまったが、それに気づかず彼女は
行ってしまった。
5人組が行ってしまった後で、ネオは水筒を拾った。
何かの動物の皮で出来ていて、飲み口は木で出来ていてコルクで蓋がしてあった。
「……悪いねお姉さん。 水筒もらうよ、何しろ人前でペットボトル出す訳には、いかないからね」
そう言って、水筒の水を半分飲んだ。
ネオはもう彼らを追いかけようとはしなかった。
と言うよりかは追いかけられない状態だった。
取り敢えず回復しようと物陰に隠れて、荷物の中からパンを2つ出して食べた。
食べているうちに次の行動を決める為もう一度ステータス・ボードを開いた。
レベルは1→3になっていて、HPは508→713なっていて、MPは872→1045に
増えていた。
スキルも錬金術が1→2になっていて、化け術は1→3に増えていた。
おまけに、まだレベル1だけどステルスと言うスキルも増えていた。
パンのおかげでHPとMPが少し回復したけど、それでも一人で外まで出るのは
キツい。
そう思っていた時、人の声が聞こえてきた。
隠れながら様子をうかがっていると、3人の女性が現れた。
その3人は明らかにさっきの5人よりはレベルが上だと、判断できた。
腰まである長い金髪に、海のような青い瞳。
10代のあどけない顔立ちだけど、著名人な彫刻のように整った顔立ち。
白い甲冑にワインレットの膝まである上着とズボン。
そして腰には、細工の細かい立派な剣があった。
二人目は、一見して魔法使いだと分かる。
身体の線を強調したセクシーな黒いドレスに黒いレースが豪華にあった。
アメジストの宝石が埋まった木の杖を持っていて、つばの広い黒い帽子をかぶっていた。
その帽子から同じくアメジスト色の太ももまである長い髪に琥珀色の瞳
落ち着いた雰囲気から30代と思われるが、年齢不詳な感じだ。
彼女もまた、女優のように整った顔立ちをしていた。
最後の1人は、弓矢思っていた女性
髪は銀髪で鎖骨までで短く、耳が長いことから人間じゃないことだけは分かった。
「(さっきの男と同じ…エルフってやつか)」
ネオは彼女たちが池の近くで、休み始めたのを見て、そーっとその場から離れ彼女たちから 距離を取った。
すでにネオにはもう体力も魔力も残っていない、なので彼女たちについていこうと考えた。しかしその為には、今のままじゃダメだと思ったので、彼女たちが休んでいる間に準備をすることにした。
「(さっきの5人と合流しないで観察だけしてて正解だったな。 メイドインジャパンってこの世界だと高級品ぽいんだよね…)」
まずは、尻尾が蛇の鶏の羽を使って、上着と下着を作った。
ズボンはさすがにないので、荷物の中にあった古いグレーのスエットを取り出した。
来ていた服は下着を含めて全部脱いで、それに着替えた。
次に、牙が鉄で出来ているイノシシの牙で小さな短剣を作って、
持っていた鱗の短剣は鞘に変えた。
最後に頭が2つある黒い蛇の革と骨を使って靴とベルトを作った 。
腰のベルトにさっき拾った水筒を括り付けた。
それを作った段階で MPはほとんど空になってしまった。
それでもネオは残ったわずかな MPでステータスボードの中にあるアイテムボックスを化け術で空っぽに見えるようにした。
最後に、その場で転がって顔や体に土や汚れをつけた。
いかにもダンジョンで迷ってます、と言う感じに見えるように
準備は整ったと、ネオは彼女たちの元へ向かった。
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